-つまらない日常-
大学生になった。
元々憧れはほぼなくなっていたが、実際に入ってみたら面白いものであった。新たな友達も増え、数が少なかった現実での女友達も増えた。
ただ、高校と比べ友情の軽さも感じてしまった。あいつが誰かとやった。こいつは彼氏がいるのに他の人の家に泊まっている。遊びに行っている。そういう嫌な話が飛び交う。ダメな遊びに染まっている人は少なくなくそれを共有しようとしてくる。本当に一緒にいたいと思える友人が片手で数えられる程度だった。
自分で言うのも恥ずかしいが、大学生になり服や清潔感を整えるようになり、見た目としてもそこまで悪くは無い自分は嬉しいことに好いて貰えることもあった。ただ、人を好きになる気持ちがわからなくなった自分には、どうしようもない問題であった。
そんな大学生活や部活生活を過ごしあっという間に半年がたった。
周りは次第に恋人ができ始め、グループも明確化されるようになった。男女のグループには少し抵抗もあったため、なかなか馴染めなくなり、学校にいても、どこか遠くにいる気持ちになってしまった。
そんな経験もあり、初めて夜の街に繰り出してみた。今までは会うことがなかった様々な人と出会い考え方も変わっていった。また、自分の心のどこかにあった寂しさがまた悲しい繋がりを増やして行った。
そこから、1ヶ月がすぎ、一人暮らしを始めると寂しさが増え、悲しい繋がりがより増して行った。
こんな日々を過ごしていくとより一層異性に対する気持ちがわからなくなる。一定以上の気持ちが入ることなくて中途半端な気持ちで接する人が増える。自分でも悲しく何をしているのだろうと思う日が増え、思ってもない『死にたい』が口癖になってしまった。虚しい時間を日常の中で過ごしただただ平凡に過ごしていく、こんな生活が一生続くのではないか、そう思うと何も考えられない、というか考えたくなくなってしまった。
ただ、君との出会いでこのどうしようも無い日々が少し変わった。無駄な関係がなくなり、1日に楽しみが出来た。きっとこういう些細な楽しみが人に頑張る気力を与えているのだとしれた。
ただ俺がこのことに気づくのはまだ遠い先の話だった。