魔術会ビル、再び
放課後。
俺と優、モカ、そして秋月先輩は、電車に乗って魔術会ビルに向かった。
「エミは?」
電車のつり革につかまりながら顔だけ俺に向けてきた優。
「なんか用があるとか言ってた。先に行くって。」
「そうなん。心の準備しとかないとな…。」
さっきからそわそわして落ち着かない様子だ。
…誰だこいつは。
いつもの優じゃない。
なんか、変。
「翔真君、体はもう大丈夫?」
「うん、あれから結構時間経つし、何の問題もないよ。心配ありがとうモカ。」
「ふふ、よかった!」
笑顔でふわふわしててかわいい。
渋谷駅に着き、電車を降りる。
「先輩、ビル行くの初めて?」
「そうだね、登録のときに一回行っただけだから、行き方もわからないや。ついていくよ。」
先輩と俺は一回しか言ったことがなく、モカと優の後ろについていくことに。
「先輩は、いつ登録を?」
「僕?そうだな、小学校高学年のときかな。あんまり活動はしてなかったから、まだどの部隊にも所属してないんだ~。君もまだ所属してないよね?」
「はい、まだですね。…もしかして他のみんなはもう所属しているんですか?」
そう言えば、あの北峰さんって人もそんなこと言っていた気がする。
「うん、入っていると思うよ。僕が知っているのは、花月さんだけだけどね。彼女は第四部だったはずだよ。」
第四部.
初めて魔術会ビルに行ったときに俺の魔術会登録をした後に第四部というところに行った。
そこには郷知さんという人がいたのを覚えている。
花月はあそこの所属だったのか。
「多分僕たちもそろそろどこかに配属されるんじゃないかな。」
そうか、俺たちも配属されるのか。
「おーい、二人ともついたぞ。入ろうぜ!」
いつの間にかビルに到着していた。
いつ見ても大きくて圧迫感がある。
俺たちはビルの中に足を踏み入れた。