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9話 日常

朝4時、いつも通りに起き、顔を洗い、朝ごはんにトーストと目玉焼きを食べて、馴染みのタクシーを呼ぶ。いつも通りの朝だ。


「碧希さん、おはようございます。今日はどこまで?」


「スタジオまでお願いします」


もう運転手とは顔馴染みだ。結構いかつい顔をしているが、優しい初老の男性だ。たまに飴玉をくれるから絶対にいい人。ぼーっと窓の外を眺めながめていたら到着した。

マネージャーが出てきて、今日の取材の概要を話す。私には姉妹のマネージャーがいて、香奈さんと梨々香さんだ。基本は香奈さんがくるがたまに梨々香さんがくる。香奈さんの方が優しい。わがままが言える。ちなみに今日のマネージャーは香奈さんだ。


「今日は以前撮ったドラマの撮影時の裏話などを聞きたいようです。あとは碧希さんの休日の過ごし方が知りたいらしいですよ」


「めんどくさい。やだもう家帰る」


「はいはい、あとで差し入れでもらったGODIBAの新作チョコあげるから頑張ってください」


「じゃあ、頑張る」


あくびを一つして、スイッチを切り替える。緩く口角を上げ背筋を伸ばし、女優であるマリの仮面を被る。楽屋につき鏡台前に座る。そしてメイクさんにおとなしく化粧をされる。今日はちょっとすっきりとした印象を与える化粧だ。化粧が終わり衣装を着る。黒のズボンに暗めの赤の肩出しのセーター。ネックレスは小さなアメジストがはめてある銀細工。準備が終わったので時間まで楽屋に置いてある本を読む。異世界小説だがなかなかに面白い。


「マリ、時間よ」


香奈さんが私を呼んだ。一緒に会議室まで歩いて行き、ドアの前で私が先に入り香奈さんが後に続く。中を見回すと座っている若い男がいた。その人は私に気がついたようで、立ち上がりこちらまで歩いてきた。いいスタイルだな。足も長いし、顔も悪くない。俳優になれるぐらいの顔立ちだな。


「今回は取材を受けていただきありがとうございます。僕は村中 涼介(むらなか りょうすけ)といいます。今後よろしくお願いします」


名刺を差し出されたので微笑んで受け取る。週刊誌の記者か。


「ご丁寧にありがとうございます。私はご存知の通り女優のマリです。本日はよろしくお願いします」


「いえいえ、ではまず………」


この前撮ったドラマの話を聞かれて答える。しばらくしたあと趣味の話に入った。


「マリさんは休日何をされてるんですか?」


「そうですね、普段は寝て過ごしてますが昨日からゲームを始めましたね」


少し考えて答える。


「どんなゲームですか?」


「VRゲームのFrontier Worldってものですね。楽しいです」


可愛らしい仲間たちのことを思い出して、思わず素の笑顔が(こぼ)れた。


「え、FWですか?僕もやってるんですよ!」


涼介は目を見開き、少し身を乗り出して悔い気味に答えた。


「そうなんですか?今度一緒にやってみます?」


少し考えたあと、一緒にやってみたいと思い提案をする。


「ぜひ!」


涼介は満面の笑みを浮かべ、食い気味に答えた。連絡先を交換して、この場はお開きとなった。少し楽しみだな。


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