4話 出会い
五感が完全に戻り周りを見渡していると、ピコンという音と共に視界にウィンドウが現れた。
〈モンスターを召喚して、名前をつけてください〉
・リトルスネーク
・リトルホース
「召喚って、どうやるんだ……?」
また音が鳴ってウィンドウが現れた。
〈プレイヤーは言葉に出す、もしくは念じることでこの画面を操作できます〉
なるほど?召喚って言葉に出せばいいんだね。
「召喚、リトルホース、リトルスネーク」
ポンっという感じで目の前に子馬と小さい蛇が現れた。か、かわいいっ天国ですか?艶々とした黒い毛並みに風に靡くほんのり青色がかった黒い鬣脚は足首から白いソックスを履いたかのようなな白色。好奇心旺盛で、わんぱくです!って感じのキラキラした深い青色の瞳の子馬。
ツヤツヤ、テラテラと光を反射し、周りの色を鱗に映す純白。チロチロとたまに出している舌は綺麗な赤。小さい体から放たれている高貴な雰囲気はさながら貴族のよう。血のように赤黒いガーネットのようではなく、若干桃色がかったルビーのような宝石をはめ込んだと言われても信じてしまうぐらい美しい理知的で優しげな光を放つ赤い瞳の小さな蛇。
あぁっ、もう最高。好き、死んでもいい。と思いながらしゃがみ込むと2匹ともびっくりしたように目を丸くしてこちらを見つめている。それもいい、可愛い、カメラカモン!念じるだけでカメラが手元に現れた。パシャパシャと無我夢中で写真を撮り続ける。
少ししたのち我にかえった子馬がトコトコとこちらへ近づいてきて、カメラを持つ私の手の甲に頭を擦り付けブルルッと鳴いた。遅れてきた小蛇も見ていると私の足首をツンツンとしてじっと見上げてきた。カメラを消して、右手を差し出してみるとスルスルと登ってきた。子馬の方は左手で耳の間あたりを撫でると気持ちよさそうにしている。
「私死にましたか……?神様ご褒美ありがとうございます」
なんて呟いていると、テロップが目に入った。名前をつけてください、と。
「名前、ねぇ……」
ちなみに子馬はオス、小蛇はメスらしい。変な名前はつけらんないよね。
子馬は明るく好奇心旺盛そう、黒か、空のような青。青い月、月、モーントかな?
小蛇は気高く美しい、綺麗な白、白い花、エーデルワイス、エーデルがいいかな?
「子馬のあなたは、モーント、月って意味よ。あなたの瞳と毛並みの組み合わせは夜空に浮かぶ青い月のようだからね。小蛇のあなたはエーデル。高貴な雰囲気を放っているからね。モーント、エーデル、これからよろしくね」
モーントは嬉しそうにブルルっと鳴き、エーデルはチロチロと舌を出している。これは、多分喜んでいるんだろう。2匹が穏やかな光に包まれテロップが変化した。
〈リトルホースはモーント、リトルスネークはエーデルという名を受け入れました。これにより名付けは完了しました〉
先ほどまで出ていたテロップは消え、また新しくテロップが出てきた。
〈スキルを確認してください〉
スキル確認か……難しそうだな。
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