2話 再会
朝7時、朝日により目が覚めた。
「……ねっむ」
昨日は興奮しすぎてよく眠れなかった。けど、もう一眠りする気にもなれない。携帯を手に取りFrontier Wordのホームページを開きもう一度よく読んでみる。AIが搭載されていて、プレイヤーの行動によって学習し、感情を持っているかのように動くらしい。没入型?で5感のすべてを感じることができるらしい。要するにモンスター達の手触りを全力で感じることができるらしい。うん、最高。控えめに言って至高。
「ピンポーンッ」
インターホンがなった、届いたようだ。早足で玄関へ向かう。
「はーい」
「お届け物の品はこちらで……え、たまちゃん?」
配達業者さんが私の顔を見てそう言い固まった。たまちゃん、そんな呼ばれ方したことあったっけ?
「え、あーっと、どちら様ですか?」
「私だよ!高校の時隣の席だった佐々木由美だよ!」
佐々木由美……あ、思い出した!
「え、みーちゃん?え、まじで?めっちゃ可愛くなったね」
「たまちゃんに言われると我ながらめっちゃ可愛くなってるのかなって思うよw」
そう、由美はかつての面影がなくなるほど可愛くなっていた。だとしても忘れるのはどうなんだと言う話だが。
「久々だし、うちに上がってく?」
「え、いいの?じゃあバイトもこれで終わりだし、お言葉に甘えて、お邪魔しまーす!うっわ、ひっろ。さすが有名女優の家……」
「それほどじゃないよ。お茶とみかんジュースどっちがいい?」
冷蔵庫を開くと昨日の朝作ったほうじ茶とこの前マネージャーから貰ったみかんジュースがあった。
「みかんジュースで。ねね、これ何買ったの?重かったんだけど」
「それはねー、開けてみていいよ」
ワクワクした顔で由美がダンボールを開けて、中の機体とソフトを取り出す。
「最新のVR機体に、FWのソフトじゃん!私も持ってる!」
「え、みーちゃんも持ってるの?」
びっくりした。まさか由美がFrontier World を持っているとは……
「ふふん、結構やりこんでるよ!買ったんなら一緒にやろ!」
「もちろん!こっちからお願いしたいよ」
一緒にできる人がいてちょっと嬉しい。
「じゃあ決まり、帰ったら連絡するね!あ、連絡先交換しよ?」
「そういえばしてなかったね。はいこれ」
連絡ソフトのアドレスを交換した。仕事先の人しか入ってなかったからなんか新鮮だ。
「じゃあ、そろそろ戻るねー、またあとで!」
「じゃあねー」
ドアを開けて由美が出ていく。さてと、由美ができるようになるまでゲームの設置と設定を始めるか。
更新はマイペースにやるのでもし遅かったらすみません。今回も読んでくださってありがとうございました!もしこの作品が良いと感じていただけたら、高評価、ブックマークをしてくださると励みになります。