表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
盾の魔術師、トップを疾走れ!  作者: 九五
【終わる世界、始まる世界】
7/33

ver.7 ふたりの姫と、ランキング

「二人共、怪我はないか」

 

 辺りを見回し警戒をしながら、ラズライトがあたしたちへと歩み寄る。

 

「守ると言った手前すぐにこちらに加勢するつもりだったのだが、君たちもなかなかにやるようだったからね。つい、少し任せてしまった」

 

「あら。それは、どうも」

 

「さて。なんにせよ、これで私たちの目的は達した。あとは出口を探すだけだが――」

 

 ラズライトが言いかけると、この場所全体から黒い霧が立ち込めてきた。

 

「皆、私の近くに!」

 

 ラズライトの呼びかけに一所に集まるあたしたち。その霧はそこかしこで立ち昇る。同時に粒子がキラキラと、視界に散りばめられるように輝く。直感的にこの場所が溶けて(ほど)けて行くように感じた。徐々に輝きはその割合を増して目の前を埋め尽くし、目を開けていられないほどに。それが治まると景色は一変。あたしたちは薄暗くジメついた洞窟の中ではなく、青空の下にいた。

 

「どうやら……外に、出たようですね」

 

「そのようだな。不思議な現象だが」

 

 ルクス、ラズライトも一緒だ。戸惑うあたしたちだが、見渡せばあたしが失敗して吐き出された場所のようだった。しかし、後方にはダンジョン攻略前にはなかった洞窟の入り口がポッカリと口を開けている。広がった闇とそれ以外は荒野だった一帯も、洞窟周辺までは地形そのものが様変わりし、木々が覆う自然の大地に変わっている。

 

「ナイン、カナリア。まずは君たちに感謝を。二人が来てくれなければ私たちは永遠に忘れ去られ、闇に餐まれたままだっただろう」

 

 そう言って握手を求めてくるラズライト。国主みたいなことを言っていたが、随分と偉ぶらず、爽やかな風に言う人だ。あたしも、カナリアさんも、応えて手を差し出せば、がっしと力強く握り返してくれる。

 

「それに、闇からなにかを取り戻した、という事例は今まで聞いたことがない。これは快挙であるし、今後にとっても君たちからは是非とも詳しく話を聞かなければ」

 

「ラズライト様」

 

「ああ、わかっている。ゆっくりお礼もしたいところだが、本当に私たちが何ヶ月もここに囚われていたのであれば、サウザンドのことが気がかりだ。まずは急ぎ戻らねば」

 

「「待ってたにゃぁあああーーー!」ニャぁあああーーー!」

 

 ステレオ的に重なる声。もはや聞き慣れたその声の主を、あたしは思い出した。


 ずざー、っと二匹の猫が目の前でヘッドスライディングする。こいつらってこの登場がお決まりなの?

 

「待ってたニャ! 我らが冒険者たち!」

 

「お手柄にゃ! キミたちならやってくれると思ってたにゃ!」

 

「危険なところに送り出したかニャ、心配で心配で食事もロクに喉を通らなかったニャ」

 

「そうにゃそうにゃ。無事で本当に良かったにゃあー」

 

 口々に騒ぐキキタとジバニ。その口ぶりは妙にわざとらしくて、引っかかる。

 

「珍しいな。地猫族ではないか。君たちは?」

 

 問われてジバニがひとつ咳払い。姿勢を正して畏まって、

 

「サウザンド軍姫のラズライト殿とお見受け致すニャ。ボクは『熊猫大商隊』隊員のジバニ。こっちは見習いのキキタ。故あってお二人が闇に囚われていることを知り、それをお助けするべく冒険者を雇い、救助に向かわせた次第ニャ。ご無事の帰還、心よりお祝い申し上げるニャ」

 

「……だにゃ」

 

 胸を張って発言する姿はそれなりに様になっていた。一歩後ろのキキタは言うことがないのか所在なさげだが。

 

「そう、であったか」

 

 ラズライトがあたしにちらりとなにやら意味ありげな視線を送る。が、どんな顔を返したらいいのだろう。というか、これは少し猫たちを見くびっていたのかもと思わなくもない。便乗というか、思惑ありありなのが明らかではあるのだが、強く否定するほど嘘をついているわけでもない。少なくともアリスさんは契約だとか、雇ったとかの言葉を使っていたはず。その先の目的もわからない今のところ、あたしからは否定も肯定もしづらい。

 

「では、まずはそれについて礼を言おう。して、単刀直入に問うが、何が望みだ? 件の商会が慈善事業、でもあるまい」

 

「さすがはラズライト様。話が早いニャ」

 

 ジバニが瞳を細める。僅かな隙間に映し出されて見えたのは、確かな企みだ。

 

「簡単な話ニャ。ボクたちを“政姫ロデット様”と“交姫ミクリ様”にお目通りできるよう、便宜を図っていただきたいのニャ」

 

「紹介する、ということか。それはまぁ、できないことではないが」

 

「いきなり謁見を求めるとは無礼な。貴様ら、一体何を企んでいる。何が目的だ」

 

 割って入るようにルクス。なぜかキキタ、ジバニに対する態度は硬い。

 

「いやいや。企むだなんてそんニャ。単なる商談ニャよ。今の情勢持ちつ持たれつ、仲良くして欲しいだけなんニャ」

 

「ふん。貴様らに単なる商談(・・・・・)なんてものが存在するのか」

 

 なんだか猫たちは彼らに嫌われている、という雰囲気。事情はまだわからないが、なにがあったのか。あるいは猫たちがなにをしたのか(・・・・・・・)

 

「待てルクス。君たちも、まずはサウザンド城に戻ろう。話はそれからだ。私たちもこの数ヶ月を取り戻さねばならないし、状況を理解、整理してからでなければ要望に応えるもなにもないからな」

 

「もちろん構わないニャ。善は急げ。早速出発ニャ」

 

 率先して歩き出す猫たち。そう言えばイベント効果でワープしてきちゃったから、ここからサウザンドまでどのくらい距離があるのかもわからない。ダンジョンとサウザンドとの位置関係を探ろうとメニューを開く。前作から考えれば、訪れた場所が白紙に自動で記されていくタイプのマップがあったはずだとウインドウへ視線を移すと、遮るように再び現れた複数のポップアップ。


〘世界分岐が進行し、忘れられた時系物に囚われていた世界の記憶が在るべき場所へと還りました!〙


〘これによりダンジョン『碧の黄昏』は“攻略迷宮”として全プレイヤーに対して開放されます。〙


〘貴方とパーティーメンバーには『還元者報酬』と『初回報酬』がそれぞれ手に入り、更に『WIS(World Impact Score)』が加点されます。また、それらは忘れられた時系物所持者である還元者プレイヤーに最も多く分配されます。〙


〘WISは世界への影響度として集計され、ランキングされます。また、これはゲーム世界においては“名声”として扱われます。〙


 急なシステムチュートリアルの数々。開放? WIS? ランキング? 情報が多くて混乱する。思わず顔を上げてカナリアさんを見やると同じようにウインドウを見つめている。ぴこぴこぴこん、と聞き慣れないSEが聞こえ、更に重なるウインドウが。


〘ワールドアナウンス:PN【Nine Re:birth】とパーティーメンバー1名がダンジョン【碧の黄昏】を踏破。同ダンジョンは攻略迷宮として全プレイヤーに開放されます。また、これにより【嵐雷のラズライト】と【煌槍のルクス】が世界に返還。貢献したプレイヤーにWISが加点され、ランキングに変動があります。〙


〘【4月 WISランキング】

1位 Nine Re:birth 100P

2位 Canary 50P〙


 ……。


 …………。


 え。なにこれ。


 思考が停止する。システムの解放と共に新たにチュートリアルがなされるパターンはよくある。けど、説明されているようで説明のない、本質を理解しきれぬ情報の数々。


 え。ちょっと、これってワールドアナウンスって、全プレイヤー向けの通達って、意味だよね。


 え。え。カナリアさんも同じようにウインドウを凝視して難しい顔をしている。彼女はパーティーメンバーだし、通知されて当然だけれど。確かにランキングがあると示唆する文言は見た記憶あるけれど。こんな形で。ていうか始めたばかりだからしょうがないと思っていたけれど、おニューのシステム多すぎだって……!

 

「……どうかしたか、二人とも」

 

 数々の新情報に立ち塞がられ、立ち止まってしまったあたしたちに、親切にもラズライトが歩み寄ってきた。

 

「あ、や。大丈夫、です。なんでも」

 

「そうか? 君たちもついてきてくれ。まずはサウザンドまで送ろう」

 

「は、はい」

 

 混乱する頭のままで歩き出すと、すれ違いざまにラズライトが耳打ち。

 

「……地猫族には、気をつけろ」

 

 その情報が追い打ちの止め。私は一旦考えるのをやめた。





◆◆ NOW LOADING…… ◆◆





 思えば前作にあたるShadow Rebellionはある種”そういう“ゲームだった。丁寧なストーリー描写をする反面、ある程度以上の『読解力』が要求される場面が少なくなかった。システムの説明やチュートリアルはもちろんあるが、それを真に有効活用するためにだったり、ストーリーの核に迫るためだったりで、しばしば重要なセリフの真意を汲み取ったりしなければならなかった。


 そういう頭脳労働が必要な場面ではまるでサスペンスドラマに入り込んだかのように複雑だったりして、とことん楽しめる人がいる反面、苦手な人が匙を投げてしまう要因でもあったし、進行のヒントそのものが含みをもたせたセリフだったりすることはゲームとしては不親切だと感じる人も少なくなかっただろう。「武器や防具は装備しないと意味ないぞ」に始まるわかりやすくゲーム的な導きというのは意外と重要な要素だったりすると思う。


 未だ正統な続編という風には思えないのだが、この『RECAPTURE HEROS』にもある種通じるような不親切感がある。初めて間もない段階とはいえ、メインストーリーや案内役もおらず、なにをしたらいいのかが不明だったり。イベントの進行具合に対して後出しの新情報がちょっと多すぎやしないかと。自分で解明すべき謎が多すぎやしないかと。忘れられた時系物とやらに始まってこっち、理解できぬまま流されまくってここにいる気もしてどうも落ち着かない。


 特に選択肢を選ぶわけでもなく、高性能AIとのリアルな会話で進行していくというのは正解が見えなくて不安にかられるなぁ。それでもここまで触れた感じ、このゲームには”どんな行動も正解とする“くらいの自由度を備えていそうだから末恐ろしくもあるけれど。


 そうこう思案しているうちにサウザンドが見えた。リアル時間で10分程度だから、それほど遠くに来ていたわけではなかったらしい。道中NPCたちと雑談をしていたカナリアさんにはかなりの余裕を感じた。やはり歴戦のプロゲーマーさんなんだろうな。


 サウザンドは大きな国だ。現実の近代国家に比べれば一都市程度の広さだろうが、こうして外から見ると広大だ。緩やかな丘陵の一番高いところに城があり、裾野に広がる城下町は外側を城壁に囲まれて『いかにも』という感じだ。その城壁が大きく開いた城下への入り口は、近づけばなにやら賑やかで、あたしが借りて身に着けているローブマントにある紋章の鎧を身につけた兵士たちが整列しており、そしてそれに指示を出す人物がいる。

 

「ら、ラズライト様だ!」

 

 兵士の一人が近づく私達に気づいて声を上げた。騒然とする兵たちだが、

 

「うるせぇぞ! 整列! 待機!」

 

 語気は強いが如何せんアニメ声のため迫力に欠ける号令が一喝。訓練の賜物か、びしっと整列してみせる兵たちをよそに、声の主はこちらへとやってくる。


 その人物は非常にわかりやすく“姫”だった。陽の光を反射して輝く長い金髪が映える純白のドレスを纏い、髪色に負けぬ煌きを放つティアラ。白の胸当て、手甲、そして小柄な身長と同等程度の剣を一振り背負い、大股で歩く姿には威厳を感じねばならない出で立ち。だが、声質からして納得の子供(・・)だった。150センチないであろう身体で胸を張ってずんずん、と歩く姿は微笑ましくすらある。


 そんな姫は真っ直ぐにラズライトへと歩み寄り、跳び上がり、無言でがいん! と頭をぶん殴った。

 

「な、ろ、ロデット様!?」

 

「「にゃ!?」ニャ!?」

 

 狼狽えるルクス。当のラズライトはどこかの郷土品の人形のように首を揺らすだけで、ノーダメージみたいな表情。代わりに猫たちがリアクションをしてみせた。

 

「……痛いではないか」

 

「嘘つけ。アタシの拳が効くわけないだろ脳筋め」

 

 呼ばれた名前と言動から、この娘がおそらく『政姫』と呼ばれるサウザンド国主のひとり。見た目と立場の割にキャラクター性が乱暴でギャップがすごいが。

 

「一体なにやってた」

 

「恥ずかしい話だが、遠征先で丸ごと闇に餐まれていたらしい」

 

「だろうな。アタシたちもお前らが帰ってないことに気付きもしなかった。ついさっき急に記憶が戻ったというか、数ヶ月戻っていないことを思い出せたというか。不思議な感覚だったよ。柄になく慌てちまって、急ぎ捜索隊を編成して出るとこだったのさ」

 

 と、顎で後方の兵たちを指す。なるほど。闇に囚われた場所や人が解放されるとこういう風に影響があるのか。世界が動き出す感じ。

 

「……あ、貴方がロデット様、にゃ?」

 

 明らかにさっきのゲンコツにビビっている猫たちが恐る恐る声をかける。それに対して鋭い視線を返すロデット。彼女よりも背の低い猫たちはそれに見下される形で、その威圧感にたじろぐ。

 

「ちっ、地猫じゃねぇか。なんだお前ら」

 

 腕組みで心底嫌そうに言う。あんな可愛らしい子に凄まれても、と思ったけれど、いや、なにあの殺気マシマシの眼。カタギじゃないでしょ絶対。

 

「こ、こ、抗議するにゃ!」

 

「そそそ、そうニャ! 民族差別はよくないニャ!」

 

「うるせぇ騒ぐな。お前らなんだ、って聞いただけだろうが」

 

「こ、こ、怖いんにゃ! アナタ!」

 

 おいおい。それ言っちゃうのキキタ。

 

「ぼぼぼ、ボクたちはラズライト様の恩人なんニャ!」

 

「恩人、だと? どういうことだ?」

 

「「ひ、ひぃい!」」

 

 もはやカツアゲか恐喝のような雰囲気だ。カナリアさんがクスクスと笑っている。

 

「おい。今のは本当か? サウザンド最強の剣士がこの猫どもに救われた、って?」

 

「んー、間接的には、そうらしい」

 

 さっぱりと言うラズライト。再びジトっとロデットに視線を向けられ、怯えて抱き合う猫。その眼はそのままあたしたちへ。

 

「で、そっちの二人は?」

 

 ……いや、確かに怖いなこの子。なぜだか巨躯の格闘家にでも対峙してるような威圧感がある。というか、そうでないのにそういう印象を与えるっていうのはゲーム的にどういう技術なんだ。

 

「この二人はー、その、なんだ」

 

 少し思案してラズライト、

 

「私の妹たちだ」

 

「へっ!?」

 

 予想外過ぎて思わず変な声を出してしまった。どういうことなの。

 

「……あーあー、わかったわかった。お前の嘘は大抵善行だからな脳筋。もう良いよ。それで」

 

 凄い信頼感、なのかな。ともかくロデットはそれ以上聞かずになにかを察したようだった。

 

「おい! 帰ってきたから、お前らもういいぞ。撤収して持ち場に戻れ。責任者は各所に報告。以上、解散!」

 

 ロデットの号令に兵たちは統率された動きで三々五々に散っていく。

 

「で。その猫どもと妹たちはどうする予定なんだ」

 

「地猫族の二人はロデット、ミクリとの会談を希望だ」

 

「は。『戦銭の真言者』が出張るってくるならまだしも、いっちょ前に下っ端が商談か? 生憎お話のわかる優しいミクリのやつは遠征中だ。話ならアタシが聞く。残念だったな」

 

 猫たちがひぃい、と悲鳴をあげる。

 

「この二人とはひとつ行きたい所がある。その後合流するから先に城に戻っていて欲しい。ルクスは猫くんたちを城へ案内してあげてくれ」

 

「……かしこまりました」

 

「ちょ、ちょっと! 人選が超アウェイやないニャか!?」

 

「ドナドナにゃ! ドナドナが聞こえてくるにゃ!?」

 

 聞こえてないよ。ていうかこの子たちドナドナ知ってんの。

 

「と、と、とりあえずニャ」

 

 パタパタとあたしたちに駆け寄るジバニ。

 

「これを渡しておくニャ」

 

 肩掛けカバンから取り出したのはバングルだった。銅のような色味の金属でできており、周囲には見たことのない文字が彫られている。

 

「ボクらの基地へはこれを持ってないと入れないニャ。中は迷宮になってるけど自力で奥まで来れないような相手とは商いをするなと教えられてるから、頑張ってニャ」

 

 そちら自ら招待するとか言ってなかったです? 設定としてはありがちだけれど。ダンジョン、ってことね。

 

「おい。何してる。おら、さっさと行くぞ」

 

「じ、じ、ジバニー! 助けてにゃあー!」

 

 キキタの首根っこを掴んで引きずりながら移動を始めるロデット。もはや猫攫いの様相だ。

 

「ままま、待つニャー!」

 

 追いかけ走り出すジバニ。振り向きざまに、

 

「ノアドラッドで待ってるニャ! ボクらがいなくても、そのバングルがあれば話聞いてくれるはずニャ!」

 

「も、戻れないにゃ!? ワタシらこのまま帰らぬ猫となるにゃ!?」

 

 こうして最初こそ主導権を握っていた風だった猫たちは、わーわーと騒ぎながら連行されるように連れて行かれ、消えて行く。それを見送ると、

 

「さて、私たちも行こう」

 

 ラズライトも歩き出す。その後ろについて歩き出そうとしたところ、

 

「ナインちゃん」

 

 カナリアさんに呼び止められて振り返る。

 

「イベントの区切りがどこまでかわからないけど、少し注意したほうがいいわ。カナリアたち、結構目立っちゃってるみたい」

 

 言われてあたしはようやく気付く。あたしたちは、多くの視線に囲まれてしまっていた。





≫≫≫≫≫ Save and continue……

【tips(語られぬ予定の設定たち)】

●プロゲーマーのアバター

IGSF発行のライセンスを持つプロゲーマーは原則ひとり1アカウントであり、そのアバターは【RTAリアルトレースアバター】である。これは『現実の実際の外見』をトレースしアバター化したものである。

過去にプロライセンスを持ちながら、匿名性のある架空アバターであることを悪用し、未成年をそそのかし、略取。自殺未遂にまで追い込んだ事件があった。それをきっかけに”プロゲーマーの品格“が求められるようになり、現行の制度へ。しかしこれによりプロゲーマーのタレント、アイドル化、また彼らに対する不特定多数からの誹謗中傷が深刻化。国際的な社会問題にまで発展する。

事態を重く見たIGSFは巨額の資金を投入して超法規制度を導入。監視AIの開発と国際超法規チー厶を結成。その威光は事態の安定に一役買った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ