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みんなでおやつタイム

 13時に食堂で集まりロールケーキを食べる事にした俺達はいったん解散。お昼ご飯を食べに行く事に。

 さっさと食べて終えてから、俺はジャム・アラザン・ミントなどケーキをデコレーションする物を買う。他人(ひと)に提供する時は、見た目も重視したいからだ。なお、二人にアレルギーや嫌いなフルーツは無いことは調査済みなので、俺の独断と偏見で購入する。



 そして、いよいよ13時。女子受けしそうな感じで盛り付けて、二人の所へ持っていく。


「うわ! すごい、本格的!」

「おお! 凄く本格的だな」


他人(ひと)に食べて頂く訳ですしね。見た目にも拘るべきかと思って。それとつぶやいたーにもアップしたいですし」


「お! いいね、いいね。私も写真撮っていい?」

「では私も。記念に一枚撮っていいだろうか?」


「どうぞどうぞ」


 俺はアップの写真を一枚、引きの写真を一枚撮って、「ロールケーキを作りました。仲良くなった先輩に御馳走しました」と投稿。

 先輩方は色々な角度から写真を撮って、楽しんでおられる。見た目を良くしても、確かに味は変わらない。けど、こうして写真を撮ったりして楽しむ事が出来る。見た目も頑張って良かったよ。



「あ! そこにいるのは赤木君?」


「うん? あ、七瀬さん」


 そこへやってきたのは昨日のスーツケース事件をきっかけに知り合った七瀬さん。


「美味しそうなケーキねー! もしかして?」


「ああ。俺が作った。オーブンの加減とかが家と違うから、まずは慣れるために簡単な物から作ろうかと」


「簡単……なの?」


「結構簡単だぞ? 巻くのはちょっと難しいけど。せっかくだし、食べていく?」


「そうね……。じゃあ、頂いちゃおうかな!」


「追加で一皿持ってくるからちょいお待ち~」



「では改めて。頂きます」


「「「頂きます」」」


 うむ。いつも通りの仕上がりだな。満足満足。


「おお! やっぱりおいしい! 凄いよ! やっぱり私のお嫁さんにならない?」

「美味いな。パティシエでも目指しているのか?」

「凄い! 美味しいわね!」


 三人も満足してくれたようだ。良かった良かった。



「やった! これで僕も念願のお嫁さんに……って言うないでしょ、暁先輩」


「えー。残念ーー」



「それから桜葉先輩。仮にパティシエを目指すんなら、この学校に来てませんから」


「確かにそうだな。では、この技術は一体どこで?」


「妹に美味しい料理を食べさせてあげたいと思っている内にどんどん上達しまして。料理はまだまだ修行中ですが、スイーツなら母にも負けないと思います」



「あ、つぶやいたーにアップしたんだね!」


「まあな。あ、よいねしてくれたんだ。サンキュ!」


「いえいえ。こんな美味しい物食べさせてくれてありがとね!」


「これが趣味の一つだからな。む? ちょっと失礼。妹から電話だ」



『お兄ちゃん? 美味しそうだね。私にも頂戴よ』


 おい、何で知ってる。まさか俺に盗聴器でも仕込んであるのか? と言うのは冗談で。


「つぶやいたーを見たのか。いや、それはちょっと無理だな……」


『しかも、自分ひとりで食べるならまだしも、他の人に振舞うなんて……! ずるい! 私のお兄ちゃんが作ったケーキを、横取りしたのはどんなやつだ!』


「どうどう。今まで沢山作ってきたんだから、一年間は我慢してくれ」


『むー。私がそっちに行ったら、毎日作ってね?』


「毎日か……ちょっとそれはキツイかな……。でも、沢山作るよ」


『約束ね! はあ、私は市販のケーキでも食べるか……』


「偶には自分で作ってみたら?」


『それは出来ない相談だね』


「なんでだよ! 将来、困るぞ?」


『いいもん! 私は食べる専門だから!』


「まあ、それでも問題ないけどな。最悪、俺が家事をするから」


『それって、プロポーズ? 妹に対してプロポーズなんて……! シスコンも極まったらそこまでいくのね……』


「いや、そうじゃないから! いつまでも一緒に暮らしたいのは事実だけど! お前は大切な家族なんだから」


『そうね。お兄ちゃんはお兄ちゃんだもんね! あ、ママが呼んでる。切るね~』


「おう、元気でなー」



「仲、いいのね!」

「家族愛を感じたな」

「兄妹仲がいいのね」


「ま、まあな。改めて指摘されると恥ずかしいが」


「ところで、新しく加わったその()は、どういったご関係で?」


 とそこで暁先輩が七瀬さんの事について尋ねてきた。確かに、新入生の俺が、女の子と仲良くしているのを見たら、疑問に感じるかもしれない。「クラスメイトでも無いのに、どうして知り合いなんだ?」って思ってもおかしくない。


「昨日、物理的に衝撃的な出会いをしまして」

「その節はすみません……」


「「物理的に衝撃的?」」


 簡単に昨日起こった出来事を話す。


「わーお! 何その運命みたいな出会い方は! いいわね~。青春だね~」

「なるほど、そう言う経緯があったのか。それにしても、スーツケース二個? かなりの量の荷物だな。何を入れていたんだ?」


「ちょっと沢山ぬ……服を入れていまして」


「なるほど、おしゃれが好きなのか。それなら納得だな」

「わっかる~。服って意外に嵩張(かさば)るよね~!」


 やはりスーツケースの中身は服だったようだ。まあ、家具はひとしきり揃っている訳だし、嵩張るとしても服くらいだろう。


「はい……。逆に、お二方はどういう経緯で赤木君と知り合ったんです?」


「ああ、それは……略……という訳で」


「なるほど。部活動ですか! いいですね!」


「ちなみに、七瀬さんは部活動は決めてる?」


「全く決めてないわねー。特別好きなスポーツがある訳じゃないし、かといって文化部ってガラじゃないし……。フォルテとしての能力を上げるためにも、能力研究部はいいかもしれないわね。まあ、ゆっくり考えて決めようかな」






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