表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
106/109

勝つためではなく、負けないための行動


1組:6615点 ※落とされた回数:1回

2組:1285点

3組:10435点 ※落とされた回数:2回

4組:1850点 ※落とされた回数:1回


 拠点は落とされてから2分間は落とされる事は無い。というのも、その間は杯玉が無敵になるのだ。よって、4組、3組、1組の拠点がほぼ同時に落とされた今、点数が大きく動く事は無い。この隙を狙って3組は人を集め、緊急作戦会議を開いていた。


「今後の作戦を伝えるぞ。まずみんなに知っておいてほしいのはここからは『勝つためではなく、負けないための行動』が必要って事。今から伝える作戦は、負けないための戦略であり、優勝する為に欠かせない事だ」


 一呼吸おいてから、俺は具体的な話をする。


「ここから負ける可能性は3つある。一つ目は俺達の拠点が落とされる事だ。当たり前だが、こうなれば逆転される。2回落とされてる今、杯玉のHPは最初の2倍以上になっている。である以上、そうそう落とされる事は無いと思うけど、防衛に専念する必要はあるだろう。特に異常状態や拘束魔法持ちには注意したい」


「睡眠魔法とか土魔法だね。あと、オバケダコみたいな攻撃とか」


 合いの手を入れてくれたのは七瀬さん。凄く助かる。


「ああ。俺達が使えるんだ、敵だって似たような手段を持っていると考えた方が良いだろう。という訳で防衛斑は準備を整えて。あと、固定砲台は所定の位置に」


「「「了解~!」」」



「次、二つ目の負ける道筋としては、1組がどこかのクラスに二回以上落とされる可能性。4組が1組を二回落とせば、その時点で逆転されるからな」


「それを阻止ししないといけない、と」


「そう。ただ、1組を2回落とすのはかなり大変だ。もう既に俺達が一回落として、HPが増えてるんだ。そこから、もう二回落とすのは、無理があると思う。一組も抵抗するだろうしね」


 もちろん、1組が「どーぞどーぞ、うちらの拠点を落としてくだせえ」なんて行動に出たらもう2回落とされる可能性はある。けど、1組だって2位を死守したいはずだからな。


「そして最後。1組が2組に単独で落とされ、その後2組を1組だけで落とした場合も俺達が負ける」


「あーなるほど。まだこの可能性の方があり得そうだね」


「そう。そして、それを阻止する為の行動をする。まず2組を一回落とす」


「了解だよ! すぐにでも出発?」


「いや、焦らなくて大丈夫。最後まで聞いてほしい。2組の杯玉を倒した後は、4組を落とす準備をする。ここで分岐だ。4組が抵抗するようなら、1組を落とす方向に切り替える。4組が抵抗しないなら4組の拠点内で待機だ」


「分かったわ」


「じゃあ、行くか!」



 その後の試合展開はこうだ。まず、2組は俺達の攻撃に抵抗しなかった。ここで3組が点数を増やそうが、ぶっちゃけ焼け石に水だ。むしろ、自分達の拠点のHPが上がるのだからラッキーと考えたのだろう。


1組:6750点

2組:1405点

3組:10470→11875点(+1405)

4組:1930点


 その後、4組に攻め入った俺達。そこには3人の女性が待機していた。


「リーダーから伝言です。1組を落とすのをサポートして貰えるなら、抵抗しないとのことです」


「ここに3組が来るのを読んでいたのか。驚きだな」


「いえ、可能性程度にしか考えていませんでしたよ」


 なるほどな。

 俺達は攻撃班を二班に分けた。2組攻撃班と4組内待機斑だ。



 その後、2組と4組による1組攻略戦が始まったのだが、2組は3組に妨害された。2組は前後から攻撃され、四苦八苦する事になる。


1組:6840点

2組:1680→2892点(+1212点)

3組:12015点

4組:2110→7738点(+5628点)



 直後、4組内で待機していた3組が4組を落とした。再び点数が動く


1組:6840点

2組:2892点

3組:12015→19753点(+7738)

4組:7738点


 この時点で残り7分。



◆ Side 4組 ◆


「本当に3組に点数を譲ってよかったのか?」


「ええ。1組の所為で3組の勝利は確定になったわ。正直、逆転のビジョンが見えなかった。ならせめて、確実に2位になる手段を講じるべき」


「それもそうか。今、5千点近く手に入ったのも3組のおかげだし……」


「ここで3組とも対立していたら、確実にこうなってたはず」


1組:6840点

2組:1680→3960点(+2280点)

3組:12015→14295点(+2280点)

4組:2110→4390点(+2280点)


「ああ……3位になってしまうのか」


「ええ。今の方がマシでしょ? しかも、拠点が落とされたって事は」


「俺達は防衛に振るリソースを減らせる」


「そういうこと」


「なるほどなあ。で次の行動は……」


「どうするのが良いと思う?」


「少し現状を整理させてくれ」


[現状整理]

1組:6840点 ※2回落とされている

2組:2892点 ※まだ1回

3組:19753点 ※2回落とされている

4組:7738点 ※2回落とされている


「俺達の勝ち筋は……1組をもう一回落として2組をもう二回落とす……?」


「無理ね。1位は諦めて2位を死守する方向を考えてみて。今の私達に必要なのは『勝つためではなく、負けないための行動』よ」


「なら……。今一番の脅威は1組。1組が2組を落とせば逆転される」


「そうね。だから、2組を落とすわよ!!」



 残り4分の時点で2組が落ちた。


 そして最後。一発逆転を狙って、1組、2組、4組が俺達3組を倒しにきたが、余裕でやり過ごす事が出来た。



[最終結果]

1組:8425点 ※2回落とされた

2組:3242点 ※2回落とされた

3組:23333点 ※2回落とされた

4組:10123点 ※2回落とされた



 3組、予選突破だぜ!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ