先輩の副業で俺の給与がヤバイ
副業をする。
条件次第ではあるのだが、ウチの会社ではOKが出ている。
週2回、4時間ほどの副業。夜勤帯もあって、そこそこのお金らしい。
20:00~0:00までの業務と言っていたかな。
「へー、先輩って副業してるんすか」
勤務内容もほとんど座ってるだけ。って聞く。
そんな仕事あるのかーって気持ちと、確かに必要な仕事ですねーって関心して聞いていた。通勤をしてたら誰でも分かる仕事だった。
だが、時代の流れで色々とある。
「大変ですね」
自分は副業なんかしないと思ってる。本業で手一杯。どんだけ金稼ぐねんって気持ち。
借金でもない限りはそんなに働きますという意志はない。
そもそも、なんで副業ができるんだ?っていう気持ちを抱いてしまう自分にとっては、こっちがおそらく異常なのかもしれない。本業だけじゃ、金が足りないというのも分からんでもない。
本業を終えてから、副業の勤務地まで直行。副業がある日は18:00までしか働けない。勤務に制限が掛かっている。昔はそこまで重たい縛りではなかった(本業は8:00~17:00)。
しかし、今は人手不足の波が来て、定時で帰れるという事は少なくなった。今はちゃんとした残業代が出るから、そーいう面での不満というのは自分にはなかった。
「副業があるから、残りを頼む!」
「分かりました」
……度々、先輩はこーいう事をしていた。職場によってはふざけんなって気持ちも起きるかもしれないが、ウチの職場は簡単にOKを出せるくらい纏まってる。
できない人というのはいないからだ。
ともかく、副業・用事があると、誰かが簡単に引っ被ってくれる対応。勤務できる時間に制限が掛かると、職場の雰囲気よりも人によって業務の比重が違ってくる印象だ。本業で残業がとにかく嵩む。
ブロロロロロ
「今日も夜間再配応援か~」
配達のお仕事。夜の再配達の応援をこなしたり、終わってない配達応援をする日々。バイクに乗って、夜を駆ける自分であった。
◇ ◇
その月だけの話だったのかもしれないが、……誰にでも間違えがある。給与明細の中身が入れ違っていたというだけであったのだが、
「「え」」
先輩は、自分の給与を見た。
そして、自分も先輩の給与を見てしまった。
金額こそは言わなかったが、先輩はこう言ってきた。
「お前、働き過ぎだろ」
「しょーがないでしょ」
副業もしてる人に言われたくないんだが……
「お前の今月の給与。副業込みの俺と大差ないんだけど?」
「休み飛ばしたり、夜間応援に散々出てるんですから。そりゃあ、俺の残業がヤバくなるのは当然でしょ」
賃上げとかもしているので、本業は結構稼げる。そこに勤務日数と残業代が乗っかるんだから、……。
一方で副業の賃金が値上げするってのは、中々大変なことだ。
自分の残業も長くて、20:00まで。でも、先輩の副業は0:00まで……。週2回と言ってもねぇ。時間という面においては、ちょっとどうかと思う。業務内容も慣れてしまうと、差を見るのは難しい気もする。
ともかく、上の連中があんまり副業を勧めてこない理由も分かる気がした(条件付きだし)。
仕事をちゃんとしてれば、そのお金はちゃんと払う。
それができれば、差というのは中々できないんだろう。誰しも楽して稼ぎたいという気持ちはあるんだろう。多く稼ぎたいという人間が近くにいれば、稼ぐ気のない人間もそれに巻き込まれちまう。わざわざ、副業しなくてもいいんだなって。
それはそれとして……。
「金はともかく、俺は休みが欲しい」
「それはねぇ」
1か月で6連投を2回もさせんな、コラー!
勤務変更で毎回のように、非番・年休が消えてくんだけど!