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古代の愛にこたえて
◇140字小説
久しく聴こえる渡り鳥の声で始動するのだ。
君の手を振り解き飛び乗った貨物船は海賊の餌食さ。残骸に詰まった時空の欠片によそ者の目が光る。だれか早く紐解いておくれ。彼女を待たせて久しい。周転を翔けた歯車を託すよ。さあ、サロスを追って螺旋に刻んだ太陽と月と5つの惑星の語り手となるがいい。
◇説明
古代ギリシャ。
沈没した貨物船の残骸から発見された歯車型計算装置。
「アンティキティラ島の機械」に因んだもの。
誰が作ったんだろう。アルキメデスという説が正解なのだろうか。
その可能性を否定する説もある……。
金環日食って、ファンタジー詰まっていますよね。