表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レアってマジ!?~巻き込まれて異世界探訪~  作者: 晶良 香奈
  神聖エリシオ教国 編
63/219

第59話

  帝国の影がちらちらと。

 真っ白いゴースト集団はオレの前を通過して奥へと進んでいく。胸に手を当てて組み、一行を見送っている周りの人間は全て、狂信者のような目つきになっていた。たしかこの奥は玉座……この国の王のみが占有できる場所だというのに、とがめだてもしない。


(あの大神官、自分が国王にでもなった気でいるのかもしれないな)


 集団を見送りながら、オレは目の前の鑑定結果を眺めた。


  名前  バルラトゥール・カヴィラス

   職業 大神官

   POW 394 (+150)

   STR 458 (+150)

   VIT 385 (+150)

   DEF 512 (+200)

   MGP 782 (+400)

   MGR 635 (+300)

   INT 581 (+150)

   LUK 297 (+100)

   EXP   9 (+100)


  状態異常 誇大妄想 (重度)

   ※ 誇大妄想…自らを王とみなし、ふるまう。

   ※ 現在の数値は装備品(魔人の杖)による上方修正となっています。      

   ※ 状態異常は装備品から影響を受けています。

     数値の上昇は排除することで戻ります。


  スキル 光魔法 治癒 解毒 先脳 扇動 幻惑

   ※ 洗脳…言葉を持って相手を自分の意図する方向へ賛同させる。

     扇動…言葉を持って人々を誘導し、目的へ向かわせる。

     幻惑…上記のスキルを相手に認識させないように惑わす。

   ※ 洗脳、幻惑のスキルは装備品(魔人の杖)からの派生スキルです。

     装備を解除することで消えます。 



 こりゃまた凄い数値だな。上方修正分を除いても一般の人からはかけ離れてる。

POW(体力)、STR(力の強さ)、VIT(持久力)、DEF(防御力)共に鍛えてあるんだよな。DEF(防御力)なんか、将軍とタイマンでやっても持ちこたえられそうだ。


 MGP(魔法攻撃力)、MGR(魔法防御力)は……半端じゃないくらい高い。INT(知性)だって、普通じゃ出ない数字だよ、これ。大神官に就くだけの素質と本人の努力が間違いなくあったんだと思う。これなら高望みしなくっても今の地位、盤石だと思うんだが。


(でも、魔人の杖なんて持っちゃってるから全部台無しになってるじゃん……上方修正が取れたらこのヒト、ど~なっちゃうんだろ)


 借り物でも何でも、強い魔法が使えてそれに慣れると、感覚がマヒしてくる。本当の自分がどれだけなのか、分からなくなってくる。


(この杖、どっから出てきた?)


 展開していた結果をスクロールして杖の部分へ持ってくる。すると。




  名称 大神官の錫杖 (真名・魔人の杖 隠ぺい・偽装中)

   POW 150 (内 ゲイザー 100)

   STR 150 (内 ゲイザー 80)

   VIT 200 (内 ゲイザー 130)

   DEF 200 (内 ゲイザー 20)

   MGP 400 (内 ゲイザー 220)

   MGR 300 (内 ゲイザー 170)

   INT 150 (内 ゲイザー 55)

   LUK 100 (内 ゲイザー 30)

   EXP 100 (内 ゲイザー 62)    

  

  スキル 闇魔法 状態異常を引き起こす(妄信・隷属付加)

   ※ 白霊樹の杖と魔獣ゲイザーを『結合(コネクト)』させたキメラ杖。

   ※ 作成元…ガルマン帝国 

         魔道具製作省筆頭チーフ タケル・マティス

   ※ 現在の所有者…バルラトゥール・カヴィラス


 な、な、なんだってぇ~~っ!


(どうしてここで古代魔法が出てくるんだ~っ)


 確かに『合成(シンセサス)』はガルマン帝国のダンジョンから出てきたって聞いたけど、あれって人間と魔獣が主体じゃなかったっけ。


(ガル爺さんも古代魔法の拓本を持ってたから、他にも出てきたのか?)


 それにしても無機物と『結合(コネクト)』なんて……。これも下位魔法か?

(ぬえ)の里』で長老たちに聞かされた話とこれは結び付くのかどうか。


 何だか胡散臭くなってきたぞ、ガルマン帝国。

 一度戻ってガル爺さんたちにも聞いてみないとな。





瞬転(テレポート)』でブリックルに戻ると、姉妹姫が研究室にいた。


「もう起きてたのか、大丈夫か?」

 声をかけると、二人そろって笑顔で頷いた。


「アタシもちょっとうとうとしちゃってね、リィに起こされたんだよ」

 ちょっと恥ずかし気なルゥに続き、


「時間は短いかもですけど、なんだかすっきりして。あのお食事美味しかったですケイン兄さま」

 とリィが頭を下げる。


 笑顔を見れてうれしかったが、なんだか聞き捨てならない言葉があったよな?


「『ケイン兄さま』?」

「はい! ワタシ、素敵な兄さまが出来てうれしくって!」


 いやいやいや、どっからその発想が出てきたんだ?

 問いただそうと口を開きかけたが、


「そ、そんな事より! お城はどうだったの、ケイン? 教えて?」

 何故か焦ったようなルゥが話に割り込んできた。


「あ、ああ。将軍に会ったんだけど、それより今の……」

「ラルカンス家のフェルディート将軍だね! あの人、頭は固いけど、自分が間違ってたらちゃんと謝れる人なんだよ。そう言う意味では信頼できるから!」


「ガル爺さんもそんなこと言ってたよな。あれ、爺さんはどこ行ったんだ?」

「「ガル爺さん?」」


 姉妹が首をかしげる。言ってなかったっけ?


「ダンジョンマスターのリッチロードだよ。ガルディオ・リンブラントって言ってたから略してガル爺さん」

 分かりやすいだろ、って言ったら、姉妹が顔を見合わせ……同時に噴き出した。


「ダ、ダンジョンマスターを捕まえて、ガル爺さん呼び……」

「ルゥ姉さまが言った通りの、方ですね!」


 おいおい、二人してなに分かりあっているんだよ。『言った通り』て、ルゥ、お前なに話してるんだっ。

 笑い転げる女の子を止めようがなくて眺めていたら、爺さんが入ってきた。


「お、ケイン。戻ってきおったな。どうじゃった城は?」

「将軍には会えたけど、明日もう一度行かなくちゃならなくなった」


「ほぉ? 理由は?」

「将軍の状態異常を治さなきゃいけないんだが…」

「状態異常っ? フェルディート将軍が!?」


 ルゥが驚いて聞いてくる。見れば妹姫…リィも真顔になっていた。


「二人には悪いが、あの城、おかしすぎるぞ。ほぼ全員が『妄信・隷属』になっている。おまけに、大神官が玉座へ堂々と向かっていった。まるで自分の家みたいにな」

「そんな……」


 リィが呆然としている。そりゃそうだろう、リィにとっては両親の場所を取られたようなもんだからな。


「それで訊きたいんだが。大神官の持っている杖、どこで手に入れたか知ってるか?」

「お前さんがそう訊く、という事は、杖が問題なんじゃな?」

 流石はリッチロード、話が早い。総じて錬金術師は頭の回転が速いんだ。


「え、アタシは知らないな。リィは?」


「そう、ですね。大神官に就任した時は代々受け継がれていたものだったと思いましたが……あ! そうです、思い出しました! 

 6年前、まだ父さまたちがいらした頃に、ガルマン帝国から親善大使が挨拶に来たことがありました。その時確か、大神官に錫杖を献上していかれたはずです。何でも、魔法力の底上げが出来る優れものだとか言っていましたけど、それでしょうか」


 うわぁ、ドンピシャじゃないか。でも、念のために。


「その錫杖、どんなのだったか覚えてるか?」


「ええと。宝石がたくさん使ってあって、神官が使うにしては派手だな、と思いましたの。錫杖、と言うより王笏に近い気がしましたわ。それに、何故か不気味な感じがして。良く判りませんけど」


 もう確定してるね、これ。話から考えてもあれに間違いないだろう。


「爺さん。『合成(シンセサス)』『結合(コネクト)』って知ってるか? 古代魔法の『統合(インテグラ)』、あれの下位魔法だと思うんだが」


「なに、古代魔法とな!? ふぅむ……一番古いのは、260年前にガルマン帝国で『統合(インテグラ)』の石板が出たそうじゃ。だが、不完全であったため研究を断念した、と記録には残されていたのう」


 そうか、長老たちの事は公的な記録から抹消されているんだ。なら、『(ぬえ)の里』の事が表に出ても問題なさそうだ。


「ワシが持っているのは120年前のものだが、『統合(インテグラ)』は『封印(シール)』と同じくらい面倒な魔法じゃぞ? 下位魔法と言えど、使いこなすには……ケイン。今回の事にそれが関わって来ておるのかの?」


「多分、いや、確実に関係している。うまく見極めないと、この国だけの話じゃすまなくなるかもしれないな」







 白無垢集団(笑)、かなり怪しげです。

それ以上に怪しげな杖が出てきました。

でも問題は『兄さま』呼びだったりして……。

読んでいただき感謝です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ