プロローグ
初投稿なのでご容赦を!
星王暦682年☓月☓☓日
・「アルテオン帝国ノースランド領ルセ村」において発生した火災に対する調査報告
死亡者=243名
重症者=0名
軽症者=1名
火災の規模は村全体に及んでおり、消火に要した時間は約10時間。騎士団だけでは消火しきれず、魔術部隊の到着を待ったため消火に時間が掛かったもよう。
自然発火や事故ではまずありえない規模の火災と判明。事故現場には住民のものと見られる無数の血痕が残されていた。また、焼死体の中には身体を刃で傷付けられいるものが多くあることが死体解剖の結果、判明。
死体解剖と現場調査の結果から見ても人為的災害と断定。災害ではなく事件としてより深く調査を進めることを推奨する。
ルセ村の総人口は244名。
その内243名が死亡。
今回の火災による生還者は8歳の少年一人である。怪我の具合は擦り傷や軽い打撲で軽症と判断。現在はルセ村近郊にあるリニエ村の診療所にて保護ののち治療を行っている。少年は酷く精神が摩耗しており、保護時、騎士の姿に憎悪と怯えを見せ暴れだした。しかし、睡眠魔法にて眠らせることに成功。今後のケアが大切だと精神科医は判断を下した。
少年が我々騎士団の姿を見た時の様子と死体の刀傷から見て、隣国の侵攻であると個人的に考える。ルセ村周辺に警備隊の配置を検討することを希望する。
追記∶保護された少年の名前は「レン=アイゼ」
である。
記載者∶帝国騎士団団長 ルドラ=クシャリア
「はぁ……このぐらいでいいだろう。後は帝国議会で詳しく話せば済むことだしな」
男はそう言い報告書を封筒に詰めた。