表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

なろうラジオ大賞2

文学少女だった母の思い出

作者: shoundo
掲載日:2020/12/16

季節は春、与謝野晶子の歌が思い浮かぶ。


清水へ 祗園をよぎる 桜月夜

こよひ逢ふ人 みなうつくしき


ひらひらと舞い散る桜が、手のひらに乗った。


こんな光景は、以前にもあった。


◆◆◆


入試の時、桜並木を参考書片手に歩く。


どんな桜だったか・・・。


◆◆◆


入学式。桜並木は満開だった。


母と共に歩んでいると、掌に桜の花びらが舞い落ちた。


「綺麗な桜ね。」


母の言葉が懐かしい。


◆◆◆


卒業の日、学長の銅像に黒いリボンがかかっていた。


卒業式直前に亡くなられた学長は、春を思わせる素敵な笑顔が印象的だった。


慣れ親しんだ桜並木も今日で見納め。


桜並木と学び舎に、お辞儀をする。


「今まで、ありがとう。」


手のひらに乗った桜の花びらが、私に別れを告げていた。


◆◆◆


学生時代を過ごした学び舎、学長の思わぬ訃報、そして、母と共に歩んだ道。


それらすべてを、桜は語ってくれた。


3月17日は、母の命日。


思い出は、いつまでも残っている。


◆◆◆


入試のため、子供と共に歩く、懐かしの桜並木。


「綺麗な桜ね。」


私の手のひらに乗った桜を、そっと、子供に手渡してあげる。


そうだ、子供が入学したら、桜の話をしてあげよう。


想いの詰まった、この桜並木の話を。


既に私が昔語りをする年齢になってしまいました。


子供ができなかったので、もう語り継ぐ人もいないのですが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] お母様のお言葉を掲載されたんですね。 大事なことだと思います。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ