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プロローグ パーティー結成!

突然だが告白しよう。

我は死神である。

黒のローブに真っ白な頭蓋骨…背丈は一般男性の1.5倍。

眼球はなくても視界は良好。

だが、味は理解出来ても体が骨でしかないため全てそのまま落ちる。


そんな我は大好物のラーメンを啜っていた。


「お客さんっ…困るよぉ!座席がびちょびちょじゃない!」

店主が顔を真っ赤に我を叱るがすました顔で啜る。

啜る。

啜る。

「お客さんねぇ…お得意さんなの悪いけど毎回座席汚されたらたまったもんじゃないんだよね。」

………。

「待って我死神よ?命刈るよ?怖くない?」

え…って顔をされた。

「え…?」

「え?」


「いや、毎日来てる客に怖がってたら商売出来ねぇから。」

「…あぁ!そーっすよね!」

そう…この世界では異種族は当たり前、妖怪や幽霊までいる世界。

1ヶ月前に転生したてホヤホヤ死神赤ちゃんの我とは肝の大きさが違う。

いやでも、死神は結構レアだと思うゾ?


「兄ちゃんさ悪いけどトイレで食ってくてくれない?悪いね。」

「……あー仕方ないっすよね。分かりました!」

そう言ってお椀を持って席を立ちトイレへ向かった。


………………………………。

ごちそうさまでした、と言って店を出た我傘立てに立てた死神の斧を持って宿屋へと帰る。

あれ?おかしいなと思い夜空を見上げた。


俺は前世ではぽっちゃり系のラーメン大好きフリーターだった。

死因はもちろんラーメン。


死んだ後女神様にいくらラーメンを啜っても死なない体を要求したら火力を上げるだのスリムがいいだの身長が高いだのしてこう(死神に)なった。


そうだね。

忘れてたね。

オーダーにせめて人間って言い忘れたね。


人間だったら勇者育成機関の学園なんか入ってスローライフとか出来たのになぁと…

妄想してるうちに宿屋に着いた。

お金?

簡単なこと死神の仕事は命を刈り取ること。

お昼から夕方までの草むしりで植物の命を刈り取り植物が天に召された時…我の固有空間魔法的な何かにお金が振り込まれる。

人間やモンスターの命?やだよ怖いもん。


前世フリーターの俺でもこそまでは苦しくはないし。

ぶっちゃけ死神食い物食わなくても生きてけるし。

そもそも死神は骨しかないから生きてると言えるか謎だし。


そんなくだらないことを考えているうちに自室の前へ着く。

そこでふと足元に置かれてるチラシに気づいた。


『勇者育成機関…トマトDX学園…この頃魔王が勢力を強めています。人員が少なくてヤバめなので魔王嫌いな人は入学してみてはいかがでしょう?※種族は問いません。』

「トマトDX学園か…リコピン…ふむ。」


我…学生になる。


………………。


入学試験当日…。

我は椅子に座っていた。

目の前にはスーツの試験官2名。

「君…魔物じゃね?」

第一声がこれだ。

「いや、魔物じゃないっすよ?」

魔物ではない。

反魔王勢力に加担したい死神だ。

「君どう見てもゴースト系の魔物じゃない?」

「いや、死神っす。」

「あー!死神か!そっか!じゃあ仕方ないね!ごめんね!」


それでいいんかいっ。

もっとこう、あるだろ?なんかこう。

不吉とか何とか。

「じゃあ死神さん!えっと…名前は」

審査員は俺が先日提出した書類に目を通した。

「カノーネさんね!」

「あ、はい。」

俺をクールでイケメンな死神にしてくれた女神様は俺にカノーネと名前をつけた。

そして何故か名前を偽る又は否定するとお尻が突如爆発する魔法をかけられたのだ。


「カノーネさん…あなたは魔王のどんな所が嫌いですか?」

……。

「はい。…えっと…」

我は内心めっちゃ焦った。

それは魔王の知識がなかったからだ。

魔王って…NANDA!?

「あ…ぜ、税率を上げて…くるところですかね。」

「なるほど。他には?」

他!?

って、魔王税率上げてくんのかよマジか!!

「他は、生活必需品の買い占めとかですね。」

「なるほど…貴方の苦しみは十分伝わってきました。」

伝わってくれたか!

良き!!


「魔王に有効的な攻撃又は人類に有益な能力はお持ちですか?」

来たぜ我のターン。

「手から黒くてうにょうにょしたの出せます。」

「出さなくていいです。」

ふぁ!?

「えーじゃあ死体を少し操ります。」

「いいですね!」

「生き物を指ひとつで殺せます。」

「いいですね!」

「命を刈り取ると天から報酬が貰えます。」

「いいですね!」


…ひょっとしてこの人たち魔王サイドなのではと疑った。


「カノーネさん。最後に1ついいですか?」

「はい?」

「カノーネさんの腰にある死神の鎌。それ、人に危害を加える可能性はありませんか?」

俺はよくぞ聞いてくれたと言わんばかりに張り切った。

「いえ!除草に使ってる農具です。」

……。

………………。

「では、カノーネさん。多々の試験お疲れ様でした。」

と試験官の2人が大量の書類に目を通し我を見た。


実はこれまでに筆記や実技的なのも終わらせといたのだ。

「では、カノーネさんトマトDX学園入学試験の合格を決定します。」


晴れて我は学生になった。


……………………

……………………………。


チャイムが知らせる朝のホームルーム。

「皆さん今日は新しい仲間を紹介します。」

と、眼鏡をかけた割と可愛く弱気そうな担任教師が我を紹介した。

カノーネさんお願いしますと言われたので腰を低くして教室に入る。


「えっ魔物?」

「え?骨?」

「鎌もってるよ?」

「考えるな、感じろ。」


クラスがざわめき出す。

まあそうだよな。

初めて我を見て驚かないのはラーメン屋の店主くらいだ。

ってか、このクラス…ブルース・リーいない?


「じゃあ、カノーネさん。自己紹介よろしくね。」

と担任教師に言われて我は1歩前に出る。

「えっと…初めましてカノーネです。死神です。よろしくお願いします。」

皆は拍手を返してくれたが担任教師はやや困った顔をする。

流石に自己紹介が簡易過ぎたか?


「カノーネさんは何か好きなととか得意なことはありますか?」

と担任教師から質問された。

「あー、手から黒くてうにょうにょしたのが…」

「出さなくていいです。」

ふぁ!?

「じゃあ、ラーメンが好きです。特技は草むしりです。」

すると担任教師は満足げに微笑んだ。

この質問に余り意味があったとは思えなかった。


「ではねっ皆さん仲良くしてくださいね、あっカノーネさんの席はあちらですよ。」

と、教室の端よりにある席を示してくれたので我は移動し座る。


「な、なあ。死神ってそこまで珍しくないのか?」

と左隣の席の金髪エルフの美少年に話しかけた。

この世界に来てあまりにも相手の反応が疎い為死神はレアでは無いのかもしれないと疑いを持ち始めたのだ。

「いや、俺も100年生きてて初めて見たけどスゲーな!ほんとに骨ばっかで驚いたよ!」

「そ、そう…ありがと。」

もう、わけわかめ。


すると担任教師は手を叩いた。

「では皆さんパーティーを結成してパーティー行動でのクエスト実習を始めます。最低2人1人は勇者課程であることが条件です!」

ささっ早くチーム組んでと言わんばかりに微笑む担任教師…これはあれか入ったばかりの俺は孤立して1人残されるやつか!

まずったな。

入る時期を間違ったかもしれん。


他の生徒達は勇者課程の生徒を中心に次々とパーティーを結成し始める。

うん…乗り遅れた。

こんな見た目もあって案の定1人残る我。

そんな我を見計らってか担任教師は我に話しかけてきた。

「初めてのカノーネさんはそこのフェっちゃんと組んでみてはいかがでしょうか?」

「は、はぁ。」

と目を向けると1人机に突っ伏した一人の少女がいた。


…これが彼女との初めての出会いだった。


「なぁ…我とパーティーを組んでは貰えないだろうか。」

驚かせないようゆっくり近ずきなるべく優しく声をかける。

少女は顔をゆらりと上げ我を見た。

青白く腰まで伸びた髪桃のように白い肌。

海底のような澄んだ重厚感のある瞳はガタガタ震えて視線が定まらない。

目の下にはクマがあり髪はよく見ると寝癖が目立つ。

2度手を痙攣させ机を掴んだ。

「あぁ…」

と声を発する少女。

とても美しい声は鳥さえも魅了するかの如し。

「あぁ…人が斬りてぇ…イライラする。ちっ…誰だよお前。」


「!!?」


先生。

初めてのカノーネさんはこんな薬でもやってそうなボッチのやべーやつと組まされるんですかね?

取り扱い上級者向けですよこれ。


すると担任教師が顔を出す。

「フェっちゃん今回のクエスト実習。しないと退学ですっ☆」

退学1歩手前かよ!

「っはぁー…わーったよ…あ、?でこいつと組まされるの?」

全てが台無しだのこ少女。

「そうです!ようやくヤル気を出してくれましたね!カノーネさんですっ仲良くクエスト実習してくださいね☆」

先生に押し切られる。

我が断る隙を与えない。


「へへっひは…よろしくなぁ?カノーネさん?あーまぁ…適当に頼むぜ。」

「あはは…。…よろしくね。」


そして担任教師はクエスト内容の書類を各パーティーに配り逃げるが如く姿を消した。


いや待てよ!


我は教室を抜け出し先生を追った。

「先生。フェちゃんさん?とほんとに我を組ませるんですか?」

すると担任教師は微笑んでグットサインをした。

いや、グットじゃねーし。


「カノーネさん。あの子は気に入らない子は切るんです。あの子がよろしくと言ったでしょう?やはり私の目に狂いはなかったわ。必ず上手くいくわ!」

「気に入らない子は切るんです…じゃないですよ!完全に魔王サイドの人間ですよあれ!」


「まあまあ、落ち着いて。あれでもあの子は勇者課程だから、それに退学かかってますからね。きっと上手く行きます!」

「えっ…必ずがきっとに変わってませんか?」


それではと担任教師はスキルを駆使して時速200マイルで我の目の前から消えた。

(322キロ)


逃げられたと肩を落とす我…の肩に誰が手をかける。

骨なのに汗がダラダラ垂れ始めた。

「誰と…組むのが…問題があるってぇ…なぁ?カノーネさんよぉ?」

………。

「人間違いです。」


突如お尻が爆発した。

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