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魔眼の子 〜金環のアーモン〜  作者: きょうけんたま
砂漠の魔眼修道院編
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古き言い伝え

 しばらく進むと少しずつ下へ降りる様に数段の階段が現れる様になった。

 少し降りると、しばらく平坦、また数段降りると平坦。

 どうやら、つづら折りになっている様だ。


「ねえアーモンこれって、あれかな? もしかして言い伝えの」


「まさかな、あれって、すげー昔だぞ」


 修道院の成り立ちに関わる古き言い伝え

 何かにつけて聞かされ、言わされ、伝承する事が大切だと教えられて俺らは育って来た。


 勉強熱心なラッカは、この伝承を唱えるのが好きだ




栄華(えいか)(ほこ)れど祈り忘れるば地のウロボロスは尾を離し天の尾を()むべく砂降らさん。求めず捧げる祈りこそ……」


「地の尾を灯し()に戻さん祈れよ祈れ」


 何度も何度も言わされて来たので最後ついハモってしまった。




 俺らが住んでいるラマーニ修道院の成り立ちについて小さな頃から聞かされているのは、その昔、とても栄えた都市があり人々は(ぜい)の限りを尽くす暮らしをしていた。

 が、ある時から砂嵐が起こる様になり次第に大砂嵐が続く様になり、やがてすべてが砂の下に埋もれてしまった。


 天の試練だ、神の怒りだと当時の人々は恐れ、小さな(ほこら)を、こしらえ祈る様になった。

 祈る人が増えるにつれ大砂嵐の頻度(ひんど)は落ち最後には一年に一度起こるだけになった。


 その頃には小さかった祠は聖堂となり、祈り続ける人が住み着く様になり、やがて修道院となった。

 長い年月をかけ少しずつ規模を広げ今の様な巨大修道院となった。


(たいそうな話を、でっち上げて威厳出してんな)


 くらいに思ってたが、もしかして、その埋もれた都市なのか?


 それなりに降りて来たところで不意に気配を感じた!


「何か来る!」


「えっ!?」


 バタバタと羽音からコウモリか? 魔眼帯が外せないので見れないのが辛い。


 迫って来る!


「ラッカ魔法!」


「えっと、だって、えぇー」


 慌ててるだけで対応出来てない。魔法力が、高くても放てなければ意味がない。


 シュッ! バシッィイィ!


 ヒューマンの種族スキル、クイックを発動

 獣人の種族スキル、レイジを発動


 結局、身体能力の強化で蹴り落としてしまった。


「はぁ…….はぁ……」


「大丈夫? あ、ありがと。私、怖くて動けなかった……」


 俺も冷静じゃなかった。

 杖を用意したのに魔法を使わず種族スキルを使ってしまった。

 杖意味ねー。


「やるわ、コレ御守り代わりだ」


「ありがと……」


「帰るか……」


「……うん」







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