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魔眼の子 〜金環のアーモン〜  作者: きょうけんたま
砂漠の魔眼修道院編
25/206

内密ゆえ

 オマモリ班長のエラトス


 商隊長イドリー


 魔眼修道士担当シスターのフラマウ


 治療班シスターのメルカ


 全員がテーベであった




「すいません……私とした事が……」


「あれほどカシュー様から目を離すなと言っておいたのに」


 フラマウへのイドリーの叱責は続く。



「で、メルカ、あなたは何故アーモンから目を離しているので?」


「す、すいません……女子宿舎に入る人影が見えたもので」


 メルカへのエラトスの叱責も始まった。



「今は時間がありません。移動しながら現状確認をします。アーモン……アーモン君も思うところはあるでしょうが今は着いて来て下さい」


「……」


 何も言えないアーモン

 いや言わないのだ誕生と同時に聞いた話を記憶している事を説明は出来ない。

 エラトスがテーベだとは知らなかったが、いつか、こんな日が来るかもと、どこかで思っていた気もする。

 下手に質問すればボロが出るかも知れない。


 戸惑う様子はあるもののテーベと言う言葉すら初めて聞くだろうに落ち着いたものだ。

 長年見て来た性格から考えれば質問攻めをして来てもおかしくないはず。

 いや反発して着いて来ないタイプだろう。

 何が起きてるか知ってるかの様な態度に見える。

 やはり、この子は何かが違う。

 エラトスはアーモンの様子を気にしつつシスターへ説明を始めた。




 エラトスは元々がアーモンの監視役として修道院へ配置されていた。

 同じくアーモンの守護を目的として潜入していたのがシスターメルカだった。


 それから数年後カシューの修道院入りと共に配置されたのがイドリーとフラマウだった。


 カシューの監視と報告をしていたのが商人のイドリーである。

 同じくカシューの警備役として潜入していたのがシスターフラマウである。


「では、お二人は互いがテーベだと気付いて協力していたと?」


 フラマウの質問に頷くエラトスとイドリー


「ただ、互いに極秘任務ですので対象の事情については聞かないのが暗黙の了解です」


 アーモンの事はテーベ内部でも一部の者しか知らない極秘事項である……

 と同時に、カシューの居場所もテーベ内部では極秘中の極秘である。

 そうなった原因はカシューの立場によるものである。


 しかしエラトスとイドリー、共にテーベ内でも腕利きの2人。

 同じテーベだと早い段階で気が付いてしまった。


 それでも極秘での任務である為、深い情報共有は避け本部へも内密のまま協力を続けていたのだった。


「お二人も、てっきり同じだと思ってましたが……」


 対して気付かずにいたと言うカシューの警備担当フラマウとアーモンの守護担当メルカ……


「ではメルカさんの元でカシュー様に手伝いをさせて、フラマウがアーモンを贔屓(ひいき)していたのは協力でないならなぜ?」


 担当と逆の子に配慮している2人のシスターも自分達と同じ様に内密に協力していると思っていたイドリーの質問に答えるシスター2人……


「ただの、お気に入りです」


「ただ気に入っていたから……」


 フラマウ、メルカそれぞれの答えに呆れかえるしかないエラトスとイドリーだった。





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