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増援

「……プロテクトスキン」


「走れ雷ライトニング!」


「ぐむっ!」


 磔にされ雷撃に撃たれ続けていたアーモンを救ったのは……


「クコとラッカだぜ」


 別働隊として動いていたクコの防御魔法とラッカの雷撃だった。


「ど、どこからだ?」


「そ、それが姿が見えません」


「ええい! 陛下の魔眼がなければ、こうも面倒になるのか? 探せ!」


「はっ!」


 どこからともなく放たれる雷撃に流石のカルタゴも防戦一方となりアーモンへの蹂躪は止んでいた。

 それでも数の戦力差が埋まった訳ではない。


「アーモン! 動けるか?」


 近付けないままイドリーが叫ぶが意識を失っているのか返答はない。


「アーモン殿への蹂躪は解決しても敵の数が多過ぎ申す」


「確かにの、この石像さえなければ、もう少しやりようがあるのじゃ」


 敵の数もさることながら石化により石像状態の修道士達に配慮しつつの戦闘は困難を極めていた。

 さらに皆を落胆させたのは……


「入口から、また男が来るぜ」


「おいおいおい、これ以上増えたら厳しくね? てか誰かオイラを拾ってくれよ」


 その男は変わった形の剣を携え入って来た。

 見るからに出来そうな男の姿に危険を察知したピスタが動いた。


「ボクが行くぜ」


 たが、それをイドリーが静止した。


「待つんです! ピスタ」


「行っけー! 慟哭銃」


 ヴゥヴァン!


 ピスタの放った慟哭銃は防御魔法によってがれた。

 問題は、その防御魔法の使い手が……


「あらあら、凄い攻撃力ねピスタ」


「メルカだぜ!」


「仲間か? シスターメルカ」


「あらあら、さっき説明したラパの姫ですよ」


「誰だぜ? そいつ」


 ピスタが知らないのも無理はない。

 その男は……


「ポ……ポイテインガー!」


「おう、久しぶりだってのに何だ? そりゃ」


「アーモン気がつきましたか?」


 現れたのは衛僧の長にしてカータの戦闘将を排出し続けていたポイ家の末裔ポイテインガーであった。


「お久しゅうございます。ティンガー殿」


「おう、おめぉは確か……雫の?」


「おいおいおい、懐かしがってる場合じゃねぇぜ」


 べハイムの言う通りだった。


「ふむ、一人二人増えたところで変わりはせん。ただ入口を守っていた兵はどうした!」


「そ、それが……揃いも揃って中々の手練でして壊滅状態です」


「何だと!」


「炎の弾ファイヤーボール」


「ふん!」


「来ましたね! フラマウ、エラトス」


「遅くなりました! イドリー様」


 現れたのはテーベの鳥籠フラマウ、テーベの小箱エラトスであった。

 仲間が増えた事で折れそうになっていた心に力が漲るのをイドリーもピスタもヘレフォーも感じていた。

 だが……


「ふむ、陛下の奪った魔眼の為に監視させていたのが仇となったか。まあ良い、この程度増えたところで何が出来る?」


 カルタゴの言う事は最もだポイテインガー達の増援は頼もしいが焼け石に水だろう。

 それにポイテインガー達を監視していた兵達もが次々に大聖堂へと、なだれこんで来たせいで、寧ろ敵の数は増えていた。


「数か……確かになぁ」


 カルタゴの言葉に反応したのはポイテインガー。

 しっかりとカルタゴから目を離さないまま

 手に携えた変形の剣を振り上げた。




 ケペシュ




 魔眼修道院に伝わる魔剣。

 代々、衛僧長にのみ携行が許可される特別な剣である。 

 そしてポイテインガーは、その剣を振り下ろすのだか……


「なっ!」


「ダメだ! ポイテインガーそれは修道士だぞ」


 直ぐ側の石像と化した修道士へケペシュを振り下ろしてしまった。






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