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戦力差

「アーモン殿! 今参り申す」


 ホースステップを駆使し戦闘将ヘレフォーはアーモンを救出をせんと上昇するが……


 ヴサァアァァ!


「ホースランス」


 ヴサァアァァ!


 片翼の獣人によって妨害されていた。

 とは言え流石は戦闘将、多重妨害ながら半分を打ち落としていた。


「数が多過ぎてアーモン殿に近づけ申さん」





「あの小僧が気になるのかい?」


「おだまり! おばさん」


 女魔族であるヘーゼルなら魅了の魔眼は無力。

 純粋なチカラの差が結果に繋がるとヘーゼルも皆も考えていたが、そうはならなかった。

 魅了された男達が次々に加勢してしまいヘーゼルは数の多さに手を焼いていた。

 それに加えアーモンを救出しようと気を取られている事自体をマヤに利用されていた。





「ダーリンすぐに行くのじゃ」


「風の谷ウインドバレー」


「うおっ、おいおいおい離れっちまったぞソイビー」


 アーモンの元へと驚異的な跳躍力で向かおうとするイーズだったがウルゲの風魔法により阻害されていた。


「四方八方から吹く風が厄介なのじゃ」


「ばぁか、谷間に吹く風と同じだぞぉ、跳躍力で何とかなる訳がねぇんだよぉ! 次はコレだぁ」


 ウルゲの巧妙な魔法選択による翻弄が続いていた。





「あの高さじゃボク無理だぜ、だったら攻撃主を倒すぜ! スカルホーンハン……」


 一気に形勢逆転を図れる慟哭武器スカルホーンハンマーをカルタゴへ向けて放とうとしたピスタだったが……


「うがぁ」


 目の前に乱立する石像と化した修道士達に慟哭が炸裂し瓦解する様を目の当たりにしていた。


「そんな……ボクやってしまったぜ……」


「否、否、否! やってしまってはござらん」


「えっ?」


 幻眼のサガラッソス。

 その幻眼により慟哭を放った際の未来予想図をピスタに見せていた。

 それによりスカルホーンハンマーを振り降ろさず結果的にカルタゴが救われたのは確かだが……


「止めてくれたんだぜ?」


「否、否、否!」


 妙な展開をなりつつも結局アーモンを救出出来ぬままピスタはサガラッソスと対峙し続けていた。





 パチンッ!


 ヴゥゥゥン


「ふんっ!」


 白眼の老人ティワナクの操る蜂の群れを落としては距離を詰めていたイドリーだったがアーモンのピンチに気を取られた瞬間、せっかく詰めた距離が元通りになってしまっていた。


「ほうほう、あの少年が心配ですかの?」


「いえ、癖で気を取られただけ。何度もアーモンはピンチを覆して来ましたから信じてますよ、わたくしは」


 幾度もピンチを乗り越えたアーモンを見て来たのも確かに事実では、あるが救出に向かおうにも、このティワナクが相手では不可能である事もまた事実であった。


(誰も救出に向かえない……あの雷撃にアーモンがどこまで耐えられるだろうか?)


 数々の経験から現在の戦力差を考えれば勝ち目どころかアーモンの救出すら不可能かも知れないとイドリーは脳裏によぎった不安を拭い去るように短槍を振るうより他なかった。





「うがぁ」


「ふむ、テーベの鎖を舐めずきておるな、バビロニーチでも屈指の精鋭揃いであるぞ」


 カルタゴの言う事も最もだと認めざるを得ない程の戦力差。

 皇帝を気絶させた以外は何の成果も出せず正に良い予行練習となったと言われかねない状況が起きていた。



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