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マテオの激

 スカルフェイスダークを穿いた閃馬。

 立髪を鋭く研ぎ澄ましたかの様に頭上へ集めスカルフェイスダークの腹部へと突き刺していた。

 その姿は、まるで……


「ユニコーンみたいだ」


「アーモンは見た事あるんですか? ユニコーン! ハリラタには居ませんが遠い国には居ると聞いた事があります」


「いや聞いただけかな、ハハ」


 前の世界で空想上の生き物として把握していた。

 イーズやピスタには漏らした前の世界の話を何故かマテオには咄嗟に隠してしまった。

 その行動をアーモン自身も不思議に感じていたが、そんな事を考えてる事態ではなくなった。


「うがぁ」


 乗っている閃馬が悲痛な叫びを上げたのだ。


「どうした! 馬王」


 見ればスカルフェイスダークを穿いている閃馬に頭髪大蛇が何匹も喰らいついていたのだ。


「馬王殿! 今参り申す」


 慟哭のダメージも回復せぬままに戦闘将ヘレフォーがスカルフェイスへ飛び掛かろうとするが頭髪大蛇に邪魔をされ近づく事が出来ないでいた。


「うがっ!」


 どんどん喰らいつかれ苦しむ閃馬。


「あの閃馬を消せば済むだろ!」


「バカが! 消せば逃げられる。それより予定通り殺るんだ」


 そうだ、そもそもの作戦でも閃馬は犠牲となる予定なのだ。

 アーモンの金環で皆の魔眼を波及させればスカルフェイスダークへ接近出来るはず。

 接近出来れば閃馬でスカルフェイスダークを押さえ込める。

 そう、かつてヨモギ集落でポイ家の者が命懸けで押さえ込んだ、あの時の様に……

 そして押さえ込んだスカルフェイスダークを今度こそ葬るのが作戦の方針なのであった。


「その心意気、汲み取った! 犠牲無駄にはしません。アーモン、みんなも行きましょう」


 マテオの激が飛んだ。

 もう、お前が言うなとは誰も思わなかった。

 マテオが命懸けで作ったチャンスだ。


「分かった……金環を発動」


「魔環は発動してるわ」


「……追い付いた……俯眼発動」


「遅れてたけど見てたよー、千里眼も発動済です」


「解析眼も発動だぜ」


 次々に発動される魔眼により視点が変化した事でアルワルもヘレフォーもまた馬眼と点眼を発動した。


「ぅがぁっ」


 苦痛の声を上げる閃馬を引きずりながらスカルフェイスダークは海岸線から少しづつ陸を進み砂漠の縁へと辿り着いていた。

 だが、その歩みは遅く既に周囲を複数の閃馬と、それに乗った魔眼持ち達、そうアーモン達によって包囲されていた。


「一斉に行きます。ハイ!」


 マテオの合図で皆が一斉にスカルフェイスダークへ向かって行った。

 当然スカルフェイスダークも気付き頭髪大蛇で応戦する。

 頭髪大蛇に力を回した為か? 足元の黒色大蛇は消滅していた。


「少し遅くなっとらぁね」


 アルワルは大鎌で削りながら間合いを詰めた。


「一本なら見切れ申す」


 見事な閃馬の乗りこなし、見事な馬眼の使い方でヘレフォーは間合いを詰めた。


 クコは攻防一体のバンデージ武具で弾きつつ間合いを詰めた。


 ペカンは皆へ回復を撒きつつ豊富な戦闘経験を各種魔眼を使い存分に活かし間合いを詰めた。


 ピスタはスモークシルクそのものに魔力を流し即席の熱線武器とし間合いを詰めた。


 ラッカは雷鞭で弾きつつ間合いを詰めた。


 アーモンはマテオも乗せている事で速度的なハンデはあるものの神事斧で弾きつつ何とか間合いを詰めた。

 そして……


「今だ降ろすぞ」


 一斉に全ての閃馬が、そう叫ぶと……

 落とされた、衝撃で砂煙が上がった。

 かつて魔眼修道院で嫌と言う程に味わった砂の臭いに包まれながらアーモンとラッカは立ち上がった。


 砂煙が収まると見事に閃馬がスカルフェイスダークを押さえ込んでいた。

 何とか動こうと藻掻いているが穿かれたダメージからかチカラも弱まりつつある様に見えた。





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