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早馬

「ヴァルトゼさん! ファンデラさん!」


「約束通り来たぞ、マテオ」


「くくくっ、久しぶりだなエルフの子」


 スカルフェイスダーク対策の為に丘の民から精鋭達が、続々と馬王の間へ集結している。

 しかし馬王の間へ入れるのは、かつて挑戦し入れた事のある者だけである。

 その数は蜂の巣ダンジョン討伐時と比べれば遥かに少ない人数であった。


「なかなか厳しいですね」


「そうですねイドリー様、人数もだけど相当強いってだけで敵の特性が分からないのが一番の問題だわ」


 メルカの言う通り敵のスカルフェイスダークについての詳細が不明なまま討伐するのは危険な賭けだ。


「馬王の話では凶暴で速い魔族だったよね?」


「それは封印当時の情報なのじゃ」


「長い年月の間、封印されながらも進化している可能性があるとも言ってたわね」


 馬王の封印解除まで残り時間は僅か。

 馬王自体は再復活する可能性が高いが数日から数年かかるかも知れない。

 それならば馬王も戦闘に加われるうちに討伐をしてしまおう。

 それが皆で決めた事だ。


「では皆さん、確認です。一旦、外に出したスカルフェイスダークは馬王様と言えども再封印は困難です。倒すしかありません」


 ヘレフォー主導の元、スカルフェイスダーク討伐の作戦会議が行われ、いよいよ明日に実行となった、その時に予想外の人物が現れ事態は混沌とし始める。





「早馬ぁ! 早馬ぁ!」


 雫フキの連絡係が、けたたましく駆け込んで来た。


「どうしたんだぁね?」


 アルワルの問い掛けに連絡係は息を切らしながら……


「正体不明の早馬が侵入! どうやっても見失う為、馬王道に入られた模様」


「いくら精鋭を、ここへ集めたとはいえ雫の者が見失い申したと?」


 子供ですらも防具や武器を身に着ける程に訓練された雫フキの者の目を欺くとなると只者ではない事は確実。


「鎖かしら?」


 ラッカが心配するのも無理は、ない。

 この馬王の間にザクセンが産まれるのは確実で、そのザクセンを鎖が狙っている事も分かっているのだから。


 その時、馬王が口を開いた。


「くくくっ、焦る必要もあるまい」


「そうだぜ、オメェさんら今揃ってる面子を早馬1頭で何が出来るってんだ? イザとなりゃ、このべハイム様が一蹴してやるしぃ、って蹴れねぇんだけど」


「ややこしくなるでな、今は黙っておるのじゃ」


「んぐっ!」


 ピスタの豊満な胸へとイーズによって押し付けられたべハイムは苦しそうだが苦しいだけでもなさそうで遂にヘーゼル以外の人にまで……主に男達だが


(死ねばいいのに)


 と思われてしまっていた。


「イドリーどうしたの? です」


「ん? ペカン」


 イドリーの様子が変な事に、いち早く気が付いたのはペカンである。

 その指摘に口を開いたのはイドリーではなくフラマウであった。


「イドリー様、これってアレですよね?」


「ふぅ、わたくしも考えてはいたのですが、だとしたら相当な一大事が起きた事を意味します」


「説明してくれよイドリー」


 俺がイドリーに説明を求めたところで、もう説明は必要なくなった。


「くくくっ、何か来おったわ」


「風属性!」


 ラッカの魔環が捉え、そして、すぐ後に、ソレは現れた。


「イ、イドリーの旦那……やっと会えやした」


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