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天眼

「アーモン殿、本当に良いと申されるのか?」


「ええ、だってそんな重要な石笛だなんて知らなかったですし……」


「ダーリンが吹けば完全体の閃馬になるから妾が面倒なのじゃ」


「ヘレフォーさんが吹くとどうなるよー、です」


「イーズが側に居る時に試しておいた方が良いぜ」


「……便利竜……スペア竜……卒倒竜」


「クコ!」




「では吹きまする」


「くくくっ、そうそう完全体を呼べる事なぞないから安心せよ」


「妾は、やりたくないのじゃ」


「ほらぁ、クコのせいよ」


「……最強竜……万能竜……眠れる森の美竜」


「やるのじゃ」


 クコもクコならイーズもイーズである。


 ヒュロォオォォ


 青い閃光、立っていたのは青き閃馬であった。


「歴代ポイ家は碧き閃馬だったそうなので初めてかも知れません青き閃馬は」


 アーモンが顕現させた完全体の閃馬よりも軽やかに見える立ち姿にマテオは呟きつつも昂ぶっていた。

 もう、その目で見る事など叶わぬと思っていた閃馬を完全体と青き閃馬と2形態も1度に見る事が出来たのだ当然である。

 今すぐにでもヨモギへ戻って皆へ知らせたい衝動に駆られる程だ。


「乗れヘレフォー! 行くぞポイティンガーの所へ」


「何と、今から行くと申されまするか?」


「当たり前だ、あのバカを蹴らねば気がすまん」


「やれやれなのじゃ、馬王やお前が敷いておるモノ……もう時間がないのじゃろう?」


 珍しくイーズが落ち着いた口調で馬王へ真っ直ぐ話している。


「わかっておるわ! でも、どうしろと言うんだ?」


「このダーリンはの……皆の魔眼を共有させる事が出来るのじゃ、意味分かるじゃろう?」


「魔眼を共有? その金の環か……なるほど環の魔眼には特別な力が宿るのやも知れんな」


 イーズには何か考えがあるらしく、馬王もまた、その考えに思い当たる節があったようだった。


「環の魔眼ってアーモンの金環以外にもあるんですか?」


 この状況に口を挟めるラッカのメンタルは一体どうなっているのか?

 アーモンのみならず『白銀のスランバー』皆が呆れるやら感心するやらである。


「小娘! 生意気だが良い質問だ。ヨモギのリャマよ説明してやれ」


「はい! ありがとうございます」


 何に対して、ありがとうなのか分からないが感無量の面持ちでマテオが説明したのは……


「じゃ、その天眼も金環みたいに環の魔眼だったって事?」


「そうですね、色は違いますが」


「何色か知りたいよー、です」


 その色は閃馬の色と同じ碧と同じだったそうだ。


「碧環って事だぜ」


 驚いたのは、その能力である。

 戦闘将が『天眼』を発動すれば空へ、その瞳が現れ戦闘将が見た魔法攻撃を、その空の瞳より発現させるという特殊なモノであった。


「他の人のチカラを活用するって点は俺の金環と似てるな……」


 そこまで話したところで閃馬モードの馬王は既に失われた魔眼だ、どうでも良いわと吐き捨てるように呟き続いてヘレフォーへと指示を出した。


「ヘレフォー! ポイティンガーの件は次回にする。明日より閃馬訓練を再開すると皆に伝えよ」


「はっ! 畏まりました」


 感涙の戦闘将は即座に馬王の間を後にしてしまった。




「で? ソイビーや、そやつらの戦闘力……足りておるのだろうな?」


「見ての通りなのじゃ、鍛えてたも」


「くくくっ、まったく、お前には敵わんのぉ」


 ここまで荒振るばかりだった閃馬だったが、ようやく笑顔が見えてホッとしたのだが、この笑顔と笑い方が後々、聞くのも嫌と言う程に鍛えられるとは、この時、思いもよらぬアーモン達であった。


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