1-1 突然始まる、異世界の旅
クソ村から抜け出して、しばらく歩いていると空が明るくなってきた。
はー、さんざんな目にあったな。
いきなり外国人が襲ってきやがるし、足は骨折するわ飯はマズイわ殺されそうになるわ。
そう、骨折は治った。……そうだ!
この骨折すら治せる薬が出せる力!
金が稼げそうな力だぞ!
ん? その前に日本に帰らねぇとな。
外国じゃやりづらいしな。
そのためにはまず、やつらと話せなくてはいけない。
MPはいつも通り30になっている。
時間がたてば少しずつ回復するようだな。
(やつらと話せる物をくれ!)
……マスク?
こりゃあ暴走族グッズの一つだ。
黒色のマスクで相手を威圧する事ができるし、鼻と口を隠せてブサイク野郎もイケメン風になる良いものだ。
早速装着する。
違和感はないな。いたって普通のマスクだ。
「う、うをぉ!」
な、なんだこいつ!
マスクに夢中になっていると足元に半透明の水っぽいブルブル震えた気持ち悪いもんが近づいてきていた。
半透明だから内臓か何かわからないものが外からもわかる。
まんじゅうみたいな形だが、人間の頭ほどの大きさがある。
「うわ、キメェ……なんだ?」
動きはゆっくりしている。
動いてるってことは生きてるのか?
目も口もない。
中身が飛び散ると汚いので軽くクツの爪先で蹴ってみる。
――ぶるんぶるん
揺れた。
なんかこう、吐きそうになる不快感がある。
半透明のやつから液体が飛んできた。
スプーン1杯ぐらいの量になるだろうか。
飛距離はないが俺のズボンにかかりやがった!
「きたねぇ!」
ねばついた変な液体だ。
あー……洗濯とかしばらくできそうにないのに、なんてことしやがんだ!
足元から煙が立ち上ぼり始めた。
…………ズボンが溶けている。
急いでズボンを脱いで投げ捨てた。
そして、全力で変な生き物から離れる。
走って走って走りまくった。
「はぁ……はぁ……はぁ!」
マスクを顎にして新鮮な空気を取り込んだ。
やべぇ。
あれは、ヤバい。
村人に殺されそうになるよりヤバい感じがした。
外国がこんなに危ないところとは思わなかったぜ。そりゃ銃を持ってないと危なくて外も歩けやしさないじゃねぇか。
護身用ってのはそういう意味もあったんだな。
腹は減るし、ズボンはなくなる。
MPが元に戻るまでどこかで休むしかないな。