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双子の王女と物語  作者: 織山 千蔓
子供生活は意味不明生活
9/24

お引っ越し③

 うーん……どう頑張っても西日晴って登場人物?を思い出せない……。顔にはものすごく懐かしさを感じるんだけど、それだけ。こんなイケメン(妄想の中の……)の挿し絵なんかが出てきてたなら覚えてるはずなんだけどなぁ。

 はっ!まさか、成長したら普通になっちゃうの……!?

「ここが堂講国?なーんだ、うちよりちぃ……わあここお城みたいだね僕達明日からお城に住むんだねすごい!」

 えー、イケメンになると思ったのになぁ……今何か言った?

「……あ、そうだねー、すごいねー。」

 棒読みになっちゃった。だって舎校国とあんまり変わらないし……。

 ……ん?

「晴君大丈夫?はーはー言ってるけど」

「大丈夫びっくりしすぎて息止めてただけだから!」

「そうなの?」

「うん!……あれ、佳鈴ちゃんはあんまりびっくりしなかったの?」

「うん。ここの隣の山の舎校国ってところに今住んでるんだけど、こことあんまり変わらないし。ほら、そこの橋の向こうに見えるあの建物が舎校国だよ。晴君はどこに住んでるの?名前から考えると、炎光国?」

 確か小説では、炎光国と氷水国は、火とか水とかに関連する名前の人が多く出てきたはず。日崎もその多くに含まれている。

「あ……うん、そうだよー。」

「さっき晴君、お城みたいって言ってたよね?堂講国と炎光国のお城の外見は似てたんだっけ?それで驚いてたの?」

「あ……うん、そうだよー。」

 だよね?小説に、二つの外見は似てる、って書いてあった。

「……ねえ、佳鈴ちゃん、お家がすぐそこってことは、……」

「あ、もう帰るの?ばいばい。」

「……」

「……どうしたの?」

「帰り道、分からなくなっちゃったんだ……。その……さっき会った場所まで一緒に行ってくれない?」

「え。」

 もう一回山を登り下りするの、嫌だよー。晴君と一緒っていう特典は付くけど、嫌なものは嫌だし。どうしよ、この子……。

 あ、目印教えればいいんじゃない?目印が大きいから、方向音痴の私でも迷わなかったんだった。私で迷わないなら、この子も大丈夫でしょ。

「あのね、あそこに大きな水溜まりみたいなのが見えるでしょ?あれがさっき私達が会った森の近くの湖だから、あれ目指していけばさっきの場所まで行けるよ。」

「……うん。分かった。じゃあ……明日、また会おうね。」

 やった、登り下りしなくてもすむ~。

「うん。ばいばーい。また明日~。」

 ……あれ?晴君は炎光国に住んでるんだったら、さっきの場所を案内するより炎光国の方を案内した方がよかったんじゃ……?

 ……まぁいっか。

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