亀山千鶴①
「……あれ?」
ここどこだ?どこからか獣の唸り声みたいなのが聞こえるんだけど。
「凜河……それともリイミス、さま?大丈夫?……ですか?」
何これ、石みたいなのが丸ーく私達家族と誰かさんを囲ってる。……あれ?ちょっと待って、私の家族って誰だ?それとこの透けてるのは誰だ?私の名前知ってるみたいだけど。何となく見覚えあるようなないような……ん?私の名前って何だっけ?
「……あのー、リイミス様ー、聞いてます?リイミス様だけが頼りなんですけど……このままだと私が力尽きたらおしまいなんですけど……。」
はっ、まさか、この女子は……!
「ごめんね、私だけ助かっちゃって。ちゃんと供養してあげるから、成仏してね。間違っても私にとりつくのだけはやめてね。」
確かこの子、私と一緒に死んだ子じゃない?名前知ってるのも、私が女優だからか。……あれ?私の名前って何だっけ?それに一緒に死んだって……私、生きてるよね。
「え!?おばけ!?……いないじゃないですか。びっくりさせないでくださいよ。」
……ああ、 死んだ自覚がないから幽霊になってるのか。
「あのね、あんたはもう死んでるんだよ。自覚ないかもしれないけど。さっさと成仏しなさい。……おい、そこのキョロキョロしてる女子ー、あんたのことだよ。」
「……まさかそれって、私のことですか!?確かに一度死んだし透けてますけど、おばけじゃないです、分身です!」
「は?分身?」
ファンタジーチックだなぁ。あのとき、頭打って死ぬだけじゃなくて、おかしくもなっちゃった霊なんだろうね、この子……あ、幽霊もファンタジー?
「私、というかこれは、あなたの双子の妹の分身……じゃなくて分身みたいなものです。分身じゃないっていうのは、本体?とは違う姿で、私の……前世?の、姿なので……」
「私、一人っ子だよ?」
……あれ?じゃあここで両親と一緒に倒れてる、というか寝てるっぽい妹は……?
「えっ?……あ、まさか、この世界では鈴奈は存在しないかまだこれからなのかな……そうじゃないとリイミスが自分は一人っ子なんて思い出してないとしても言うわけないし……あ、他の家に引き取られた?」
「え、名前は知ってるのに生まれたことは知らないの?ほら、鈴奈はそこにいるじゃん。可愛いでしょ?この子、私の妹なんだよ~。羨ましいでしょ~、えへへ。」
鈴奈は一歳になったばっかりの私の妹。何で一人っ子なんて思ったんだろう、もう一年も一緒にいる上、こんなに可愛いのに~。……あれ?一緒にいるといえば……私の父親って私が子供の頃、母親と離婚した後すぐに死んだはずだし、母親とも女優デビュー以来絶縁したはずなんだけど?それなのに何で一緒にいる訳?
「「……どういうこと?」」