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BRAVE OF FANTASM  作者: 真王
8/33

第7幕 謎の男の名前と謎の組織の存在

「よっと・・・ここ、ちょっと足場悪いから気をつけろよ。」

「はい。」

シヴルはリティに手を差し伸べ、手を貸す。

リティもシヴルの手を掴んで、前へと進む。

ここはクロアの谷。ヴィアスの南にある、ヴィアスに続く唯一の道である。

馬車などで行くとやや乗り心地が悪いだけだが、

徒歩になるとそれなりに足場が悪いため、結構足がとられるのだ。

ここに入る前、リティは馬車で来たためここまで酷いとは思ってもいなかったらしい。

『白い孤児院』は東大陸にあり、西大陸のヴィアスとはちょうど反対側の位置だそうだ。

そこへ向かうには、ここから南にある港町から船に乗って東大陸に渡り、

そして渡った東大陸の港町から北上しなくてはいけない。

途中に村などといったものはあるらしいが、それでも長旅には変わりはない。

とにかく所持金は節約しなくてはいけない。馬車という贅沢はできないのだ。

「まさか・・・ここまできついとはな・・・いきなり前途多難ってどうよ・・。」

「仕方ないですよ。でも、もうじき抜けれますよ。頑張りましょうシヴルさん。」

「あー・・・・タンマ。ちょい待ち。」

突然、シヴルがリティを止めた。

なんだろう?

「どうかしました?シヴルさん。」

リティがそう言うと、シヴルはあ゛ーと嘆いた。

「そのさ・・・『シヴルさん』はやめてくれ。『シヴルさん』は。」

「え・・・どうしてですか?」

どうしてですかって言われてもなぁ・・・・

「そのな・・・なんか照れくさい。」

「はい?」

照れくさい?

「と、とにかくっ!『シヴルさん』はやめてくれ! 『シヴル』でいい!『シヴル』で!」

そう言うと、シヴルはリティから顔を背いた。

その仕草にリティは思わず笑ってしまった。

施設にも色んな子供たちがいたけれど

こんな、こんな行動を人は初めてだ。

だったら

「わかりました。では頑張りましょう、シヴル?」

そう言うと、シヴルは

「おう。」

と少し顔を赤らめたまま、笑って答えてくれた。

ちゃんとやっていけるか、という不安もあったけれど

そんなことなかったみたいですね。

リティはそう思った。


「・・・リティ!!」

それから少し歩いた後、シヴルは突然立ち止まった。

どうしたのだろう

「魔物だ・・・来る!!」

そう言って、シヴルは剣を構えた。 

剣は途端に、その刀身に白い光を走らせた。

その直後、前の岩の陰から何か、が出てきた。

それは、人間とは思えない緑色の肌をしていて、手には木を軽く切っただけの棍棒。

そしてその口には牙が覗かせていた。

ゴブリンだ。

魔物とは、この世界の至る所に存在する生物の変異によって生まれた存在だ。

その種類は豊富で、中には人語を理解する魔物もいるという。

魔物は、基本的に町や人がいるような所、そして街道などは襲ったりしない。

するとしても、先ほど述べた人語を理解できる奴ぐらいであろう。

だが、こうやって荒れた所や森などはこうやって襲いかかってくるのだ。

自分の住みかに入ってきた、侵入者として。

だから、ヴィアスに向かう者や、ヴィアスからどこかへ行くものは衛兵などを雇うのである。

だが、シヴルとリティは衛兵など雇ってはいない。

すなわち、自分でどうにかしなくてはいけないのだ。

しかし、心配は無用である。

「せいっ!!」

シヴルの剣が、ゴブリンの持っていた棍棒を叩いた。

棍棒は剣の威力に負け、真っ二つとなった。

「リティ!行ったぞ!」

シヴルは、後ろのリティに向かって言った。

「はい!!」

そう言って、リティは両手に持った円状の武器――トライサークルというものを構え、

ゴブリンを迎え撃つ!!

「ギャウゥウッ!!!」

悲鳴をあげ、ゴブリンはダメージを受けた。

「さぁ、どうする?まだやるか?」

シヴルはゴブリン達に向かってそう言った。

通じたのかはともかく、形勢不利と思ったゴブリン(2体)はあたふたと去っていった。

「んー、やったか。」

と言って、シヴルは剣を鞘に戻した。

「しっかしなぁ・・・。」

そして次にリティを見て

「聖職者といったけど、結構戦えるんだな。」

そう言った。

リティは苦笑して

「身を守るため、兄から習ったんです。

 まさかこんな形で役立つとは思ってもみませんでしたけどね。」

と言った。

他にも彼女は戦闘術以外にも回復魔術も覚えていた。

それは、さっき岩ですりむいた時に確認済みだ。

一応、攻撃魔術も使えるという。

「(世の中には、色々なやつがいるってことか。)」

シヴルはそう思った。

さぁ、とにかく障害はなくなった。

先へ行くとしよう。

シヴルとリティは、再び歩き始めた。



「もう、そろそろかな?」

そう言って、シヴルは空を見た。

高々と昇っていた太陽は、そろそろ赤みを見せ始めている。

「日が暮れる前に早くここを出よう。 確か出てすぐに、旅人用の宿があったはずだ。」

「そうですね。急ぎましょう。」

ふたりは歩く足を速めた。その時!

ズズズズゥゥゥゥ・・・・ンッッ!!

「うわっ!」 「きゃっ!」

突然の揺れに二人は足元を取られた。

「な、なんだ?!地震?!」

「!! シヴル!あれ見てください!!」

「え?!」

シヴルはリティが指をさした先を見る。

大地が生きているように膨らんでいく?! 

そして、それは徐々にしっかりとした形を形成していく。 あれは・・・?!

「ゴーレム?!」

岩と土でできたそれはまさしくゴーレムだった。

本来、ゴーレムは魔法物質である【イデア】で形成される魔法生物である。

【イデア】がそれなりに満ちている場所では、それが満ちて形成されることがある。

しかし、このような荒れ果てた崖でそんなできるようなシロモノではない。

だったら考えることはひとつ。

誰かが、こっちを邪魔するために形成したのだ。

もちろんそれを邪魔した相手は誰なのかはわかっている。

だが、今はそんなことよりなんとかここを打破するのが先だ。

「くそ・・・っ」

シヴルは剣を構えた。

ゴーレムといった魔法生物は物理攻撃に耐性を持っている。

さすがに、シヴルが相手にするのは不利である。

「大丈夫です!シヴル!」

まるでこちらの心を読んだかのように、リティが言った。

「その剣は、魔法生物にも対抗できるようにできています!!

 おそらくは、ゴーレムにも普通にダメージが与えられる筈です!!」

マジか?!

そうと決まったら!

「サポート、頼む!」

「はい!!」

リティは魔術の詠唱に入った。 唱えるのは攻撃力を上げる魔術!!

『彼の者に、熱き戦士の意志を!! ウエポンスター!!』

シヴルの体が赤い星がくるくる回って包み込む。途端に身体から力が湧いてくるのを感じる!

「おらぁぁぁ!!」

ガギン!!!

確かな手ごたえ! 効いている!!

「グオオォォォォォ!!」

ゴーレムがおもむろに、岩のような拳でパンチ!!

だが

「遅っそいんだよ!! ノロマ!!」

それをなんなく避け、また一撃を与える。

『女神よ・・仇名す者に聖なる一撃を!・・・セイント!!』

リティの魔法!! ゴーレムの体のど真ん中に白い光の爆発が起こった。

「よし!!」

シヴルの剣は掛け声と共に、その輝きを増した!

「こいつで・・・どうだ!!」

シヴルは飛び上がると、その剣をゴーレムに叩きつける!!

叩きつけた瞬間、その場所からまばゆい光が走った。

シヴルはまたもや、確かな手ごたえをその手に感じていた。

ゴーレムはガラガラ、と音を立て崩れ始めた。

魔法物質イデアが、今の一撃で四散したのだ。

シヴルが大地に着地するときには、ゴーレムは完全に崩れていた。

「・・・ふーっ。おどかせやがって・・・。」

額に伝っていた汗をぐい、と拭った。

「やりましたね!シヴル!」

そう言って、リティがこちらへ向かってきた。

「んー、なんとかな。でもこの剣、すげーな。」

シヴルは剣を掲げた。

「孤児院の研究者たちによると、その剣は魔法物質イデアの上位物質である

 世界霊魂『イデアセフィロス』という物質を鍛えられて造られたそうですよ。」

「聞いたことがある。そんなもん伝説上の存在だと思ってた。

 へー、これが世界霊魂『イデアセフィロス』ねぇー・・・。」

「そう、だからそれは我々が持つべきなのだ。」

「「!!」」

突然響いた声。 この声は・・・!!

2人は背中合わせ(触れてない)になり、周囲を見渡した。

「ここだ。」

その声は、前からした。 いつの間にそこにいたのだ・・・?!

2人は身構えた。

「やっぱり・・・ゴーレムを形成したのは・・・お前だな!」

「いかにも」

男はそう言った。

「ゴーレムを魔法形成クリエイトして、お前らの力量を調べたみた。

 ・・・・思ったよりは、やるようだな。」

「それはどうも・・・っ!!」

シヴルはかろうじてそれだけ言えた。

なんだこいつ・・・

武器出してねぇのに・・・なんつー殺気だよ!!

「弱らせたところを狙って、剣を奪おうとは思ったが・・・気が変わった。」

そう言うと、男は2人に背を向けた。

「剣はお前に預けておいてやる・・・・今度、再びこちら自身の力で奪おう。

 ・・・・少年、名前は。」

「・・・・シヴル・・。シヴル・ストラヴィジュだ。」

「シヴルか・・・・俺の名はゼノ・ブルステイル。

 今度会うときは、我が『組織』の下、貴様から実力で剣を奪わせてもらおう。」

そう言うと、男―――ゼノの姿は光になって消えていく。

「・・・空間転位!!」

リティがそう行った時には、ゼノの姿は完全に消えた。

「・・・・見逃した・・・のか?」

構えを解きつつ、思わずそう嘆いた。

「だと思います。 それにしてもすごい殺気でしたね・・・・。」

「ああ、気を抜くとひっくり返りそうだった・・・・。」

それに、とシヴルはつき足した。

「あいつが言ってた『組織』・・・なんだと思う?」

帰ってきたのは、首を横に振ることだった。

「わかりません・・・ただ、その剣をあきらめてはいないということは確かでしょう。

 おそらく、これから何かしらの手でまた、襲いかかってくるかもしれません・・。」

シヴルは思わず、ため息をついた。

「予想はしてたけど、本格的にキツイ旅になりそうだな・・・・。

 ホンっトに前途多難だよ・・・・。」

そして、またため息をついた。



太陽が完全に沈もうとしていた頃

シヴルとリティは無事に、崖を超えた先の宿に到着できた。




んー、また長いなこれ。

途中のゴブリンとのバトルシーンなんていらんかった気がするな・・・。

それに何か全体的に何か説明が多くなった話だな。これで話長くなるってちょっちアレですね。もう少しまとめられるよう頑張ります。

世界霊魂とイデアセフィロスの元ネタは分かる人いるかな?

世界霊魂はともかく、イデアセフィロスは・・・どうだろ? これから(←それ以前もあったって)もどっかからパクリが入ると思うので、苦手な人はご了承ください。

見てくださってありがとうございました。

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