第4幕 隠された封印 解かれるとき
「ここだな。」
男は言った。
長い長い階段をおりた先は、広い空間になっていた。
その空間の先には祭壇らしきものがあった。
そしてその祭壇の真ん中には、雁字搦めに封印された大きな箱があった。
「あれか。・・・まさかこんな所に隠されていたとはな。」
まったく女神様といい、大昔の人間といい
こんな所に隠して、それをこんな建物なんかで覆い尽くしてしまうとは
いい知恵を働いてくれるもんだ。ホントに。
「ではリティ・カルティネージ
・・・封印を解いてもらおうか?」
リティと呼ばれた少女は頷きも、口を出しもしなかった。
「ここまで来てだんまりか。
それもいいだろう。だが、『家』に残っている兄はどうなっても構わないのだな?」
それを聞いて、リティの顔は再び青ざめた。
「兄には・・・・手を出さないで!!!」
「ならば、封印を解け。
解かなければ・・・・・・。」
突如、男は鞘から剣を抜き取ると、ビュン!と振った。
それは衝撃波となってこの空間の入口へと走る!
ドゴン!!
衝撃波は入口のすぐ横の壁にぶつかった。
そしてその壁は勢いよく破壊され、入口を大きく開けた。
「・・・この男から殺すぞ。」
大きく開けたその入口には
レイオルが大剣を構え、立っていた。
シヴルは階段を降りていた。
ずいぶん長い階段のようで、降りても降りても全くつく気配はない。
こんなに階段を降りていてはいつもなら疲れてもおかしくないというのに
今はそんなこと感じている暇などなかった。
一歩一歩とにかく足を動かす。
どれくらい降りたのだろうか。
気がつけば、階段も終わりを迎えようとしていた。
最後の一歩が完全に地下に降り立ったその時だった。
ドゴン!!
何かが破壊されたような音が地下内に響き渡ったのだ。
「・・っ!!」
シヴルは今度は長い廊下をまた走り始めた。
廊下は真っ暗で、目を凝らさないと何も見えなかった。
「もう、おしまいか?」
剣先をレイオルに突きつけ、男は言った。
「はぁ・・・はぁ・・・っぐ・・・。」
レイオルは答えない。
代わりに出た声は肩から伝う傷口を手でおさえた時だった。
それは同時に左腕は使えなくなったことを意味していた。
「だんまりか。まぁいいだろう。・・・・今度は・・・当てる!!」
「!!」
男がまた跳んだ!!
レイオルは痛みをこらえつつ、再び身構えた!
「ふっ!!」
レイオルは男に向かって一閃を放つ・・・どうだ!!!
「遅い。」
気づいた時には、男は背後に回っていた。
そして、背後に冷たいものが走る。
斬られた。
そう思った時にはすでに床に倒れていた。
「機械兵士相手に頑張っていられたのは、マグレということか。
残念だな。」
男はそう言い捨て、剣についた血を一振りで払った。
「さぁ、リティ・カルティネージ。その箱の封印を解いてもらおうか。
さもないと・・・・」
剣先が倒れて動かないレイオルに向けられた。
「この男を一瞬にして、天に召すぞ?」
リティは答えない。
答えはもう・・・すでに出している。
リティは祭壇らしきものの方へ向きなおした。
そして、一歩踏み出した。
その時だった。
「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!」
思わず、後ろを向きなおしてしまった。
気がついたら、飛び出していた。
なぜならレイオルが血を出して倒れていたからである。
なぜなら男が剣を倒れたレイオルに向けていたからである。
我ながら無謀だとは思った。
だが
「ちぃ!!」
男からレイオルを離すことはできた。
「・・・シヴ、ル・・・どうして、ここに・・・」
そう言うレイオルの声は荒い息が混じっている。
「いつまでも帰ってこないから・・・もうやられてしまったと思って
・・・・つい来ちゃいました。」
「来ちゃいました・・・って・・・・莫迦か・・・お前は・・・!」
「・・・かもしれないっすね。」
思わず笑ってしまった。やばい状況だというのに笑ってしまった。
「お喋りはもういいか?」
ひゅん、と風が鳴った。
「!」
ガキン!!
受け止めた。
「ほう、しかしまだ・・・」
見えた
「・・・もらった!!」
シヴルは男の腹に蹴りを放った。
「ぐぅ!!」
男は顔を苦痛に歪め、体制を崩した。
「せぃっ!!!」
それを見たシヴルは、男の頭に剣を叩きつけた。
斬りつけたのではない。叩きつけたのだ。
男は声にならない声をあげた。そしてその場に座り込む。
「どうだ!!」
だが
「・・・なめるなぁっ!!!」
想定外だった。
男は立ち上がりとともに突進をかました。
同時に剣が襲いかかる!!
「うくっ!」
シヴルは咄嗟にそれを剣で受け止めようとした。が、
バキィィィンッ!!
剣が折られた
おまけに
「うわああっ!!」
すざましい勢いで吹っ飛ばされてしまった。
ドン、という衝撃が体に響いて、骨が軋んだ。
「げほ、ごほっ・・・!」
肺が圧迫され息苦しさのあまり、咳が出た。
「・・・ガキの風情でふざけたことを・・・。」
男がこっちへ向かってくる。
ヤバイ、殺されるか?
「・・・やめてください!!!」
突如、目の前に誰かが出てきた。
その姿はこの辺じゃ見ない格好で
髪は鮮やかな亜麻色で、そんで長い髪を二つに分けて・・・って
「き、君はあの時・・・ぶつかった・・・?!」
そうあの時の少女だった。
だが、少女はシヴルの声は聞いていなかった。
「封印は解きます。だから・・・これ以上・・・
関係ない人たちを傷つけるのはやめてください!!」
その言葉に男はフッ、と笑った。まるで嘲笑っているようだった。
「・・・いいだろう。ならば、さっさとやれ。」
そう言われたのを確認して、少女はくるりとこちらを向いた。
少女の顔は今にも泣き出しそうに見えた。
「ごめんなさい・・こんなことに・・・巻き込んで・・・。」
「いや、大丈夫・・・そんなことよりも・・・」
シヴルは何か言いかけようとした。
しかし少女は言わせてくれなかった。
「すぐここから離れて下さい・・・私はこれ以上
あなた方が傷ついたりするのを・・・見たくないんです・・。」
「でも!!」
そう言ったその時、手が後ろにある何かに触れた。
キュイン!!
え、なんだ今の音。
思わず後ろを向いた。
シヴルは祭壇のような所に飛ばされているのを今やっと気づいた。
いや、今はそれよりも
カシャン、カシャン、カシャン!!!
自分の真後ろにあった何か箱らしきものがすごい音をたてて
開いていくのが気になってしまった。
「ど、どうして・・・?!」
少女は驚きを隠せないようだった。そしてそれは
「あのガキ・・・まさか?!」
男にしても同じようだった。
そうこうしているうちに箱はますますすごい音を立てていく。
ガチャン!!
開いた?!
箱は蓋を開けた直後、さっきの様子が嘘かのように静かになった。
シヴルは箱の中を恐る恐る覗いてみた。
「・・・・・これは・・・・・剣・・か?」
そう箱の中にはひと振りの剣が入っていた。
他には何も入っていない。剣だけだ。
好奇心が働いたのか、思わずそれを掴もうとした。その時だった。
「・・・そいつをよこせぇぇぇぇぇ!!!」
男が先ほどの突進の如く、こちらへと向かってきた!!
「!!」
「きゃっ?!」
シヴルは片手で瞬時に少女を横へと突き飛ばした。
同時にもう一方の手は箱の中の剣を引っ掴み、そして
「だぁっ!!」
それで男の突進を受け止めた!
腕がギシッと悲鳴を上げた。
「うぐうう!!」
シヴルは腕の痛みに顔を歪めた。
しかし男は待っててくれない。
「その剣はお前などに使いこなせん。さっさと渡せ。」
「・・・・っ・・だ・・!」
「・・・もう一度言う。さっさとその剣を――――」
「嫌だっつってんだろ!!」
ぐおっ!!
「ぅおっ?!」
男は驚いた。
なんだ?!こいつの力?!
先ほどとは違う?!
驚きはまだ終わらなかった。
「・・・・なんだあれは・・・。」
男はシヴルを見た。
シヴルの持っている今回の目的の剣を見た。
光っている。
荒い呼吸を吐き続ける少年の持つ剣が光っているのだ。
淡い、白い光が
まるで心臓のような鳴動をたてて
「!!」
シヴルは男を見た。
こちらを見て、呆然としている。
今なら・・・・今ならやれる!!!
「おおおおおおおおおっっっ!!!!」
シヴルは咆哮をあげ、男へと立ち向かった。
ごめんなさい。長くなりました。長すぎです(T_T)
次の話で彼女がここに来た理由がわかります。
あ、それと話はちょくちょく訂正が入っていったりするので(必然的に)ツギハギだらけになります。ごめんなさい。
っていうか誰か俺にもう少し話を簡潔にできる力をください・・・・・(ToT)
8/13 最初の3幕ラストとかぶっていた所、消去しました。
な、なんというミスをしてたんだ・・・自分
おまけにそれを一ヶ月も気づかんかったって、もう終わってるよ・・・(笑)




