第3幕 突然の爆音 謎の襲撃
またなんかわけのわっからんことになりました・・・。
散々引きずってこれですか・・・。
いくら昼明るい道にしても夜になれば、それは全く真逆
夕方歩いたこの道さえも闇に包まれている。
そんな道を息を切らしながら、シヴルは剣を手に走っていた。
視線は、うっすらと赤く光る学院に向けられている。
「(・・・一体、何が・・・・?)」
そう思うしか今はできない。
今はとにかく学院に向かうしかないのだ。
シヴルは走る速さを少し上げた。
シヴルが学院に到着すると、関係者の手によって消火活動がおこなわれていた。
せわしなく人が動く中、シヴルは周囲を見渡した。
「あれは・・・・・・?」
ふと視界に入ったもの。それは・・・・
「・・・・機械兵士?!」
そう、たくさんの機械兵士が学園のグラウンドで暴れていた。
「なんで、あんなものがこんなとこに・・・・・って、今はそんなことどうでもいい!!」
シヴルは鞘から剣を抜き出すと、暴れている機械兵士へと向かった。
「・・・ふむ、なかなかやる。さすが王立魔法学院の生徒といったところか。」
そう言うのは、物陰で出来事を見ていた一人の男である。
身体には豪華な装飾が施された鎧を纏っている。そして腰にはこれまた装飾された剣。
まさしく、その姿は騎士である。
「・・・・・む?」
男はふと声を出した。
その視界には、一人の少年に向けられていた。
その少年は、手に持っている剣で機械兵士をなぎ倒していく。
「ほぉ、他に比べたらなかなかやる・・・・よし。」
男はそう言うと、スラリと剣を抜いた。
「うるあぁぁっ!!」
掛け声と共に剣をふるい、機械兵士を叩きつける!
鈍い音をたててそれは見事にヒット。機械兵士は音をたてて機能を緊急停止をした。
「こんなもんか・・・?」
気がつけば周囲には機能を停止した機械兵士がゴロゴロと転がっている。
すべて自分でやったわけではないが、数はかなりの数だ。
「シヴル、片付いたか?」
そう言ってきたのは、レイオルである。
彼もまた大剣を手にして機械兵士と奮闘していたのだった。
「まぁ、なんとか・・・しっかし、こいつら・・・・
一体なーんのために襲ってきたのやら・・・・。
おかげで、子供たちが起きやがったじゃねーか。」
「ほぅ、それはすまないことをしたな。」
「「?!」」
突然の声にシヴルとレイオルは身構えた。
しかし
「遅い」
ザシュっ―――――――!
「がはっ?!?!」
レイオルの悲鳴にシヴルは驚いた。
彼が、口からおぞましい程の血を吐いていたのだ。
そして、その側には
「だ・・・誰だよ・・・アンタ・・・・?!」
かろうじて言えたのはそれだけだった。
男からはこの身を貫かんばかりの殺気を漂わせていたのだから
「誰だろう・・・・な・・・?!」
「?!」
ガキィィィィン!!
咄嗟に手が動いていた。
動けたのは奇跡だった。
腕が痛いくらい痺れている。
「今度は、防いだか。」
シヴルの剣は、男の剣を止めていた。
男はその行動にニヤリ、と笑っていた。
「だが」
突如、男は消えた。
どこだ、どこに・・・・・?
思わず辺りを見渡した。
その時、背中に何か冷たいものが走った。
「まだまだだな。」
その言葉が発された時には、シヴルは意識が薄れかけていた。
そして意識が途切れる前に最後に見たのは
男が他の生徒にその剣を振りおろそうとする。まさにその時だった。
「全員、撃退いたしました。」
感情のないその声を出した者を、「ごくろう」という返事とともに引っ込ませる。
「では、行くとしようか?」
シヴルとレイオルを斬った男は言った。
それを言った相手は一人の少女だった。
「どうして・・・・・・」
「はい?」
「どうして・・・あんな目的のために・・・こんなことが・・!」
その声は怒りと恐れで震えていた。
だが
「あんな目的とは、心外だな。リティ・カルティネージ。」
「な・・・?!」
男は少女の言い分を冷たく言い払った。
少女の顔がみるみると青ざめていく。
「これは、この国・・・いやこの世界を守るためなのだ。
守るために邪魔者を倒して、何か悪いのか?」
身勝手だ。
身勝手すぎる。
「あなた・・・いいえ、あなた達は世界を守るためなら・・・
平気でこんなことしていいと・・・思っているのですか・・・?!」
「思っているからこそできる、と言ったらどうする?」
「・・・っ?!」
少女は息を飲み込んだ。
「もう一度言う。我々は純粋に世界を守りたいだけなのだ。
そのためならば、数多の存在に恨まれようとも、それを全うする。
ただ、それだけだ。」
もういい
もう何を言っても無駄だ。
だれか
だれか・・・助けて
「では、行くとしましょうかね。
・・・・封印された存在のある場所へ。」
「う・・ぐぅ・・・・・。」
シヴルは意識を取り戻した。
同時に背中から、鋭い痛みが走った。
「み・・・みんな・・どうな・・・」
その言葉は最後まで言えなかった。
目の前には、大勢の生徒や教師が倒れていたのだ。
どこかしらに、血を流して。
「う・・嘘だろ・・・・?」
襲ってきたのは、ひとりの男だった。
そういえば倒れる寸前にあの男以外にも、何人かがなだれ込んできたような気がする。
そんなことどうでもいい。
やられたのだ。
みんな、やられてしまったのだ。
「・・・・っ・・・。」
すぐそばから、何かが呻いた。
レイオルだ。
意識を・・・取り戻した?!
「せ、先生、しっかり、しっかりしてください!!」
シヴルは傷口に響かないよう、レイオルを軽くゆすった。
「・・く・・シヴル・・・・良かった。無事だったか・・・・。」
「俺はなんとか。でも他の奴らが・・・。」
その言葉にレイオルは、そうかと嘆いた。
「・・・・襲撃してきた男は・・・どうした?」
「わかりません・・・今俺も起きたばっかりだから・・・
撤退したんでしょうか?」
レイオルはその身を震わせながらも何とか起き上った。
「・・・いや・・・それはない。
これだけの機械兵士を出撃させておきながら、何もしないで撤退するなど
普通ありえないだろう・・・。」
それもそうだ
だったら、一体何のためにこんなことを・・・・?
「・・・この学園に何かがあれば私たちが駆け付ける義務があることを
あの男は知っていたのだろう。
そしてそれを対処する私たちはあの男にとって邪魔だったのだろう。
おそらく、奴の目的は・・・」
「目的は?」
どう説明すればいいのか、レイオルは黙った。
このことを生徒であるシヴルに話していいのか
だが、あの男の目的はあれとしか考えようがない。
ならば
「シヴル、お前は倒れている者を介護しろ。」
そう言って、レイオルはシヴルに回復呪文をかけた。
背中の痛みが暖かな光とともにひいていく。
「せ、先生はどうするんだ?」
自分にも回復呪文をかけ、立ち上がるレイオルにシヴルは言った。
「私はあの男を追う。
あれを手にされてしまえば、この世界は・・・・・・!」
「この世界・・・・?」
いきなりそんなことを言われても訳がわからない。
一体、何が言いたいのか
シヴルは理解できなかった。
「・・・ともかく、ここは任せた。
気がついて、傷が浅い奴は手を貸してもらえ。」
それだけ言うと、レイオルは学園の校舎の中へと走って行ってしまった。
よく見たら、校舎の玄関は破壊されていた。
「あ!ちょ!・・・・行っちまった・・・。」
シヴルは校舎の中に入っていくレイオルを呆然と見ることしかできなかった。
「大丈夫か?動けるか?」
シヴルはレイオルが言った通り、倒れた生徒や教師たちをひとまず校庭の隅の方へと
運んでいた。
倒れていた者は傷が深いのもいたが、命に関わるような怪我をした者は幸いにもいなかった。
今では何人かが目覚めており、傷が浅い者は重傷者を介護していた。
ようやく今、最後の一人がこちらへと運びこまれてきた。
シヴルはひとまずふぅ、と一息ついた。
もう夜も更け、日付は次の日に変わってしまった。
校舎の中に入っていってしまったレイオルはまだ戻ってきてない。
レイオルは何か知っていたのだろうか。
あの男の目的を
そして、気になることがひとつ
レイオルが最後まで言えなかった。この世界は・・・の続き。
襲撃した男がその答えを握っているとしたら?
そして、レイオルがあの男がすることを完全に理解しているとしたら?
答えは、簡単だ。
シヴルは校舎に向かって走り出した。
「あ、ど、どこへ行くんだ?!」
誰かがそう言った。だがシヴルは止まらなかった。
幸いにも、怪我があるのか誰も追いかけには来なかった。
誰、一人も。
校舎の中は玄関とは違い、荒らされてはいなかった。
とはいうもの、昼とは違って夜の学園はどこか不気味だ、いつもはそう思っていただろう。
だが、今は別だ。そんなこと考えている暇などない。
「くそ・・・どこにいるんだよ・・・?!」
校舎を走り回って数分。人の気配は全くというほどない。
どこかにはいるはずなのに、なぜ?
そう思っていたその時だった。
「ん・・・?あそこは・・・・」
シヴルは他とは違い、破壊されている扉を見つけた。
あそこは確か・・・・理事長室じゃなかっただろうか。
シヴルは理事長室の入口の数メートル前で走るのをやめ、ゆっくり歩き始めた。
そして破壊された扉の前に来ると、ゆっくりと室内を覗いた。
「・・・・・!」
シヴルは目を見開いた。
理事長室の中は荒らされていた。
そしてその中に二人の兵士が背中から血を出して倒れていた。
レイオルがやったのだろうか?
だが驚くのはそれだけではなかった。
理事長室の床がばっくりと穴をあけていたのだ。
破壊されてではない、きっちりと正方形に。
シヴルは足音をそこそこにしてその穴に近づき、覗き込んだ。
「・・・地下への・・階段?」
その穴は地下へと続く階段になっていたのだった。
荒らされた理事長室、倒された兵士、そして地下への階段。
おそらくこの先だ。
この先にレイオルが
そしてあの男がいる!!
シヴルは倒れている兵士の剣を引っ掴むと
地下へ向かって階段を降り始めた。
もう2年くらい更新してなかった。
ていうかやっと更新できた・・・。
だけど酷い・・・。
これは酷すぎる・・・・・・・・。




