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BRAVE OF FANTASM  作者: 真王
18/33

第17幕 太古の謎 告げられた可能性

「へぇー・・・そんなことがあって『白い孤児院』を目指すようになったのね・・・」

お茶を飲み干したカップをリティに渡しながら、ミューゼは言った。

「ええ、見たことない物がいっぱいで行く時よりもずっと楽しい旅でした。」

ミューゼから受け取ったカップにお茶を注ぎながら、リティはそう言う。

ここは『遺跡村ドセルド』の宿の隣にある食堂である。

とりあえずミューゼを仲間に加えたシヴル達一行は、ミューゼの宣言通り食事をしに来たのだ。

夕飯時で人は多かったが、なんとか席を取ることができた。

シヴル達のテーブルは様々な料理が乗っている。

パスタやスープ、フライやシチューなどと種類は結構多い。

食べきれるかどうか心配であったが・・・・

「はむはむっ、ん~、うま♪・・・んぐんぐ、もうサイコー♪♪」

多くの料理はミューゼの腹の中に吸い込まれていた。

「(一体、どんな胃袋してんだろ・・・・)」

パスタをフォークでこねくり回しながら、シヴルは思った。

まぁ、今日くらいはいっか・・・。

お金も前、ディクロスからもらった―――いや押し付けられた?

とにかくディクロスから受け取ったお金があってそれなりに余裕があるし・・・・。

そういや・・・あれからディクロスはどこに行ったんだろうな・・・・。

乗船パスもなんか結局お金と同然に押し付け―――いや受け取ってしまったから・・・・

まだ西大陸にいるんだろうか?

「(ま・・・そのうちにまた会えるか・・・。)」

シヴルはこねくり回していたパスタをぱくん、と一口で食べた。

「そういえば、ちょっと気になることがあるんだけど。」

突然、ミューゼが話を切り出した。

「なんだ?」

そう言って、シヴルはスープを一口すすった。

「あの動く『聖獣』の像に襲われてた私たちはなんで助かったの?」

それを聞いて、シヴルは

「なんか今更な質問だな・・・・・。」

と言って、フライを齧った。

「いやずっと気になってたんだけど・・・

 エンゼットの過去バナのせいで言い出すタイミング無くなって・・・・。」

「ま、それもそうだな。」

シヴルは口の中のフライをよく噛んでごくんと嚥下する。

「多分俺達が助かったのは・・・あの男のおかげだろうな。」

「あの男?」

エンゼットの言葉にシヴルは頷いた。

「俺達がセシュルでエンゼットを捜しているときに

 あの像を退治しに来たというオッサンが来たんだよ。俺達にお約束通り、警告してきたけどな。」

「あの人ですか?・・・でもそうとは・・・」

そう言いつつ、リティは空になっていたシヴルのカップにお茶を注ぐ。

「あいつだよ。そうとしか考えられない。

 腰にかけていた大剣、そしてあの像は剣によって斬られていた。間違いないと思う。」

そう

あの男は腰に大剣をかけていたのだ。

・・・よく見なければわからなかったけどな。

「もしそれが本当なら・・・その男の人、ただ者じゃないわね。」

今度はミューゼの言葉にシヴルは頷く。

「だな。いくら俺達がダメージを与えていたとはいえ、

 あんなデカブツをひとりで倒しちまうんだからな。相当な凄腕な奴ってことだ。」

「今度会ったら、お礼を言わなくてはなりませんね。」

「・・・そうだな。」

シヴルは皿の上にわずかに残っていたパスタをよくソースにからめて口に入れた。

「私達が助かった訳はわかったわ。じゃ、もうひとつ。」

「まだ何かあるのか?」

ミューゼは頷いた。

「さっきのエンゼットの話を聞いて思ったんだけど・・・

 そもそも太古に存在したという町・・・どうして滅びたりなんかしたの?」

その質問にシヴルは大きなため息をついた。

「お前さ・・・フツーそんな質問なんかするか?

 いくらエンゼットが直接的な末裔じゃないとはいえさ・・・。」

「い、いいじゃない!!・・・悪いとは思ったんだけど・・・

 気になって仕方なかったんだもん・・・・。」

気になってって・・・まぁ俺もその事は気になっていたけどさ。

「その事についてなら・・・シヴルには言ったと思いますが、

 色々な説が文献に書かれていたはずですけど・・・・。」

「そういや・・・そう言ってたな。」

シヴルの問いに、リティは「ええ」と言った。

「確か・・・その町は何かしらの儀式に失敗して、住人すべて消えてしまったために

 滅びてしまったとほとんどの文献にはそう書かれていたハズです。」

「ぎ、儀式?」

「はい。どうやらとても危険な儀式だったようで・・・

 文献には儀式の当事者も住人を巻き込むなんて思っていなかったと考察されているようでした。」

一体、どんな儀式したんだろうか・・・・。

シヴルは先ほどリティが注いでくれたお茶―――食後のお茶を一口すすった。

「ふーん・・・それでエンゼットの方は?」

「私も今、リティが説明してくれたと同じような事を養父から聞かされた。

 だがな・・・。」

ふいにエンゼットの顔が曇る。

「なんだよ。何かどっか間違ってんのか?」

シヴルの問いに、エンゼットは首を横に振る。

「いや、そういうわけではない。

 ただ養父がその話をした後な、こう言ってな。

 『私はその儀式がとても失敗したとは思えない。実はそれが成功だったのではないか』とな。」

「住人すべて巻き込むことが成功?

 じゃあ実はその町の住人全員が儀式に参加したと?」

「いや、そうではなくてな・・・・」

そう言ってエンゼットは少し考え込むと、なにかを思い出すような様子で喋り始めた。

「そうだな・・・先ほどのリティの説明と少し変わるが、

 儀式の当事者はそれを承知で儀式を執り行った、というのが養父の考えだったと私は思うな。」

ええっと・・・それって・・・・

「つまり・・・その儀式をした人は町の住人すべてをその儀式の触媒に使ったって事?」

ミューゼはつい今運ばれてきたサービスのフルーツを手に持ちながら言った。

「かもな。」

エンゼットもフルーツに手を伸ばしながらそう言った。

もしそうだとしたら・・・その儀式を行った奴は・・・・・

マトモじゃ・・・・

ま・・・とも・・・・・じゃ・・・・・・

シヴルの意識は本人の関係なくどこか遠くへと運ばれた。



『ぎゃああああああああ!!!!』

『た、たすけてええええええええぇぇぇぇぇ!!!!!』

『しにたくなぃぃぃいいい?!??!?!?』

・・・え・・・・ちょ・・な・・

『もうお止めください!こんな・・・こんなことは!!』

誰かが何か・・・言っている

『もう遅い。これがこの世界の運命さだめなのだ。

 愚かな者共が住むこの世界のな!!』

この・・・世界?

『そんな・・・彼らだって私達と同じように生きているのですよ?!』

『ならばなぜ貴様は《これ》に参加した?!

 このような結果になることなど最初からわかりきっていたはずだ!!』

なんだよ・・・なんなんだよこれ?!

『それは・・・・』

『いい加減目を覚ましたらどうだ?

 この世界は私達が築き上げてきた成果、そして今このために築き上げてきたものでもあるのだ。

 まさか貴様、この愚かな奴らに愛着でも?』

・・・・・・・・・・・ 

『そんな・・・そんな・・・・ことは・・・・・』

『・・・まぁ、いい。この長年の成果がようやく果たされるのだ。

 これで私も・・・・私も――――――』 



「シヴル!!」

突然、名前を呼ばれた。

あれ・・・ここは・・・・

「どうしたんですか?急に黙りこんで・・・・。」

リティの言葉が耳に入り込んでいくと同時に、今の状況がようやく思い出してきた。

そっか・・・俺・・・食事しながら・・・・

なんかセシュルでなんで助かったという話をして

次にエンゼットの育てた養父のかつて一族がいたという太古の町の話をして

それから・・・・それから・・・・・・

あ・・・れ・・・・・・

「なんで・・・思い出せない・・?」

つい今の事なのに・・・・どうして・・・・?

「シヴル?私の声、聞こえてますか?」

「え・・・あ・・・・う、うん大丈夫。ちょっと・・・疲れただけだよ。」

そう言って、思わず窓の外を見る。

外はもう暗くなっていた。

だがその暗闇の中、何かが見えた。

あれは・・・・・あれは・・・・!!

「ごめん!!ちょっと散歩してくる!!」

立ちあがりながらそれだけ言うと、シヴルは勢いよくドアを開け、食堂を出ていった。

「あ、シヴル?!」

リティはそう呼びかけたが、ドアが閉まる音が答えただけだった。

「どうしたんだろ?突然。」

ミューゼは最後のフルーツの一切れをぱくり、と食べた。

「さぁな?」

そしてエンゼットはカップにわずかに残っていたお茶をくい、と飲み干した。



「おい!待ってくれ!」

シヴルは走りながらそう呼びかけた。

その視線の先には暗闇しかない。だがその暗闇の中に何かがいた。

茶髪のざんばら頭で、長身で、がっしりとした身体をした男。

そう、それはまさしくセシュルで会い、シヴル達に警告したあの男だった。

男はシヴルに呼ばれ、村の入り口で立ち止まっていた。

「・・・・何の用だ?」

男は振り向くと、そう言った。

「いや、セシュルで助けてくれたお礼を言おうと思って・・・・。」

急に走ってきたせいか、息が上がっているのが自分でもわかる。

それでもお礼はどうしても言いたかった。

「別に礼などいらん。

 それに俺はお前達を助けようと思って倒したわけでもない。

 この村で受けた依頼を果たそうとしただけだ。」

「い、いやそれでも結果的に助けてもらった訳でもあるし・・・。

 そっちがお礼をいらなくても、こっちにはする義務があるんだよ!!」

「・・・・そうか。」

ひゅう、と風が舞う。

身体中に鳥肌が立った。

「助けてくれて・・・ありがとな!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

む、無言ですか。

いくらお礼は要らないと言われても・・・この反応じゃ・・・・。

えーと・・・ここは・・・ここは・・・・・・

「俺はシヴル!シヴル・ストラヴィジュ!!オッサンは?!」

って何自己紹介なんてしてるんだ。

いくらなんでもざーとらしい・・・・・

「・・・・ソウガ。」

「へ?」

今、何て?

「ソウガ・・・・・それが俺の名だ。」

名乗ってくれたのか・・・・?

ソウガ・・・・か・・・・。

「シヴル。」

突然、名前を呼ばれシヴルは驚いた。

「え?!な、何だ?!」

ホントに突然なんだよ!コイツは!!

「遺跡で少し見ただけだが・・・とんでもない剣を腰に下げているようだな・・・・。」

「あ、ああ、うん、まぁ・・・・・」

剣て・・・あれか?

おまけにとんでもないって・・・・・

「そう言うってことは、ソウガ・・・お前、あの剣について何か・・・・・」

「警告しておく。」

シヴルの言葉は突然のソウガからの言葉で中断された。

「あの剣をただちに封印しろ。その剣はこの世に出すべきではないものだ。」

「は・・・・」

あまりも突拍子すぎて、思考が追いつかない。

ソウガの言葉はまだ止まらない。

「もう一度言う。あの剣をただちに封印しろ。その剣はこの世に出してはいけない。

 ・・・持ち続ければ、やがてその剣はお前に絶望という未来へと導く・・・・。

 ・・・・そしていつかそれはお前を喰らいつくすだろう・・・・。」

一体何を・・・言ってるんだ。

シヴルは何も言えなかった。

ソウガはもうそれ以上何も言わなかった。

そしてソウガは身を翻すと、暗闇の中へと消えていった。

「絶・・望・・・・?」

思わずそうつぶやいていた。

シヴルはリティが呼びに来るまでその場に立ち尽くしていた。



夜の森は昼間より暗い。

その闇の森の中、一人の男―――ソウガは歩いていた。

「いけないですねぇ?どうして奪ったりしなかったんだい?」

突如、どこからか声がした。

ソウガは立ち止った。

「今回の俺の任務はあくまであの遺跡に巣食う悪魔を倒すだけだ。

 それ以上のことをして、何の得になる。」

「ふーん・・・律儀な人だねぇ。

 いくら任務外だからって、別にこちらの目的くらいついでに果たすのもいいんじゃないの?」

背後から足音が聞こえる。だがソウガは振り向かない。

「ふ・・・俺はお前のように物事を器用にこなす事は苦手というだけだ。

 それだけで理由にはなるだろう?」

足音が、止む。

「へぇこれは意外。

 ・・・・ま、そういう事にしておきますか。」

クククと笑い声がその場を嫌に支配する。 

「・・・・お前はこれからどうするのだ?」

「とーぜん、こちらの任務を果たす準備をさせてもらいますよ。

 このままゼノにお手柄を取られるなんて、なーんかおもしろくないんでね・・・・・。

 おもしろ好き勝手・・・やらせてもらいますよ・・・!!」

その言葉と共に、背後から気配がなくなった。

どうやらこの場を去ったようである。

ソウガは再び歩き始めた。

そしてその姿はまた暗闇の中にゆっくりと消えていった。






まさか2日連続で投稿できると思えなかった真王でーす。

・・・今回の話を書く上で、前の話を少し訂正しました。まぁどこも訂正だらけですからどこを訂正した?と言われてもわかんないと思いますけど・・・この話を読んであれ?と思ったところです。読んでいる方はきっとわかるかと・・・願いたいです。っていうか話作るのに矛盾作るなって話ですよね・・・本当に申し訳ない。

今回はまた長い話でしたが、ここまで読んでくださってありがとうございました。

感想や苦情、何かご意見がありましたらドシドシお願いします!

長文失礼しました。なにかまた訂正あったらごめんなさい!

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