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BRAVE OF FANTASM  作者: 真王
14/33

第13幕 失踪

シヴル達の旅は順調だった。

『囁きの港町ディーテ』を出て、

地図上で『深緑のゼクス山』と書かれていたところを一日をはさんで越え、

その夕暮れ前に『遺跡村ドセルド』に到着した。


「ぜぇ・・・ぜぇ・・・・やっと着いた・・・。」

突然だがそう言ったのはミューゼである。

ディーテから尾行すること一日と半日。

こそこそとバレそうになりながらもなんとかついてきたのだ。

誤算と言えば、身軽に動くため荷物――食料をあまり持ってこなかったことくらいか。

ぐーーー・・・・・・・

ミューゼの腹の虫が豪快に泣き声を上げる。幸いにも尾行している者たちには聞こえてない。

「(ここで・・・ここであきらめるわけには・・・・くぅう!!)」

もはや彼女を動かしているのは、まさしく執念そのものであった。


「・・・・・・・・・・・。」

シヴルは後ろを向いた。

なぜなら人の気配がしたからである。

だが背後には誰もいない。っていうか何も感じない。

・・・・・・・・・・・やっぱり気のせいなのか?

「シヴル?どうされたんですか?」

シヴルの行動に気づいたリティが話しかけてきた。

「いやさ・・やっぱり人の気配を感じてさ・・・・。」

「またですか?ディーテでも・・・それに山を越える時にも言ってたじゃないですか。」

そうなのである。

人の気配はディーテから、そして山を越えるその時にも感じていたのである。

気のせい、気のせいと言い聞かせてきたが、ここまで来るとさすがにあやしいものがある。

では、ついてくるとしたらいったい誰が?

今のところ襲ってくる気はないようだが、ヴィアスを襲ってきたあのなぞの組織か?

それとも・・・・・・

「いやいや・・・ないない・・・・。」

そこまで考えて、シヴルは首を振った。

次に思い浮かべたのはミューゼである。

いくらなんでもここまでついてくるなんて事・・・・・・・

「なんか・・・ありえそう・・・・。」

もし、彼女だったらため息ものである。

「さっきからひとりで何考えてるんだ?はたから見ると、あやしいぞ。」

「んー、ちょっとな・・・・・・。」

まぁ確かに道の真ん中で考え事、おまけに独り言などあやしいものだ。

とりあえずここも気のせいという事にしておこう。うん。

「やっぱしなんでもないや、早く宿屋行こうぜ。」

そう言って、この話は終わりだった。


「よし・・・今日は宿屋に泊るのね・・・!!」

ぐきゅる~~~~~~・・・・・

「その前に・・・・腹ごしらえよ!!」

ミューゼは早足で店へ向かった。

早く何か食べないと・・・・!!!



「ふぃー・・・・疲れた・・・。」

食事を終え、部屋に戻ってきたシヴルはベッドにドサーッと倒れながら言った。

ここは宿屋のシヴルにあてられた部屋である。

部屋がちょうど一人部屋しか空いてなく、仕方なく一人ずつ部屋をあてたのだ

「ほら寝るのもいいが、これからどうするか決めるぞ。」

「へーい・・・。」

シヴルは起き上がると、リティとエンゼットの所へ向かった。

「リティ、これから先はどう行けばいいんだ?」

「えっと・・・・・。」

リティはテーブルに広げていた地図にペンを入れ始めた。

「今はここ。『遺跡村ドセルド』ですね。」

前回、ペンで囲んだところをもう一度ペンで囲む。

次に地図に描かれている山と山の間にペンを走らせた。

「そして『白い孤児院』の道の途中に、

 『アクリゼウム回廊』という大昔にできた回廊を通る必要がありますね。」

「リティがヴィアスに向かう時もここを?」

シヴルの質問にリティは頷いた。

「他の道は絶壁だったりなどで道という道がここしかないんです。

 元々『白い孤児院』も遺跡の跡地に造られたそうですし・・・。」

「なるほど・・・・。

 ?・・・リティ、ここの遺跡のような所はなんだ?」

エンゼットはドセルドにつけた印から少し離れた所にある

遺跡が描かれているような場所を指差した。

「え・・ああここは『清めの聖地セシュル』と呼ばれる遺跡ですよ。」

「・・・清めの・・・聖地・・・・。」

エンゼットはそう呟いたが、二人は気づかなかった。

「詳しいことは知りませんが、

 太古に存在した町のひと部分だと本で見たことがあります。」

「それがどうかしたのか?」

シヴルはそう聞いたが、エンゼットは何も言わない。

「・・・いや、なんでもない。ちょっと気になっただけだ。」

言ったのはただそれだけだった。

「そうか?まぁ、いいけど・・・。

 で、明日はそこの回廊を・・・・・」

「そうですね。そこを通るしか・・・・・」

シヴルとリティはまだ何か話しかけていたが、エンゼットはもう聞いていなかった。

「(清めの・・・・聖地・・・・・太古に存在した町・・・・・・・)」

そういえばこの辺りに来るのは初めてだ。

もしそこが・・・そこが私が捜し求めていた所なのだとしたら・・・・

だとしたら・・・・・・

「・・・・エンゼット?」

「?!」

名前を呼ばれ、思わず驚いてしまった。

「どうしたんだよ・・・さっきからなんか様子が・・・・。」

「いや、なんでもない、なんでも・・・・ないんだ。」

「・・・・まぁいいや。明日に備えて、今日はもう寝よう。いいよな?エンゼット。」

「あ、ああ。」

こうして話し合いは終了となり、シヴル達はそれぞれ就寝についた。


・・・・一方その頃、宿屋の別の部屋では

「ぐごーーーーーーー・・・・・」

年頃の乙女とは思えぬいびきを上げながら、ミューゼは呑気に就寝していた。

「ぐごーーーー・・・・・ぐごーーーーー・・・・・・・・・・・・・うう・・・・。」

突如、ミューゼは目覚めた。

そして辺りを見渡し、少し窓が開いていることを気づいた。

「・・・寒いと思ったら・・・窓が開いてたのか・・・もーーー・・・・。」

ぶつくさと文句を言いながらもミューゼは窓に向い、窓の取っ手に手をかけた。

「ん?」

窓を閉じようとした時に、外に人影があった。

「あれは・・・・・・。」



チュン・・・・チュン・・・・・・

小鳥のさえずりが耳の中に入ってくる・・・・もう朝か・・・。

あー・・・まだ寝みいなぁ、もう・・・・・・・。

あと五分だけ・・・・あと五分だけ・・・・・・・・・・・・。

・・・ドドドドドドドドドド!!!

何だろうこの嫌な音は・・・。

バターーーーーーーン!!!!!!!!!

シヴルの部屋のドアが吹っ飛ばんばかりの勢いで開けられた。

「シヴル!!大変です!!!エンゼットさんが!」

「過労で眠るように逝ってたか?」

「違います!こんな時に冗談はやめてください!!!

 いなくなったんです!!どこをどう探してもどこにもいないんです!!!」

「・・・・とにかく、まずは朝っぱらから大声はやめんかい。他の客の迷惑だぞ。」

「え・・・・・あ・・・・・・・。」

シヴルにそう言われ、リティの顔がみるみる赤く染まっていく。

「・・・とにかく部屋に入って、ドアを閉めなさい。

 アイツの行った場所なら、だいたい予想はついてるから。」

シヴルはそう言いながらベッドから起き上がり、靴を履き始めた。

「え・・・・知ってるんですか?エンゼットさんがどこに行ったのか・・・。」

「まぁ、少し考えればわかるさ。・・・・昨日の話し合いを思い出してみ。」

「話し合い、ですか?えっと・・・・・」

昨日の夜、『白い孤児院』への道のりを確認して、

『白い孤児院』が遺跡の跡地から造られた話をして、

エンゼットさんが地図上に描いてあった遺跡について聞いてきて、

その話をしたらエンゼットさんがなんか考え事をはじめて・・・・・・・?!

「まさか・・・?!」

「そのまさか。」

シヴルは靴を履き終えると立ちあがった

「アイツは『清めの聖地セシュル』に行ったのさ。」

「そ・・・そんな・・・・確かにセシュルは聖地と崇めれていますが・・・

 今は魔物が棲みついてるという話ですよ・・・・!?」

「遺跡だからな。当然っちゃ当然だな。」

「シヴル・・・どうしましょう。エンゼットさん一人じゃ・・・・!!」

「・・・・・『白い孤児院』に行くの、少し遅くなるぞ?」

シヴルの言葉に、リティは

「今日中に連れ戻せば・・・・大丈夫です!!それくらいならば遅れるなんて言いません!!

 それにエンゼットさんをこのまま置いて行くなんてできません!!!」

とキッパリ言い張った。

・・・・やれやれ、意外に強引なところもあるんだな。

そこまで言うのなら少なくとも俺は反論できないな。

「・・・行くとしますか!」

エンゼットが向かったという『清めの聖地セシュル』へ

「はい!」

リティはそう答えた。


「お客様、朝ですよ。」

一方、別の部屋ではいつまでもチェックアウトに来ない客を起こしに店主が来ていた。

しかし何度もノックをしても返事はない。

「・・・?・・・お客様、失礼します。」

マスターキーで鍵を開け、その部屋の中に入る。

「むぅ?」

思わず変な声を上げてしまった。

・・・確かにこれではチェックアウトに来ないはずだ。


部屋の中はもぬけの殻になっていた。

残っていたのはテーブルに乗っていた少々のチップと

その上に乗せられていたメモだけだった。

メモにはミューゼ・K・ナヴォリックという名がサインされていた。

それは確かにこの部屋に泊っていた客の名前だった。






ボンジュール、真王です。

今回また遅れてしまいました。まぁ色々あって・・・本当に申し訳ないです。

そういえば、謎の組織は第7幕以降出てきていませんが・・・そろそろ出るかもしれませんね。

本当はもうこの時点で結構出していたはずですけど・・・ストーリー構成を結構変更しながら進行してますので出番が少ないですね(汗)

まぁ、一応キャラ設定はしてますのでちゃんと出しますよ。ちゃんと(笑)

では、今回もここまで読んでくださってありがとうございました!

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