エピソード002「癒し系女王様?「ケイティ」登場」
ベテラン探偵「岡本」は、情報屋の伝手で、ピカデリー・サーカスにあるキャバクラ「キャロット・ケーキ」の「エガワ」を訪ねた。
「キャロット・ケーキ」は代々ロンドンで起こる「表に出せない揉め事の仲介」を裏の家業としているのだ。
岡本:「それじゃあ、今回の件で揉めている「組織」は無いんだな。」
エガワ:「「内臓売買」なんて話は「私の代」になってからは聞いた事が有りません。」
小柄だが、がっちりした柔道家体格に背広を着込んだ「岡本」、年相応に頭は白髪混じりになっている。
一方「エガワ」は、少し幼くさえ見える優しい顔付きに長髪、すらっとした長身に黒服を着こなし、一見すると、とても「裏家業」の人間とは思えない。
岡本:「参ったな、丸っ切り手掛かり無しで2週間か、…辛いなぁ、」
エガワ:「警察が、早々に「物件」を引き上げましたからね、でも、どうしてあんな目立つ所に「隠した」んでしょうね?」
岡本:「誰かが、ワザと見つけさせようとした事は「多分」確かなんだよ。 …と言う事は「組織」の中で何らかの対立が起きているんじゃないかと踏んだんだけどなぁ、俺の勘も鈍ったかなぁ、」
「岡本」は、内ポケットから煙草を取り出して、…
エガワ:「あ、ココ、禁煙で御願いします。」
岡本:「しゃーないな、…もう少し足で稼ぐしかないか。」
エガワ:「何しろロンドンですからね、関係しそうな「組織」の数も半端じゃないですから、虱潰しって言う訳には行かないですよ。 何でしたら、もう少し情報の有りそうな「ツテ」を紹介しましょうか?」
岡本:「助かる。」
「エガワ」は、内ポケットから名刺を取り出して、…その裏にボールペンで、ヒトの名前とポストコードを書き込んだ。
エガワ:「こちらは、別料金で、」
岡本:「今、現金の持ち合わせないんだけどな、」
エガワ:「カードなら10%増しになりますが、…一応、お店の飲食料金と言う事で、どうか少しお酒を召し上がって行って下さい。」
「エガワ」、クレジットカード決済端末に、かなりの金額を打ち込んで、…「岡本」に手渡す。
岡本:「うえっ、容赦ないな。 まあ、必要経費だけど。」
エガワ:「何分ロンドンは物価が高いもので、…恐れ入ります。」
「岡本」は「エガワ」に連れられて、VIP Roomからお店のフロアへ、幾つか並んだ「座りゴコチの良さそうなソファー」の一つに案内されて、
エガワ:「こちらで少々御待ち下さい。 何をお召し上がりになりますか?」
岡本:「ウィスキーで良いよ。」/エガワ:「畏まりました。」
ほどなく、黒服の女性がおしぼりを持って来て、
ジャックダニエルのボトルと、グラスをセットする。
黒服女性:「飲み方は、どうされますか?」
岡本:「ロックで、」
彼女が、お酒を用意する内に、二人の美女が登場した。
ケイティ:「今晩は、コチラ、宜しいですか?」
岡本:「あ、ああ、」
シイラ:「失礼します。」
上品な物腰で「岡本」の隣に腰掛ける黒髪ロングの美女 「ケイティ」、適度にむちっとした艶っぽい身体つきにスラット長い脚、目鼻立ちがはっきりして前髪パッツンにした面持ちは、何処となく古代エジプトの高貴な美女を思わせる。
もう一人は、スレンダー・グラマーな完全無欠美女「シイラ」、アップに上げた髪にモデルか女優かと見紛うばかりの美貌、現役芸能人だと言われても素直に納得してしまいそうなレベル。
ケイティ:「お名前、御伺いしても宜しいですか?」
岡本:「ああ、岡本です。 宜しく、」
(一見)大人し目で上品な振る舞いの「ケイティ」と、(一見)姉御キャラで陽気な「シイラ」、差障りの無い会話で酒は進み、、、
…結局、2時間近くを過ごして、微酔いにいい気分になった「岡本」は、タクシーに乗せられて、宿泊先のホテルへと向う。
「ケイティ」と「シイラ」は店の前迄見送りに来て、…深くお辞儀をして「お別れの挨拶のポーズ」。
それから二人は、地下のお店へ続く階段を降りて行き、
下で待っていた「エガワ」に呼び止められた。
エガワ:「何か、解りましたか?」
ケイティ:「いいえ、…尻尾を出さない、って言うよりも、本当に何も聞かされてないミタイね。」
エガワ:「そうですか、…「遺族にも公表されていない」此の事件、一体誰が、あの人をよこしたんでしょうね。 もう少し、探りを入れてみてもらえますか。」
ケイティ:「了解。」