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第7話:快適な生活を送るために


 帰り道、ウサギを数羽狩って小屋に戻った二人。時間は昼を過ぎたくらいだ。

昨日と同じようにウサギを処理し、干し肉を作ることにした。塩をまぶし枝に干す。


「荷物にまだ塩が残っててよかった。さてルーク、ゴーレムを作る前に聞いておきたいんだけど」


「ん?」


「きみには何ができるのか知っておきたいんだ。才能があるってことは、特殊なスキルとかあるはずだからね!」


「そういえばなんか紙をもらったな。あの時はそんなこと考える余裕もなかったが......」

ルークはその辺に投げ捨てていた紙を拾ってくる。


「えーと?あなたの才能......ウッドセンス、シェイプウッド、エンクレイブウッド、ハードウッド......名前が書いてあるだけで具体的なことが書いてない......」


「なるほど......。ねぇルークちょっとごめんね」

セルドはぐっとルークに顔を近づけると、額同士を合わせそのまま目を閉じる。


「セルド?何やってるんだ......?」

美少女の顔が目の前にあってルークはどぎまぎしてしまう。1分もしないくらいでセルドは顔を離した。


「全部わかったよ、君の才能。その紙貸して!書き加えてあげる!」


 ルークが紙を渡すとセルドが手書きでいろいろと書き加える。セルドは書き終えた紙をルークに渡す。

乱雑で少し読みにくいがルークはその紙を眺める。


「なるほど......。木の状態を把握できる、木工作業を完璧にこなせるようになるとかは俺も体験してるな。刻印を刻むことで強化できるってのはどういうことだ?」


「あー、それは2パターンあるんだよね。ひとつは機能を強化できる刻印っていうのがあって、その刻印によって切れ味とか強化できるの。もう一つは魔力を流しやすくする刻印を刻んで魔法で強化できるようにするパターン。でもこれは刻印を知らないと活かせないかも......」


「なるほどなー。あとは......木の性能を強化できるってなんなんだ?」


「それは文字通りだねー。木の硬度を高めるとか、耐火性を強くするとか、防水性を高めるみたいな感じ。たぶんどれか一つを付与できるんじゃないかな?加工品に効果があるかはわからないけど」


「へぇー、セルドは詳しいんだな。エルフってみんなそうなのか?」


「大体のエルフは魔術に通じてるからね、知識としてはみんなあるんじゃない?」

と言いつつちょっと誇らしげだ。


「そうなのか。こっちの加護って書いてあるやつ、ウッドギフトってのが俺がもらったやつなのはわかるけど、モリノチカラってなんだ?」


「たしか森にいるときに筋力とか足の速さとか回復力とかが上昇するやつだったかな。ウッドギフトをもらった時におまけでついてきたっぽいよ」


「そうなのか......、確かに初めて森に来た時よりは目覚めがすっきりしているような気はするが」


「とにかくルークのできることはわかったよ!まずは汎用型のゴーレムでもつくる?」


「汎用型?タイプがあるのか?」


「うん、汎用型は人型に近いゴーレムだね。どんな命令にでも対応できるやつだから便利だよ!その分頻繁な魔力補充が必要だから本当はあまり作らないんだけど......、今回は関係ないから複数作ろう!」


「じゃあ専用型ってのもあるのか?魔力がそんなにいらない的な」


「うん!ざっくり言えば一つの命令だけをひたすらこなしてくれるタイプのゴーレムだねー。こっちは人型じゃなくていいんだ!木を伐ってほしいなら斧型にして手足をつけるとか、運搬専用なら箱に車輪付きでもいいし!」


「へぇー、そういうもんなのか。知らないことが多くて、なんか楽しいな」


「あたしもきみがこういうのを否定しないから教えがいがあるよ。でもまずは木材を調達しないとだね。このままじゃ何も作れないや」


「俺は小刀があれば大体作れるし、木が多いところで作業するか?セルドが木を伐って俺がその横でゴーレムを作る感じならどうだ?」


「そうしようか!ゴーレム1体、ルークなら木2本で作れると思うから。2体いればかなり便利だと思うよ。1体目の作り方は横で教えてあげる。その後あたしは木材と食料を補充する!3日分くらい確保出来たらいいよねー」


「よし、さっそくとりかかるか!あ、でもご飯食べなくて平気か?」


「確かにタンパク質は摂取したいけど、それで君に迷惑かけられないからねー。暗くなる前にゴーレムづくりと資材の補充!これが今日の目標だよ!」


「了解、じゃあやりますか」


 二人は木斧や小刀などの必要な装備を整え、少し離れた林へ向かう。ピールナとウーギーももちろん一緒についてくる。目的地に着いた一行はサクサクとまずは4本の木を切り倒す。


「うーん、2人とは言え木を伐るのに時間がかからないのは楽だけど恐ろしいねー」


「俺は才能頼りでやってるから普通がどのくらいなのかわからんが、確かにもっと時間がかかるイメージはあるな」


「まあいいや、早くて困ることはないし!じゃあゴーレムの作り方を教えるね」


 セルドは紙を取り出し絵を描きながら説明する。お世辞にも絵は上手とは言えないが説明自体は非常に分かりやすく、ルークの才能込みで淀みなく説明が終わる。


「なるほど、肘や膝の部分は樹皮を使って少し隙間を作って再現するのか。樹脂で接着させるのは意味があるのか?」


「基本的に金属には魔法を流しにくいんだよ。釘とかの金属部分で魔力が滞ったりねー。樹脂ならその辺が解決されるって感じ!」


「じゃあ魔法剣とか鉄剣の強化魔法ってどうなってるんだ?」


「魔法剣は魔力を含んだ鉱石を混ぜて作ってる、金属の剣強化は才能便りの面が大きいかな。あとは天才鍛冶師が工夫を凝らしているかだね」


 二人は互いの知識を交換しながら作業を進める。このゴーレムづくりが彼らの生活をどう変えてくれるのか、ルークは期待を胸に作業に取り掛かるのだった。












毎週水曜日と土曜日に投稿しています。

1月の更新は1日2話投稿の予定です。

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