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第12話:農業を始める!


 4人は森の奥に到着する。二体のゴーレムは家を完成させてくれていた。しかも後片付けまで終わらせ、ついでに薪や角材の補充もしてくれていた。なんて便利なんだ。

ウーギーとピールナは知らない二人が来たことにやや警戒しているようだ。


「ただいま!この人達は新しい仲間だから大丈夫だよ」

セルドがピールナたちを撫でまわす。2匹とも嬉しそうだ。


「えっ、生きた木の鳥と犬......?とゴーレム?」

ファムが呆然としている。まあ信じられないよな。


「うーん、この辺の土は悪くないな。充分作物が育つだろう」

フィルドは早速周囲の土質を確かめている。心強いセリフだ。



「ねぇ、改めて自己紹介しない?人間とハーフリングの夫婦なんて珍しいよね」

その一言にフィルドとファムがハッとした顔でセルドの方を向く。ルークもセルドとファムたちの方を交互に見る。


「なんでわかったの?あなた何者?」

ファムが明らかに警戒している。


「ごめんね?あたしもエルフだからその辺敏感なの」

そういってセルドが軽く光る。姿をごまかす魔法を解いたようだ。


「うわっ、エルフだ!筋肉ムキムキだ!」

フィルドが驚く。


「なんだ、お仲間か!じゃあバレても仕方ないわね」

ファムは安心したように微笑む。


「ふふ、ルークさんは置いてけぼりかしら?じゃあ自己紹介が必要ね!改めまして、ファム・テラグレンよ。ハーフリング族の生まれでエルフとはそれなりに友好関係にあるわ」


「フィルド・テラグレンだ。俺は人間だ。ついでに俺の才能は畑起こしと肥料づくり、ファムは種まきと収穫だな」


「セルドです!みたとおり、筋肉ムキムキのエルフです!狩りとか得意だからその辺は任せてね!」


「カーウェン・ランドルークです。才能は、木こりとか木工とか......です」

その時フィルドの眉が少し動いた気がするが、気にしないでおこう。


「で、こっちの小鳥がピールナちゃんで犬がウーギーちゃん!木製だけど本物みたいに動くんだよ!あっちのゴーレムたちもお手伝いしてくれるから!」


「いや、驚いたよ。やっぱり木でできているんだよな......どういう仕組みだ?」

フィルドは間近でじっくりと観察している。


「それより、一旦荷物を置かない?あの家、ゴーレムたちが作っておいてくれたんだー」

セルドが新しい家を指さす。4人は家の中に入ってみる。


 設計図通りに仕上がっている。家具なんかは後々作るとしてもとりあえず寝泊りには充分だろう。

ボロ小屋は倉庫として活用しよう。4人はそれぞれの部屋に個人の荷物を置く。とりあえず全員個室だ。


「いやあ、まさか森の中でこんな立派な家に住めるなんてな!家から寝袋持ってきたが使わなくて済みそうだ!」

フィルドが笑いながら荷物を整理する。ルークも少し手伝う。どうやら住んでた家を引き払って荷物をすべて積んできたらしい。やっぱり気が早すぎるし行動も早すぎる。


一方でセルドとファムの方はーー

「私はハーフリングでありながら人間と変わらない身長だから、異端なのよねー。仲良くしてくれる?」

「もちろん!むしろ心強いよ!あたしは人間好きのエルフってことで異端児だし、変わり者同士だねー」


 などと楽しそうに会話しているが、次の一言で空気が一瞬冷える。

「ねえ、セルドちゃん。あなたって、ルミナの生まれ?」

「そうだけど、だとしたら、何?」セルドが真剣な顔で尋ねる。

「ううん、あなたの噂を聞いたことがあるの。でもそれだけ。個人的には友達になりたいわ」


セルドはいつもの笑顔に戻る。

「なんだ、じゃあ友達!似た者同士の友達ってところで!」


ーーー


「さてさて、まだ昼前だし畑を耕すとしますかね!ルーク!このクワ借りるぜ!」

荷物を整理している間に切り株や石の除去と穴埋めをゴーレムたちにお願いしてみたら、ものの見事に成し遂げてくれたのでそれなりに広い土地を畑に使えるようになった。


「お、この木のクワ軽くていいな。ルークのお手製だというが、耐久性が俺の才能に耐えれるかは不安だな!よいしょっ!」

そのひと振りは3m先まで土を掘り起こす。


「おー、すごい!やっぱり才能ってすごいんだねぇ!」

セルドとルークはのんきに拍手する。しかしフィルドとファムはあっけにとられた顔をしている。


「いや、いやいや......。いやいやいやいや!おかしいって!」


「おかしいって、何が?」


「確かに俺の才能なら高効率で土を掘り起こせるけどよ!なんか3倍くらいすごいことになってる!」

「そうね!しかも見て!クワが壊れてないの!」


 フィルドとファムが早口でいろいろまくし立てている。二人は興奮すると早口で話す癖があるようだ。

どうやらフィルドの才能に農具が耐えきれず壊れてしまうことが多々あったらしい。


「なんでだ!?よくわからんが......。まあいい、早く終わるに越したことはないし面白れぇ!」

そういってあっという間にそれなりに大きい土地の耕しが終わった。


「いやあ、これすごいな!あっという間に終わっちまった!しかも壊れない、最高だな」

フィルドはすっかりクワが気に入ってしまったようだ。


「ねえルークさん、他にもお願いしたら農具を作ってくれるのかしら?もちろん対価はお支払するわ」


「ええ、もちろん。対価は、おいしい野菜でもお願いしますかね」

そういってルークは笑う。


「ありがとう、任せてちょうだい!作ってほしいのは、バケツと鎌、収穫用の籠かしら。じょうろもあると助かるのだけど」


「俺は堆肥を作る桶とか欲しいな!」


「わかりました、さっそくとりかかるとしますかね」

「あたしも手伝うよ!」


 こうして新たな仲間を迎え入れたルークとセルドは期待を胸に作業に取り掛かる。




































本日18時にもう一本投稿予定です。

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