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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

蜘蛛

作者: 公爵蜘蛛

 蜘蛛。その正体は、虫の身でありながら自らの力で創り出した『糸』を使って家を作ったり、狩りをする知恵者である。

 狩る対象は主に小さな虫であり、家を使ったスマートな狩りを行う。しかし、時には頑張って創り出した住まいをニンゲンの子供に破壊されてしまうことがあるのだ。


 何時だってニンゲンは自分たちこそが蹂躙する側だと主張し譲らない。それが、過ちとも知らずに…





「ねぇ、最近この辺りで行方不明になる人が多発してる事件って知ってる?」


 何処かのカップルがそんな事を話していたのが、今更になって何故か頭から離れない。所詮はただの与太話。そんな風に考えていた、その時の私をぶん殴ってやりたくなる。


 ああ、ダメだ。アレはこの世の生き物じゃない。映画でしか見た事がないような化け物。


 カサカサカサカサ……


 !? 来る。逃げないと……


 真夜中の街で、私はその化け物の特徴とも言える足音を聞きつけ、すぐにその場から走り去る。辛いことに、家は今いる場所からかなり遠い。それでも、私は行わなければならない。


 走っている最中、私の頭に後悔の念が押し寄せる。もっと危険に敏感になっていれば、もっと素直な性格だったら、こんな夜更けに出歩かなければ…


 そんな感じに思考に囚われていたのが良くなかったのだろう。私は周りの注意を怠り――愚か者を捕まえる為の網状の罠に囚われてしまうことになった。

 糸は見事に私に絡みつき、まともに動くことすらままならない。


 逃げられない恐怖から、思考がトリップする。


 嫌だ。アイツがくる。離れる?離れられない。死ぬの?死にたくない。逃げる?逃げられない。嫌だ嫌だイヤだイヤだイヤだイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ!!!


 カサカサカサカサ……


 徐々に足音が近付いてくる。しかし、その足取りは先程までとは打って変わって遅い。


 疲れたのか?いや、違う。アイツは遊んでいるだけだ。捕まってしまった事で恐怖を味わう私で。足音が近付いてくる恐怖。恐ろしくてとても耐えられない。例え、それがアイツの思う壷だったとしても。


 しかし、そうして遊ぶ様子はまるで……人間の子供が虫を大きなもので追いやったり、足をもぎとる様のようだ。


 そんな事を最期に考えた瞬間、大きな()()の口が私に迫り……私の記憶は途絶えた。




 その後も、犠牲者の増加は留まる所を知らない。被害は全国規模へ広がって行く事になった……そう、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のだ。

 何故ならこれは()()()()()()()()()()()()()なのだから……





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