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僕の見た夢

作者: 唯原昇真

今日は凄い夢を見た。

余命1週間?10日?位の病気にかかってなんかいろいろする夢。

それだけならまあ普通の夢なのかもしんないけど、自分的に驚きだったのは、夢の中の自分がまだ死にたくないってボロボロボロボロ泣いてたこと。お母さんがとても気丈に振る舞ってたこと。あんだけいつ死んでもいいやって思ってたのにいざ逃れられない死が目の前に迫ってくるとあんなにも怖いんだなって思った。

毎日自分の死について考えてた。

死にたくなくて色んな事をやってた。

僕は今日、夢の中だけどほんとに死ぬ気で何かを成そうとする自分と出会った。

文字通り必死だった。死にたくないって恐怖と常に戦いながら、いつでも泣きそうになる弱気な自分と戦いながら、全力で生きようとしてた。

僕は今まであそこまで本気になって人生を生きようとしたことは無かったかもしれない。僕の人生は嘘塗れだ。いつだって僕は自分は頑張ってるって嘘をついて生きてきた。だからこそこんな人生に価値なんて無くて、僕みたいな無価値な人生を送っている人間はいざ死が目の前にやってきたって平気な顔して死ぬまで過ごすものだと思っていた。それは違った。やっぱり死は怖い。とても怖かった。夢とは思えないほど感情が鮮明に感じられた。心の底から死にたくない、どうして俺なんだ、お母さんごめんなさい、保険金はいくらかな、死なないように全力で何かを成そう。いろいろ考えた。夢の中で懸命に死と戦い、何かを成そうとする姿はいつもの僕よりも少しだけ積極的で少しだけ素敵で、少しだけ誇らしかった。全力で生きると言うのはとても楽しい事なのかもしれない。

今まで僕は全力で生きることが出来ていなかった。いつも甘えて甘えて、怠惰な生活を送っていた。でもこれが僕の人生で、こう言う生き方が自分の生き方なのだとどこか諦観していた。

違う。

僕はいつも心の底で自分はもっとやれる奴だと思っている。やればできるのに本気を出していないだけだと。それでもやらないのはやはり自分を信じ切れなかったからだとおもう。努力したところで報われない。自分という人間は頑張った所で結局何も残すことは出来ない。そう思っていた。

でも、それは違うんだ。

本当に死ぬ気になったのならなんだって出来る。死が間近に迫っている恐怖と戦う勇気さえあれば、どんなことにだってチャレンジ出来る。

今日の気持ちだけは忘れたくない。いつもならすぐに忘れてしまいそうになるけれど、今日だけは、この感情を大事にしたい。たった3時間の睡眠なのに一生分の夢を見た気がする。それくらい濃密な時間を夢の中の僕は過ごしてた。必死に楽しい事を探してた。僕は彼を見習いたい。彼のように全力で生きたい。彼は僕と同じ姿、形をしていた。ならきっと僕にだって出来るだろう。だってきっと彼は僕なのだから。彼の気持ちはとても僕に似ていた。夢の中とはとても思えないほどに。今日夢の中に出て来てくれた彼のことを決して忘れないようにしてこれから生きていこうと思う。彼に感謝しよう。僕の夢の中に現れてくれてありがとう。僕の人生を変える手助けをしてくれてありがとう。僕頑張るから。これからも僕が腑抜けた生活を送ろうとしていたらたまにでもいいから尻を叩いてやってくれ。ありがとう。

今日から、今から僕の人生を全力で頑張るよ。

それじゃあ、いってくるね。さよなら。

又会おうね。すぐに迎えに行くから。

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