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第35話「荒野の恋する少女」

(かなり長いです)


「飽きた」


 俺は自室でハッグにカツサンドを売った後、そう宣言した。


「なにがじゃ?」

「食いもんに決まってるだろ、朝食なら似たようなもんでいいが、夕飯くらいはまともに食いてえ」

「おぬし商会で昼飯を食わせてもらっているんじゃろ?」

「ああ、この国の食事がわかって助かるし、味も悪くないんだが、それでもやっぱり違うんだよ。俺は米の飯と出来立てのおかずが食いたい」

「米か。能力で取り出すのか?」

「ああ、これから試してみる。全部揃うようだったら、俺は夕飯だけでも自炊するつもりだ」

「ほう、男のくせに料理が出来るのか、料理屋の生まれだったのか? いや、どこかに務めていると聞いた覚えがあるのじゃが」


 ハッグが顎髭をいじる。


「一人暮らしなら料理くらいするだろ? 外食より少しは安くすむ」

「どうじゃろう、そもそも一人暮らしというのをあまり聞かん。普通は親兄弟と暮らすのが普通じゃろ?」

「……ああ、なるほど、それは思いつかなかった」


 アパートで一人暮らしが出来るなんてのは核家族化と資本主義経済が進んでしまっている状態でもなければ起きないのかもしれないな。男女差別とかではなく、文化として主婦が料理担当というのが、こちらの普通なのだろう。


「まあ俺はずっと一人暮らしだったからな。簡単(・・)な料理ならできるぞ。釣り好きの上司に無理やり同行させられたから魚も捌けるしな」

「ほう。魚なら手に入りやすいじゃろ。なんといってもここは港じゃ」


 新鮮な魚が食えると思ったのかハッグがちょいと乗り気だ。奢るつもりは無いぞハッグ。


「小売はしないと言っていたが、チェリナ……お嬢様にどこか新鮮な魚を売る店を聞いてみるか」


 まあ、俺が今日食いたいのは魚じゃないんだけどな。昼も魚だったし。


「ワシが普段食う魚といえば塩漬けが普通じゃな」

「へえ、塩漬けはあるんだな」

「うむ。魚を食ってるんだか塩を食ってるんだかわからんシロモノじゃがの」

「ま、今は魚より肉だな」


 毎日目の前でカツサンドを食われていると、揚げたてのトンカツが食いたくてしょうがなくなるのだ。トンカツ弁当も十分に美味いのではあるが、やはり揚げたてには届かない。

 なので揃えるべきは……


【米(5kg)=1872円】

【ロース豚肉(200g)=520円】

【塩(1kg)=399円】

【胡椒(100g)=720円】

【薄力粉(1kg)=398円】

【卵(10個)=298円】

【パン粉(100g)=95円】

【サラダ油(1300g)=295円】

【トンカツソース=276円】

【キャベツ=250円】

【レモン=72円】

【フライパン=3900円】

【圧力鍋=4800円】

【菜箸=389円】

【まな板=1050円】

【バケツ=560円】

【包丁=3200円】

【箸=630円】

【茶碗=988円】


 よしっ!

 全て承認された!


 テンプラ鍋でなくフライパンなのは、俺が日本で作っていた時にフライパンを使っていたからだ。たっぷりの油を使ったほうが美味いのだろうが貧乏性なのだ。

 上記の新規全ての他に買うものは……水か。

 全部で2万0713円。


 残金92万9932円。


 狭い室内で油を使うことに少し躊躇(ちゅうちょ)したが、食欲のほうが勝った。

 まず最初に米である。

 俺は米を炊く時に炊飯器を使わない。必ず圧力鍋を使う。

 めちゃくちゃ高い炊飯器は知らないが、普通に売られている炊飯器より圧力鍋で作ったほうがはるかに美味いのだ。ぜひ皆さまにも試して欲しい。さらに圧力鍋を使うと速い。とにかく炊けるまでが速いのだ。

 米は面倒なので洗わずに使うことにした。狭い宿の部屋だしな……。


 テストの意味もあるので1合分の米と水を入れて、カセットコンロで強火にかける。すぐに沸騰するので今度は弱火で5分。火を消して10分蒸らせば完成である。

 ハッグは圧力鍋に興味を示したが、ジャマをするなと突っぱねておいた。


 次はまな板とキャベツである。

 俺は慣れた手つきでキャベツを千切りにして、はたと気づく。ボールがない。かなり考えて必要な物を買ったつもりだったので何か悔しい。


「あー、そうだハッグ。店の人間に皿を3枚ほど借りてきてくれよ。一つは大きめがいいな」

「ふむ? まあええじゃろ」


 ハッグが立ち上がったので埃がつかないように椅子の上を作業台と決めてとっととキャベツの千切りを作っておく。バケツも買ったから水に晒しておいても良いのだが、別に俺はキャベツの歯ごたえにそこまで情熱を燃やしていない。単純に面倒なだけとは決して言わない。

 レモンも切っておこう。大分余るが……まぁこればっかりはしょうがない。


「お兄ちゃん料理してるんだって?」


 おおう、とうとうお客さんからお兄ちゃんに格下げかよ。いやすでに何度か呼ばれたっけ?

 ちょいと記憶が怪しいが、部屋に入ってきたのはこの宿の看板娘であるナルニアだ。御歳(おんとし)12才の少女であるが、すでに店の戦力としてしっかりと活躍している働く女性である。


「わざわざ来たのかよ……」

「男の人が料理するなんて気になるじゃん」

「向かいの料理屋だって男だろ」

「料理屋さんは別だよ」


 やっぱり料理屋以外で男が料理をするのは普通ではないらしい。


「まあいいか、悪いが皿を貸してくれ」

「持ってきたよ」


 俺に素焼きの陶器を渡してくれるのはいいが出て行く気配はない。俺はため息をついてキャベツを皿に移す。


「おおー。凄い! 細かいね!」


 このくらい誰でやるだろ。


「それにこの野菜、凄く新鮮だ。ヴェリエーロ商会で買ったの?」

「まあ、そんなようなもんだ」


 そういやハッグだけじゃないから、コンテナから直接取り出せないな、いちいち袋を経由しないとダメじゃないか、面倒な。


「えーと、次は……」


 肉だな。魅惑の豚ロース。200gは結構大きいな。

 まな板で筋に包丁を入れて塩コショウ、薄力粉をまぶして……おっと皿に卵を溶かないと。

 慣れない環境でちょいと手際が悪い。

 卵を絡めてパン粉をまぶす。

 それをまな板で準備して、ガスコンロとフライパンを取り出した。先に油を温めておけばよかったが後悔先に立たずである。カセットガスコンロに火を入れてちょいと休憩。


「ええ、お兄ちゃんなにこれ! 空理具(くうりぐ)?」

「あー、ヴェリエーロに売り込もうとした試作品だ。だが量産が難しいって事でボツになった」


 さらっと嘘をつく。


「そうなんだ。すごく便利そうなんだけど」

「すっっっっっごく高いぞ」

「え?! ならいらない」


 少女は現金であった。

 フライパンにパン粉を落として油が適温なのを確認すると、俺は豚肉をその上にそっと落とす。

 ぐつぐつともぱちぱちともつかない懐かしい音だ。

 揚げ物は簡単だったので俺はよく作っていた。


 面倒なときは下味不要の唐揚げ粉を使っていた。鶏肉だけじゃなくピーマンなんかもこの粉で揚げていた。結構美味いのだ。懐かしい。今度やろう。

 じうじうとパン粉がゆっくりと色づき始めるとナルニアもハッグも食い入るように近寄ってきた。


「危ないぞ、油は凄く熱いんだ、跳ねるし火傷じゃ済まない」


 ナルニアはそれでちょっと下がったが、無意識に徐々に近寄ってくるので俺は片手で時々押し返した。ドワーフのおっさんは放置だな。ってか油が顔に飛んでる気がするんだが熱くないんだろうか。ほっとこうと思ったが邪魔なのでお下がりください。

 全体が黄金(こがね)色に花開いたので俺は菜箸で引き上げる。しまった金属網を用意するのを忘れていた。今更承認させるのも面倒だったので、そのまましばらく空中で留めることにした。


「おいっ! アキラ!」

「ぅおうっ! なんだよ急に! 危ないな!」


 思わずカツを落としそうになったがなんとかこらえる。火は止めたがまだ油は熱いのだ。


「お前はなぜそこで見せびらかすんじゃ! はやく皿に乗せるがええ!」


 怒られた意味がわからない。


「油を切ってるんだよ……。それに余熱で少し置くことで肉にちゃんと火が通るんだ」


 まぁ通りすぎて固くなるのは勘弁だがな。


「ぬ、そうなのか。わかった好きにせい」


 なんでハッグが偉そうなのさ。まあどうでもいいが。


「……よし、こんなもんか。よっと」


 まな板に載せてざくざくと包丁で6切れに分ける。そのまま包丁の腹に乗せてお皿へGOである。

 刻んだキャベツとレモンを添えて……出来上がり!

 俺は揉み手をしながらご飯を茶碗によそる。味見に一口。うん美味い。よく炊けている。

 まずはレモンを絞って肉とキャベツにかける。俺はキャベツにもレモン汁をかけるのが好きなのだ。

 さらに取り出したとんかつソースをダバダバと下品にかける。やっぱりトンカツにはソースだな! 醤油は邪道だ!


 茶碗を左手にカツを一切れ箸でつまむ。ゆっくりと口に運ぶと、ざくりと噛みしめる。

 ロース特有の油がジュワリをにじみ出て、肉の旨味と渾然一体となって口内に広がった。

 熱々で火傷しそうになるがすぐに白米を追加して一緒に噛み砕くとそこでようやくトンカツが完成するのだ。


 ああ、至福である。


 味噌汁を用意しなかったのは手落ちだったなと、3切れ目あたりで反省したのだが、その時にようやく目の前の2つの顔に気がついた。

 二人共たらりとヨダレを垂らして魂が抜けたようにカツの行方を目で追っているのだ。

 試しに一切れ箸で掴んで上下させたら二人の首も上下に揺れた。ちょっと面白い。

 ハッグはどうでもいいがナルニアは可哀想だな。


「そうだナルニア、ちょっと味見してくれるか? この国の人間の舌に合うか確認したい」

「! もももももちろん!」

「なんじゃと!? ワシは! ワシの分は?!」

「おっさん……大人だろ、ちと黙ってなさい」

「ぬぐぁあああ!」


 七転八倒するハッグは無視して、端の小さな奴をナルニアの口に放り込んでやった。もう火傷するほど熱くはないだろう。小さいのを選んだのは彼女の口に合わないことを考えてだ。けっして俺がケチだからではない。それに端っこの奴ってカリカリしてて美味しいだろ?


「熱いから気をつけろよ。まずかったら吐き出して構わないからな」

「もぐ……もぐ……うんんん?! はふ! な、なにこれ!」


 最初は恐恐と、そしてすぐに激しく咀嚼して飲み込んで叫んだ。


「こ、こんな美味しいもの食べたことない! なにこれ! なにこれ!!」

「ええい。夜に叫ぶな」


 早い人は寝ている時間である。宿の従業員が叫んでどうする。


「だって! こんな! 嘘みたい! こんなご馳走食べたこと無い!」

「えええい! アキラ! ワシにも! ワシにもよこさんか!」

「さっき散々カツサンドを食べたじゃねーか。同じカツだよ」

「違うぞ! それは! 間違いなく別物じゃ! でなければこれだけの手間をかけてお前さんがわざわざ作るとは思えんわ!」


 畜生、筋肉ダルマの割に鋭いじゃねーか。


「あー、気のせいだろう。だがこの土地の人間も美味いと思うんだな」

「お肉が美味しい、柔らかくて味がいっぱいなの。それにこんなに油のあるお肉を見たことがないし、普通はもっと固くて筋っぽいよね。それとこのソース! これが凄いの! 甘くてしょっぱくて! 最初は黒くてびっくりしたけどお兄ちゃんが美味しそうに食べてるから気にならなくなって、実際食べたら天国に行っちゃうほど美味しいんだもん! お兄ちゃん何者なの? 元宮廷料理人だったとか?」


 ナルニアが一気に捲し立てる。


「いやいや、一人暮らししてただけだって。ソースじゃなくて塩でも結構うまいぞ」

「食べてみたい!」

「……あー、もう全部ソースかけちまった」

「はううう……」


 余計なこと言ったな。


「解決策があるぞ!」


 ハッグが割り込んできた。


「うぉう。なんだよ」

「もうひと……二つ作ればいいのじゃ!」

「便乗する気満々かよ?!」

「ええい! こんな生殺し状態我慢できるか! 作れ! 作るんじゃ!」


 本当に余計なこと言ったわ!


「くそっ! ハッグが金出せよ! 二人分で2000円で作ってやる!」

「商談成立じゃ! 商人なら契約は必ず果たすのじゃ!」

「へいへい……」


 ため息混じりに返事をした時。


【神格レベルが7に上がりました】

【コンテナ容量が40個になりました】


 不意打ちされた。マジか。


「おおう……」

「どうした? はやく作るのじゃ」

「あ、ああわかってる」


 ここで上がる意味がわからないが、まあいいか。今までの分が貯金になってたのかもしれんし。

 しかし法則がまったくわからんな……。


 疑問に思いつつもまずはご飯を炊く。残っていた分は俺の茶碗に山盛りにしておいた。

 バケツに水を溜めてあるので一通りまな板や包丁を洗っていると、ナルニアが皿を沢山持ってきてくれた。彼女の瞳がトンカツになっていた。

 恋する少女が目の中にハートを飛ばすのではなく、食欲少女が瞳にトンカツを浮かべているのである。どんだけだよ。

 ナルニアに手伝ってもらいつつ今度は少し手際よく準備した。

 ハッグが限界だったので先に出してやった。


「むほおおおおおお! こっ! これは! 神じゃ……ここに神が降臨されておるぅううううう!」


 だから叫ぶなって。クレームがくるだろ。

 扉がノックされた。


「……開ける」


 俺達の返答を待たずに部屋に入ってきたのはインディアン装束のエルフ、ヤラライであった。


「アキラ?」

「おおう、すまん。うるさかっただろ」

「少し。何かあったか?」


 ヤラライはドワーフのハッグに視線を移すが俺がいたからか喧嘩を売る様子はない。ハッグも横を向いてカツを放り込む。


「ふん。美味い飯が一気に普通の飯になったわ」


 そこは普通まずい飯ってならんか?


「食事?」


 俺はふたつ目のカツを揚げながら答える。


「ああ、ちと故郷の食い物を作りたくなってな。金を出すなら作ってやるぞ」

「……興味、ある。頼む」


 残金93万1372円。

 このエルフさんは肉でも野菜でも何でも食う事は、飲み屋で確認済みだ。


「カツ定いっちょ入りまーす!」


 ヤケクソだった。


――――


 一人用の部屋に4人存在すると、それはもう窮屈だ。


 しかもその状態で料理までしているとなったら、ベッドの上まで利用してギリギリである。


「ハッグ、こぼすなよ」


 横幅のあるハッグはヤラライが入ってきた時点でベッドの上に移動した。トンカツの乗った皿を持って。

 どこから出したのかマイフォークでトンカツを頬張っている。ご飯は食べずに酒で胃袋に流し込んでいた。この辺はやっぱりドワーフという生き物なのだろう。

 おかげでヤラライのご飯を追加で炊かないですんだのでキャベツの用意と、トンカツだけ揚げてやった。

 ムダになると思っていたレモンも使い切りそうだ。


「手際、良い」

「ありがとよ、ヤラライは料理しないのか?」

「野営で、する」


 ああ、なるほど。


「どんなものを作るんだ?」

「野草あれば、スープ。獣いれば、肉、焼く」

「へえ、俺は獣なんて捌けねぇよ。凄いな」

「そうでもない。エルフ、皆できる」


 なかなか興味深い話だ。ドワーフは街でも時々見かけるがエルフはヤラライ以外まったく見ないからな。レアなんだろう。


「……っと、完成だ。まずくても文句はいうなよ?」

「問題ない、いただく」


 彼もどこからともなくマイフォークを取り出した。酒場で料理を出された時にスプーン一つ出してもらえなかったが、もしかしたらフォークやスプーンは自分で持ち込むのがこの世界の常識なのかもしれない。昨日なんて普通に手づかみで食べてたしな。


「……! ……アキラ」


 少し怖い顔でヤラライがこちらを向く。


「な、なんだ? エルフの口には合わなかったか?」


 彼は首を横に振る。


「アキラに、感謝。俺、こんな美味い飯、初めて。心から、感謝」

「お、おう」


 なんか目元に涙が滲んでないか?

 いや、気のせいだ。絶対に気のせいだと思いたい。マッチョエルフの涙とかいらんわ。


「まあ口に合ったのなら何よりだ」


 それ以降は味わうことに集中したいのか、一口一口無言で噛みしめては涙をこらえていた。勘弁してくれ。

 ちなみにナルニアはひたすら「美味しい! 美味しいよ! 止まらないよ!」と繰り返してとろける表情でご飯と一緒にかきこんでいた。口が小さいので見た目よりペースは遅いが。

 3人が食べ終わるのを確認して、借りていた皿を洗おうとしたら、ナルニアがやってくれるという。最初は遠慮したのだが、ご馳走のお礼というので好意に甘える事にした。皿だけでなくフライパンやらまな板やら結局全てを洗うと言ってハッグと一緒にどこかに運んでいった。どうして二人かといえば、俺がヤラライに話があるからと残ってもらったのだ。


「なあ、理術ってどういうものなんだ?」

「……説明……むずかしい」


 おおう。


「うーん。そうだな空理具(くうりぐ)がどのようなエネルギーで動いてるとかそういうのでもいいんだ」

「エネルギー?」


 あれ? 通じない?

 チェリナには通じていた気がするが、勘違いだったか?


「うーん。空理具(くうりぐ)がどういう力で動いているのかって事だ」

「生物の、理力」

「理力ってなに?」

「ことわりの力」


 わーお、全然わからん。


「ことわりって……」

「……それは……学者、研究者に聞け」


 マジか。


「……娘なら、知ってる、だが、いない」

「娘がいるのか?」

「いる。だが、緑園之庭(りょくえんのにわ)


 緑園之庭がわからん。


「遠くだ」


 まあ会えないってわかれば十分だな。


「そうか、しゃーない誰か別の奴に聞いてみる」

「すまん、理術系は、苦手」

「いや、十分だ。ありがとう」

「では、寝る」

「ああ、おやすみ」


 残念だが理術の事はまったくわからなかったな。ただ「生命の」とつけていたので外からエネルギーを持ってきている訳ではないらしい。確定ではないが。

 しばらくするとナルニアが道具を洗って持ってきてくれたので礼を言っておく。

 彼女が部屋から出てからまた飴玉を渡すのを忘れていた事に気がついた。

 若年性健忘症じゃなかろーな。


 寝る前の神さまへの報告。

 トンカツは世界共通で美味しいようです。

 おやすみなさい。


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