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幕間「トゥエルブ=127=セブン」

長いです。

普段の2.5倍はあります(´д`)


幕間「トゥエルブ=127=セブン」


 私は教会の孤児院に、赤子の時に預けられたらしい。


 らしいというのは、小さすぎて記憶が無いからだ。

 どんな理由でか、貧困を極めていたという両親は、アイガス教の運営する孤児院に、私を預けるという名目で……捨てていったのだ。


 その後、両親がどうなったかは知らない。

 特に知ろうとも思わなかった。


 私はすぐに、アイガス教の総本山が直接運営する、特別な孤児院に移された。

 ここは、捨て子ではなく、親がその意思で子供を預けたと判断された子供のみを集めた孤児院だった。


 他の孤児院と違い、ここでは徹底的に、子供を鍛え上げていた。

 もしかしたら教会側も、親の同意を得ているという免罪符が欲しかったのかも知れない。


 理由はどうでもいいでしょう。

 私たちは、体術、学問、神学、薬学、情報学、空想理術と、大変に高度な教育を受けさせられた。

 厳しいそれらの時間は、私たちを、強く育ててくれた。


 もともとこの孤児院は少数しかいない。一緒に学んだ人間は10人もいなかったほどだ。

 それに対して教師となる人間は常時20人以上いたほどだ。


 全員が空想理術を使いこなすようになったころ、12歳の時だった。

 いつものように、大地母神アイガス様に深い祈りを捧げていた時だった。


 突然。

 私の身体から、淡い光の粒子が溢れてきたのは。


 私以上に驚愕する、神官たち。

 彼らはその驚きが収まったら、笑顔になって私の回りに集まってきた。


「おめでとう。君は今日から、神威法術の使い手だ」


 教会の奇蹟、神威法術。

 空想理術使いが、ある日突然、その力と引き換えに得る、神の御業。

 私は神の奇跡の代行者となったのだ。


 それが、普通の、孤児院であったらだ。


 ◆


「トゥエルブ・セブン。今日から君の名だ」

「教会の古い言語で127という意味ですね」

「そうだ。さすがに優秀だな」


 目の前の人物は「イレブン=111=ワン」と名乗った。

 年齢は30後半から40前半の間だろう。

 私との差が16しか無い事を考えると、この部署(・・)がいかに少数で運営されているかがわかる。


 自慢するわけでは無いが、私は相当に優秀な部類に入ると思う。

 そういう人間だけを集めようと思ったら、それは少数になるだろう。


「君の教会に対する忠誠心は本物だ。だから以降隠し事はしない。この部署は教会の暗部、神に全てを捧げるが故に神の教えに反する外道の部署だ。何か質問は?」

「ありません」


 それは半ば予想していたことだった。

 孤児院での教育は、本来表に出てはいけない、教会の内部情報までをも含んでいたからだ。

 アイガス教は立派な宗教だ。

 その99.9999%は善意で出来ているだろう。

 しかし、世界三大宗教にまでなってしまえば、どうしてもそれだけでは成り立たなくなってしまう。

 神の教えのために、神の教えに反する……まさかこれほどハッキリと宣言してもらえるとは思わなかった。


 私は嬉しかった。

 それを教えてくれるという事は、私を信用してくれているということだから。

 真実も知らずに使い潰される訳じゃないからだ。


 私は神を信じる。

 神はいる。間違い無く。

 それは神威法術を得たから確信したわけではない。親に見捨てられても、私はちゃんと生きていたから。

 厳しくも充実した毎日を送れたから。きっと空を見上げれば神はいるのだ。


 私は喜んで、神のために、汚れてみせると。


 ◆


 その部署は表向き「救援科」という名前が付いていた。

 各地の教会が困っていたら、即座に応援しにいく部署という位置づけだ。

 しかし、その内情は、監査であったり、スパイ活動であったり、場合によっては殺しのためという事もあった。


 もちろん、アイガス教は理性のある宗教だ。

 自分たちに都合が悪いから、誰かを消すなどという事は無い。

 どちらかというと、その国の法律で裁けない悪を、秘密裏に処理する……といった場合がほとんどだ。


 そしてその救援科から派遣される神官を、教会の人間たちは畏怖の念を込めて「ナンバーズ」と呼んでいた。


 ◆


 何年もの実績を積み上げた私は、暑い国へと派遣されることになった。

 遙か西にある、荒野の国だ。


 その国の神官長は四角い顔をしていた。小物臭が凄かった。

 なるほど、これは内部腐敗の臭いがする。

 私の経験から直感した。

 アイガス教を穢すような真似を、私は許さない。


「私はウメサ・クラだ。救援科より密書が届いている。極秘裏に協力するようにと」

「はい。全てにおいて私への支援が優先されます。神官長であればご存じと思いますが」

「ぐ……ナンバーズ風情が……」

「何か?」

「何でもない! それより私は名乗ったのだ! 貴様も顔を見せて(・・・・・)名前くらい言えんのか!?」

「今はまだ名前はありませんから。本部よりここでの(・・・・)身分が届きましたら、改めて自己紹介させていただきます」

「ぐっ……ぬ! ええい! 好きにしろ!」

「もちろんです。これ以降、接触は最小限にいたします」


 こうして私は、荒野の国、独立都市セビテスでの活動を開始した。

 普段は表向きの仕事をこなしつつ、町に溶け込み、国の深部に眠る情報を集めていくのだ。


 セビテスで活動を始めてから、1年ほどが過ぎた時だった。

 ここからさらに西の果て、海洋国家ピラタス王国から急使が来たと、ウメサに呼び出された。


 見せられた羊皮紙は、厳重な封が幾重にも施されていた。

 羊皮紙も最上級、封飾りも最上級。これ一つで一財産だ。


 しかし問題はそこではない。

 その封飾りに隠された意味。神官以上の人間だけが知る、特別な書式が蝋封に施されていた。


【最重要案件発生につき大至急神殿本部に連絡されたし】


 私ですら、何度か見たことがある程度の書式だった。

 なるほど、ウメサは見るのが初めてだったのだろう、半ばパニックに陥って、私を呼んだに違いない。


「それで、ウメサ殿は何をしているのですか?」

「何? 何とはどういうことだ? こんな物が来たのだ! どうすればいいのか……!」

「あなたは本当に神官長ですか? その書類は正式に重要案件本部行きの書類ではないですか。どうして私を呼び出す必要がありますか。今すぐ、もっとも安全かつ最速の手段で、神殿本部へ送りなさい」

「いや……しかし……西の果ての田舎教会が出すようなシロモノでは……」

「それを判断するのは本部……総本山です。あなたが判断して良いようなものではありません」

「ぐっ!」

「神官が、命を掛けて提出する書式です。今すぐに処理しなさい」

「ぬぐっ! わっわかった。すぐにグリフォン便を手配する」

「それが良いでしょう」


 まったく。

 受け取った時点でなぜ動けないのか……。

 本当にウメサは無能です。

 いえ、出世する事に関しては有能なようですが。


 それにしても気になる書類です。

 ウメサが動揺するのを、理解出来る程度には、その書類は重要なものでしたから。

 それでも、私たちは粛々と役目を果たすべきでしょう。


 それから数週間後、またもウメサに呼び出されました。

 私が忍んでいる事を理解していないのかもしれません。


 ですが、それは間違いでした。

 教会本部から、私宛の荷物が届いていたからです。

 最初に読むように指定された、手紙を読むと、私は意識を失いそうになるほどの衝撃を受けたのです。


 使徒……。


 神に認められ、その声を直接聞くことが許された、選ばれし者。

 それが新たな神の誕生と共に現れた……。


 そんな馬鹿なという思いと、伝承では何度かその様な事があったらしいと言う事実。

 私はアイガス神に全てを捧げた人間だが、他の神を侮辱する物では無い。むしろアイガス教に匹敵するほど崇拝している。


 これが事実であれば、使徒様にお会い出来る名誉を賜れるかもしれない。

 そう思って手紙の続きを読んだ。


 神は私に試練を与えたもう。


 そこに記された指示は、準備出来次第、セビテスを発ち、ピラタスに向かい、可能であればピラタスからこちらに向かわせる、現地神官のレイティア・ムートンから情報を収集したのち、共に使徒を監視せよ。


 それが本部からの指示だった。

 尊敬すべき使徒様を監視!

 それが与えられた運命なのであれば、私は尽くすのみ。


 まずは現地神官宛の荷物と、現地神官代理を選ばなくてはなりません。

 代理に派遣するのには、若いが真面目なルブノエラ神官を選抜しました。

 やや経験に劣るところはありますが、巡回神官である彼ならば問題ないでしょう。


 本当ならば、私もすぐに発ちたい所ですが、本部からの指示で、先にいくつか、セビテス内で片付けなければいけない要件がありました。

 先行でルブノエラ神官に、レイティア・ムートン宛ての荷物と伝言を託しました。


 教会が保有する、最高の馬を渡したので、身軽な巡回神官である彼ならば、相当に早く到着してくれるにありません。

 ルブノエラ神官は自分の使命の重さを噛みしめたうえで、決意を持って馬を走らせました。


 私も少しでも早く旅立てるように、指示された仕事を片付けなければなりません。

 まずは三老会に探りを。

 次に隣接するハンション町の調査。

 概要を掴んだら、本部に報告書を提出の後、すぐにピラタスに向かう。


 予定を確認すると、私はすぐに動き出した。

 残念なことに、三老会が何かを企んでいるところまでは掴んだのだが、それ以上はガードが硬くて掴めなかった。

 

 ハンション町の調査で、いくつか不可解な事実を掴んだ。

 最近妙にゴブリンが増えたというのだ。

 もしかしたら、どこかでゴブリンハザードが起きているかも知れない。

 すぐに注意喚起を文面にまとめて、セビテスと本部へと送った。


 色々ときな臭い状況だったが、さすがに時間切れだ。

 私はピラタスに向かう事にした。


 ちょうど西に向かうという、シマウマ馬車があったので、小銭で便乗させてもらった。

 しかし、ハンション町をでてしばらくして、ゴブリンの集団に襲われたのだ。

 戦える人間は立ち向かったが、数が多かった。


 私が参加すれば、あのくらいの数ならなんとかなる。だけれど、普通の町娘としての身分がそんな事をするわけにはいかない。

 倒れる人たちを横目に、唇を噛みしめ逃げ出す事にした。

 シマウマ馬車は途中で転倒し、そこからは走りだ。


 馬車が転倒したときに、足を挫いてしまった。

 これなら、あの場で戦っていた方が安全だったと後悔し始めたときだった。


 正面に砂煙をあげて疾走する、奇妙な白い馬車が現れたのは。

 それは馬もいないのに、馬よりも速く疾走していた。


 あれはなに?


 少し離れた位置で急停止したそれ。

 馬車から誰かが降りてきたようだった。

 いえそれよりも!

 まだゴブリンが私たちを追ってきている!


「に……逃げて! 害獣が! 害獣が来てるんです!」


 精一杯の声を張り上げるも、馬車の人物はのんびりと私に聞いてきた。


「うむ。ゴブリンじゃろ。あやつらは5匹で間違いないんか?」

「ドワーフ? ……え? エルフ??」


 不思議な組み合わせだった。

 エルフ自体、この地域には滅多にいないのに、それが仲の悪いドワーフと一緒なんて。

 レイクレルでは、たまにある光景だったけれど。


「あ……あの……」

「細かいことはええ、あの5匹を倒せば良いのか他にもいるかだけわかれば良い。5匹だけなら頷くんじゃ」


 私はドワーフを凝視した後、武人としての強さを見抜いた。

 このドワーフ、相当強い。

 私は激しく顔を縦に振った。


 ドワーフとエルフは二言三言話した後、背後に振り返って言った。


「よしアキラ、とっとと殺って来るんじゃ」

「はぁ?!」


 素っ頓狂な声を上げたのは、見事な黒髪で、メガネの青年……。

 呼ばれた名はアキラ……。


 使徒……?


 そう。それは本部から送られてきた、使徒様の特徴と名前と完全に一致していた。

 それが使徒アキラとの出会いだった。


 ◆


「あの……遅くなりましたが、本当にありがとうございました。私はユーティス(・・・・・)と申します」


 私はアキラ様に偽りの身分を名乗った。

 きっと私は死後神の御許へは行けないだろう。

 それでも、使徒様との出会いを与えてくださった、アイガス神に感謝しかなかった。


「ん? ああ、成り行きだから気にすんな。それよりそっちこそ災難だったな。どこに行く予定だったんだ?」


 私は自分の使命に従って、情報を聞き出そうと、話し掛けたのだ。


「ピラタスという西の果てにあるという国なのですが、ご存じですか?」

「ああ……俺はそこから来たんだよ」

「まあ……」


 間違い無い。この人がレイティア神官の報告にあった使徒様だ!

 その後も情報収集を兼ねた雑談を続ける。

 アーティファクトの馬車。

 ピラタスの消滅。

 とても雑談で出てくる内容では無かったけれど、ピラタス消滅は信じられた。直感である。


 ハンション町に行くというアキラ様に無理を言って便乗させてもらった。

 今あそこでは、ゴブリンの集団に襲われる可能性があるからだ。


 いざとなったらアキラ様だけでもお守りしなければならない。

 しかし彼らはそのゴブリンハザードを探して突っ込んでいくつもりらしい。

 ドワーフとエルフが、ゴブリンを……特にゴブリンハザードを憎んでいるとは聞いていたが、これほどまでとは思っていなかった。


 酒場でリザード夫婦を巻き込み、あれよあれよと言う間に突撃する話になってしまった。

 いくらなんでも無謀過ぎます。

 話を聞いている内に、実はドワーフとエルフが、あの有名な<鉄槌>と<黒針>であると知り、納得し掛かりましたが、それでもやはり無謀だ。


 しかし、彼らは町長宅にゴブリンコロニーに行く許可をもらいにいくという。

 私は宿を取り、神威法術で足を治し、こっそりと、ゴブリンのコロニーに向かった。

 あの馬車で移動されると、後から追っても間に合わない。

 先行して隠れて見守るしか無いと判断した。


 ◆


 私は判断を誤った。

 ゴブリンハザードは、歴史上類を見ないほどの大規模コロニーとなっていたのだ。

 コロニーともくされる廃鉱あとにすら辿り着いていないというのに、そこかしこから湧き出るゴブリンたち。

 10匹程度のグループで、辛うじて何とかなっていたが、一つのグループを潰すと、すぐに別のグループとかち合うのだ。

 いくら護身術を叩き込まれているとは言え、波動も使えない私では限界がある。


 なんとか町に戻るルートに乗ったと思ったのだが、とうとう、中規模のグループに見つかってしまった。

 全力で逃げるも、体力は限界だった。


 その時、逃げる私の前方に、私を遮る影が躍り出た。

 終わった。そう思った時だった。

 躍り出た人影の頭上に巨大な火球が生み出されたのは。


「伏せて!」


 その声に咄嗟に伏せると、私の頭上を火球がかすめるように飛んできた。

 そして背後に迫っていた、ゴブリンたちが一瞬で消し炭になった。


 とんでもない空理術の使い手だった。

 それは、美しくも愛らしさを残した若いエルフの娘だった。


「大丈夫?」

「あ、ありがとうございます」

「どうしてこんな所に一人で……いや、そんなことはいいや。急いで逃げないと……」


 立ち上がろうとしたエルフが、ふらついて片膝を付いた。


「あ! 大丈夫ですか?!」

「う、うん……でも理術を使い過ぎちゃったみたい。これ以上は使えないや」

「もしかして何日か前に出立したという討伐隊の方なのでは?」


 その情報は掴んでいた。だから、すでに解決している可能性を考えていたのだ。

 だからこその油断だった。


「うん」

「良かった。別のエルフの方が心配していたんですよ。そうだお水を」

「ああ……ありがとう」

「それは私の言うべき事ですよ。一気に飲んではダメですよ。ゆっくりですよ」

「うん」

「ここは危険だよ、早く逃げなきゃ」

「ええ……そうなんですが……」


 岩陰からのぞき見れば、そこら中にゴブリンの小団体が闊歩している。

 エルフの娘は決意したように頷いた。


「……キミはこれを町に届けて」

「え? これは?」


 渡されたのは割り符だった。それはつまり、これだけの数の人間が犠牲になったということだ。


「ボクを守ってくれた英雄たちの願いだよ。ボクが囮になるから、その間に必ず町まで戻るんだ」

「そんな! せめて一緒に行きましょう!」

「ダメ。このままだと囲まれるだけだよ。正直もうほとんど理術を使えないんだ……足手まといにしかならないよ」

「私も何も出来ません。一緒に頑張りましょう」

「ううん。キミにはどうしてもそれを届けて欲しいんだ。それに……いざとなったときに自決(・・)出来る心構えはないよね?」

「……え?」


 自決する覚悟?

 そんなものはとっくに出来ている(・・・・・・・・・)

 だからそんな心配をする事はないんです!


「絶対に、生きて町まで行くんだよ!」

「あっ!」


 彼女は大声を上げ、ゴブリンの注意を引きながら、駆け出していった。

 何と言うことを……。


 こうなったら私に出来る事は、助けを呼ぶことだけだ!

 私はゴブリンに見つからないように、全力で町に戻ろうとする。だが、それにしてもゴブリンが多すぎた。


 せっかくあの娘がくれたチャンスだったのに!

 とうとうゴブリンに見つかって、立ち枯れした木まで追い込まれてしまった。

 でも……もう諦めない。腕の1,2本失ってでも町まで戻って、必ず救出を!


 歯を食いしばり、顔を上げたその先に、砂塵が舞っていた。

 あれは……。


「乗れ!」


 ゴブリンを2匹ほど轢き飛ばして突っ込んできたのは、あの奇妙な馬の無い馬車だった。

 扉を開けて手を差し出していたのは。


 アキラ様……。


 でも、私はお礼を言う前に、縋り付くしか無かった。

 使徒様なら、もしかしたら!


「……わ、私を助けるために……エルフの方がこの先に行ってしまって……」

「「何だと?!」」

「もう理術を使えるほど体力が残っていないから囮になると言って……」


 だから……助けてあげて。お願いします!


 ◆


 使徒様は、やっぱり使徒様だった。


 無事にエルフの娘、ラライラを助け出し、さらにその後、ゴブリンハザードまで潰して、さらにハンション町まで救ったのだ。

 その後、私は割り符を届けるために、セビテスに戻った。


 すぐにセビテスにやって来たアキラ様は、なにやら奇妙な事をはじめた。

 私の仮の身分である針子に興味を持ったのだ。


 私の正体を知る、数少ない人物、服飾ギルド長のフェリシア・モールレッドに協力を依頼した。

 そこで出てきたのはミシンなる未知の道具であった。

 それは革命的な道具だった。

 これが普及したら、この世界の服は、一気に安くなるだろう。


 その後色々あった。

 特にウメサの独断専行は許せない。

 本部に連絡して、きつい処罰を命じておこう。


 しかし、私はアキラ様と近づきすぎた。もう秘密裏に使徒様たちの様子を伺うことは無理だ。

 だから私は新たに旅立つという彼らに、同行を願い出た。

 秘密裏が無理ならば、内に入り込んでしまえば良いのだ。


 アキラ様は快諾してくれた。


 ああ。

 やはり神はいる。

 こんな私を、使徒様のおそばにいられるようにしてくれたのだから。



ようやく正体を書けたーw

ここで出してない場所でも、怪しい箇所は沢山あるんですよねw

見返してみるのも面白いかも知れません(´ω`)

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― 新着の感想 ―
[一言] まあそうだろうなって 逆に服飾ギルドの人間ってなってそんな位置付けのキャラクターにしては登場タイミングと扱いがおかしいなと違和感がありましたね
[良い点] 怪しいとは思ってました(笑)
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