第2章プロローグ
第二章開始です
間に合えば本日もう1話載せようかと思います。
……書けたらいいな。
遙か彼方まで地平が広がる土色の大地に砂埃が舞う。
低木を食んでいたシマウマが遠くから聞こえる異音に顔を上げ耳を細かく震わせる。それは他の動物も同じようで、死骸を突いていたハゲワシが慌てて飛び立った。
ハゲワシは久しぶりのご馳走を邪魔された腹いせに、近づいてくる新参者にこの荒野の王者は誰かを思い知らせてやろうと、その大きな羽でフラリと音と煙を立ち上らせている獲物に近づいていった。
そして彼は見た。
真っ白い箱形の奇妙な物体を。それは人が作る馬車という代物に似て非なる物だった。
ハゲワシは大きく旋回して爆走するソレと平行に飛んだ。
その不思議な馬車にはからかい相手の馬がいなかった。そして馬を操る人間が乗る部分には奇妙な屋根と、妙に見通しの良い板で囲まれているのだ。
中には確かに人間とドワーフが乗っている。だがどうにも手が出しづらい雰囲気だ。とくにあのドワーフは危険だ。野生の本能が告げていた。
ふと、平行に飛ぶ彼に、人間が気がついたらしく、間抜けな表情で軽く手を振ってきた。
それでハゲワシは馬鹿らしくなって、その場を去ることにした。
この馬車を操る生き物は残念ながら彼らよりも遙かに強そうだ。だがさすがに空までは追ってこれまい。
ハゲワシは羽の角度をわずかに変えるとゆっくりと高度を上げていった。白い不思議な馬車が小さくなっていく。
だが。
ハゲワシは疑問に思った。
アレはどうしてあんな場所にいたのだろう……と。
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