エデン学園入学2
正月休みなのでできるだけ更新しようと思ってます。
そもそも、私の故郷はエデン狭間と呼ばれ、どちらかといえば魔国魔族の統治する国寄りだったらしい。なるほど、神族がいないはずである。
とは言え神族の商人がまったく来ないわけもなく月に一度はある程度の交流はあったが外見に関しては注意をされることはなかったためそのまま来ていたのだが…銀髪も珍しいのだが赤目もやばかったらしい。
というのも入寮の手続きを終えて買い物に行った時のことだった。
そもそも学園は学校と街とその住人の住宅で成り立っている学園都市みたいな感じなんだけど、学園を中心に放射線状に街が広がっていて目的によってわかりやすく店や施設が配置されている。
え?地図くらい読めますよ?きちんと学園街の地図を用意してもらっておいた私。用意は万全である。えへん。
道には迷うこともなく目的の雑貨店…えーと、日用品から旅雑貨ならお任せ!サラマ商店に無事到着したんだけど、店に行くまでが大変だった。私達が通りを歩いていると前から歩いて来る人がちょっとびっくりした後、避けてすれ違う。若干俯き加減で。
ごく一般的な格好だと思うんだけどそばによると、すささっと感じで避けられるから聞くに聞けない。なぜだ?何故避けられるんだ…orzとはこういうことかっ!
サラマ商店に入ってきょろきょろとしていると店主らしき人物が声をかけてきた。えーなかなかのマッチョです。ロマンスグレーですがマッチョです。はい。
「おや…珍しいね。ちいさな夜族の貴族様がいらっしゃるとは」
「は?」
「…ん」
思いもよらない言葉に私はぽかーんと間抜けな声をだしって…いや、君?何、頷いてんのかな?
「赤い目、偉い」
「偉いって…」
「お嬢ちゃんは知らないのかな?」
ちょっと小馬鹿にした感じがむっとするがそこは大人の対応でって外見子供なんだけど。
「赤い目の意味なんてあるんですか?」
「あぁ、あるとも。一つは夜族であること。二つ目は純血かあるいはそれに近しい血族であること
…つまり夜族の貴族になるんだけどね」
ちょっとまて。聞いていないよ?貴族とな?実家は一般庶民ですが!!
「…ローア、赤目は赤目しか遊んじゃダメって言われた」
Oh?それも初耳だよワトソン君!?ってまた服の裾ひっぱてるし!あぁ、もういいよ…結構伸びちゃったし服は諦めた。というか街の通りで避けられた原因は赤目だった模様。コンタクトなんてものはないからカラーコンタクトもない…というわけで赤目は放置せざるを得ない。
この件に関しては後でじっくり隣で当然だって顔してるサマセウスから話を聞くこととする。
「…えーっと、帽子かフードみたいなのってありませんか?予算は1500~1000で機能制は特になくてもいいので」
話題を変えるため目的の商品を尋ねたらふふって笑われたよ。いいよ、もう…好きにしてくれ。
とはいえきちんと予算内の希望に沿った商品は探してくれる。
「ただの目隠しという意味だったらおすすめはフードつきコートかな?」
きちんと私達の目的を察したみたいで軽い羽織り物のコートを出してきてくれた。…フードに耳がついていたのでお主なかなかやるな!と心の中で賛辞しておいた。
「それを一つください」
「お買い上げ、ありがとうございます」
無事目的のものを購入し、学園に戻ろうとしたとき店主からまた声をかけられる。
「お嬢ちゃんたちは学園に通うのかい?」
「はい、今年からです」
そう答えると少し考えたそぶりを見せた後、不可思議ことを言ってきた。
「…次からはここでいろいろそろえるといい。ある程度のものなら調達できるから」
「…?」
「君たち狭間の魔族だろう?」
「はぁ、そう、ですけど…すぐわかりますか?」
「私は店をやる前は傭兵だったからね。勘もあったけど魔国にいる魔族はお抱えの職人がいるから街の店には来ないよ。他の店はあまり期待しないほうがいい」
「魔族だからですか」
「それはあまり関係ないよ。この街の半数近くは魔族かダブルだからね。赤目は結構謙遜されるからむしろそっちのほうかな?まぁ良かったら次もご贔屓にしてもらえると嬉しいかな」
「…参考にしておきます」
店を出た後は学園に戻るだけだったのでそのまま寄り道せずに帰る。けど、帰りの道中も通行人に避けられながら帰りましたよ…思わぬところで店主のマッチョな理由もわかったけど、聞き捨てならない内容が何点か。
赤目の地位についてが最要の確認事項ではあるんだけど調べる時間がない。両親に手紙を出すにしろ、学園の図書室で調べるにしろ明日が入学日だから不可能だ。それにしても嫌な予感がするのは気のせいだと思いたい。
そういえばダブルは神族と魔族の間に生まれた人のことを指します。