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\M!RaCle G!RL!/  作者: ジェル
第一章 セレスティナ生徒会
15/21

蘭々 1



「まあまあ、なんて楽しげなことをなさっていたのかしら。わたくしも、もう少し早く呼んでいただきたかったですわ」



ころころと笑いながら、彼女は扇子を取り出して口元を隠す。

まさしく、お嬢様の風格である。

混ざりたかったのか、何事だ。そして誰だ。

首を傾げていると、隣に佐久良がテレポートしてきた。



「蘭ちゃーん」



そして、にこにこと笑って近づきながら、佐久良は彼女をそう呼んだ。


蘭ちゃん?

なんだ、蘭ちゃんって。

頭脳だけ大人の彼の彼女しか出て来んよ!



「あら、佐久良様。本日も大量ですわね。人員が増え、山城の地域が活性化して嬉しい限りですわ」



綺麗に微笑む彼女から発された言葉に、私はびっくりした。


山城!?

山城!!

わわわ、どうしよ、これって、お世話になりまくってるところでは!?てか、ヤクザ様!?この綺麗な女の子が!?


どう挨拶しようかと引け腰になっていると、佐久良がぽん、と手を叩いた。

あ、そうだ。なんて言って、私を振り向いて、彼女を手のひらで示した。



「こちら、山城組の組長のお孫さんです。山城蘭々(らんらん)ちゃんっていいまーす。蘭ちゃん、こちらセレスティナ生徒会秘書の萩原陽埜ちゃんです。よろしくー」



なんて適当なんだ。

佐久良に適当に紹介されたけど、山城さんは文句も言わずに、ぺこりとお辞儀をした。



「はじめまして。山城蘭々と申します。今年19歳になりまして、そろそろ祖父の仕事を引き受ける時期となりましたので、代わりにと参上いたしました。どうぞ、よろしく」



丁寧な自己紹介をされ、私はビビりながら腰を折る。



「は、はじめまして。萩原陽埜と申します。最近、聖セレスティナ学園に引っ越してきた新参者ですが、頑張りますのでどうぞよろしくお願いします」



顔をあげると、山城さんはにこっと笑った。



「ええ。噂は予々。なかなかの実力者だそうで、一度お手合わせ願いたいものですわ。先日の、加嶋哲郎の件でもお世話になりましたわね。次はこの秋元組の教育に来て頂けるとか」


「そ、そそそそその説はお世話になりました! あんなカーテン連れてってご迷惑をおかけしました。それで、この組については、安斎が主に教育するとのことで、」


「あら、安斎様が。なるほど、あなたもお仕事を覚えている最中なのですね。わたくしも祖父にどやされながら仕事を手伝っているところです。一緒に成長していきましょう、萩原さん」



首を傾げて微笑む山城さん。なんてステキ!!なんてオトナ!!

長い黒髪がさらりと揺れた。

色気がやばいです。もうお姉様!!



「はい!」


首が千切れそうなほど頷いて、私は返事をした。

こんなステキ女子と仲良くなるのは初めてです。女子力の塊です。



「やだー、蘭ちゃん、俺とも仲良くしてよー」



なんて言ってる佐久良がキモい。

山城さんは、そんな佐久良に苦笑を返して、そうですわね、なんて微妙にスルーした。そして、扇子をぱちんと閉じると、あの凛とした声で、



「皆の衆!捉えなさい!」


と叫んだ。

かっこいい!しびれる!


私も手伝って、やつらを亀甲しば……ごほんごほん、綱で捉えました。




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