三月ちゃんとの出会い
「これは、私が実際に体験した話。」
*
当時クラスメイトだった、三月ちゃんが4年前に行方不明になったでしょ?
お母さんも、誰も、なにも知らなかった。事件が起きた時は、「ただの家出だろう」って警察も言ってた。だけど、私はそうは思えなかった。
だって三月ちゃん、勝手に家出なんかする子じゃなかったから。
事件から一ヶ月だっても三月ちゃんは帰ってこなかった。
さすがにヤバいと思ったのか、警察も捜査を始めた。しかし、他の事件の調査も忙しく、なかなかはかどらなかったそうだ。
――――学校の帰り道
私はなにげなく、野原に立ち寄ってみた。
そこには塀があり、そのそばで寝っ転がった。
すると、塀に穴があるのを気付いた。
不思議に思い、穴をくぐってみた。すると――――
「ここ、どこ!?」
なぜか、時間が戻っていた。
そして、もう一度くぐると、
「戻った…」
首をかしげながら、家へ帰った…。
*
その日は急いで家へ帰ってから野原へ行った。
やっぱり穴はある。
(くぐろう)
心で決心してから、もう一度くぐることにした。
今度は
(三月ちゃんに、会えますように)
と願いながら。
――――くぐった
すると目の前には三月ちゃんがいた。
「三月ちゃん!?」
「そうよ、久しぶりね。沙波ちゃんでしょう?」
「そうだよ。三月ちゃん、こんなところでなにやってるの!?」
「い・え・で♡」