第三話:変身
「……たくさん、人が亡くなってる」
「酷い……」
現在私達は高校の校舎内を歩いていた。ここは一階。
廊下や教室には学校関係者と思われる人たちが血まみれで倒れていた、その人たちは全員死んでる。
「……下がって、化け物がいる」
突然そう言う黒白。
見ると私たちが向かおうとしていた廊下の奥には、黒い霧のようなものに包まれた何かが居た。ほんとに色んな化け物がいる。
「気づかれた」
「えッ」
「大丈夫、ボクに任せて」
どうやら化け物も私達に気が付いたようだ、こっちへ向かって来ている。
それはそうと黒白イケメン過ぎ!
「はぁ!」
彼女は自分の特殊な力を使って、左手から白い光の玉を出し、それを化け物相手に放った。
「――」
その玉に当たった黒い化け物は、何も言葉を発さずにその場で散っていった。黒白ちゃんつよ!
「見た目が黒いから明るい白い力の方が効くと思ってやったけど、予想が当たってて良かった」
「黒白ー! すごいよ!」
「えへへ、ありがとう」
可愛い。
人の死体ばっか見て気分沈んでたけど、これだけでもう元気いっぱいになるね!
「じゃあ、進もう」
「そうだね、一人でも多くの生き残りを見つけよう!」
◇
まずい私、役に立ってない……。
「はぁ!」
ずっと黒白が化け物を倒してくれてる。その間私は彼女の後ろで立ってるだけ。何か役に立つ方法無いかな?
「はぁ、はぁ……」
「黒白、一旦休も」
「まだ来てる」
え、ほんとだまだ来てる、しかも結構いる……ひょっとして、やばい?
「考えろ私、何か役に立つ方法…………あ、もしかしたら」
私はどうにかして黒白の役に立とうと思い、方法を考えた。
そして考えた末、私は一つの方法を思いついた、でもそれができるかは分からないけどね。
「そんなに思い詰めなくていいよ、ボクは疲れただけでまだ戦えるから!」
「いや、もしかしたら私も役に立てるかも、ちょっと試すね」
そう言って私はその方法を試す。できなかったら逃げるだけ。
私の体が光に包まれる。
「え?……ボク?」
「……成、功……だね!」
その方法とは私が黒白に変身することだ。だけどただ単に変身しただけじゃ駄目、私が彼女の力を使うことができるか、それに懸かっている。
自販機に変身したとき、私はその状態で動くことができなかった、そして電柱に変身したとき、私は喋ることができなかった、勿論その状態で動くこともできなかった。だから私はこう予測した、変身の力は、単に外見が変わるだけでなく、変身したものの特性を得ることができるのでは?と。もしそうだとしたらぶっ壊れだけど。
だから私は黒白に変身した、彼女の能力を使えたら私も戦えるようになるから。
まあそもそも他人に変身できるかも不安だったけど、でも無事変身できた。あとは黒白の力を使うことができるのかどうか。
彼女の力をイメージする。黒白があの黒と白の力を使ってるところを真似して……
こんな感じ、かな……?
「や!」
私は向かってくる化け物に黒い玉を飛ばすよう意識する。すると。
「ァ……」
私の手から黒い玉が飛び出し、それは化け物に直撃した。そうして化け物は小さな呻き声を上げてその場に倒れる。
「おお! やった、できた!」
「すごい……!」
できた! 我ながら上出来!
そしてこの力がぶっ壊れなのが確定したね!
「て、まだ来てる!」
『あのォォ! 気分上がってるとこ申し訳ないんですがァァ!』って感じでまだいっぱい来てる。
「二人でやろう」
「うん!」
やっと役に立てると思うと嬉しい。
「ふぅ、一先ず全部倒せたね」
「そうだね」
あの後、私達はなんとか化け物たちを倒すことができた。倒すって言っても、殺してるんだけどさ。正直ちょっと罪悪感はある。あの化け物たちが人を殺したのにね。
「大丈夫?」
思考にふけっている私を見かねたのか、黒白がそう言って私を心配してくれた。
「大丈夫だよ、進もう」
「うん、分かった」
私は心配する黒白に大丈夫と告げ、再び彼女と生存者を探しに歩き始めた。
というか、やっぱり私の声も黒白の声に変わってる。この力不思議だなぁ。
…………うん?
私はそこでとある違和感に気づいた、その違和感は下半身部分。私はこの感覚、異物感を感じたことが無い。……え?
も、もしかして……。
「ね、ねぇ……黒白」
「なに?」
私の呼びかけに黒白は顔をこちらに向けてくる。
う、噓……でしょ。こんなに可愛い子が?
「ねぇ、一つ聞いても良い?」
「良いよ、なんでも聞いてよ!」
「黒白って、"彼"だったり、する? その、下半身に妙な違和感があって……」
「え?……あ」
私の問いにしばらく困惑していた黒白だが、彼女(?)は全てを理解したのか、顔が少々赤くなっていた。
「あ、そうなんだ」
これで私は確信してしまった、黒白は男の娘だということに。
「べ、別に隠そうとしてた訳じゃないん、だけど……やっぱり気持ち悪いかな……男なのにこんな格好してて」
確かに黒白は女子制服を着ている、別にそれはおかしいことではない、この高校は制服を男女ともに自由に選ぶことができる高校だから。
って、そんなことはどうでも良い。
男の娘……男の娘……!
「ふふっ……別に気持ち悪くないよ、黒白は黒白だし、可愛いのに変わりはないからね!」
「!」
ふふっ、男の娘っていいよね、賛同しろ。
実は、私は男の娘が超絶大好き。昔一度男の娘が出てくるweb小説を読んだことがあってさ、それ読み終わった頃にはいつの間にか性癖が歪んでたんだよね。ちなみにその時小五ね。
へへ……黒白、私が可愛がってあげるよぉ。
「……ありがとう」
「ううん、感謝されるようなことじゃないよ! むしろこっちが感謝したいぐらいだよ」
そう、むしろご褒美……!
「え?」
「コホン、何でもない。こっちの話。さっ、行こっか!」
「う、うん」
【あとがき】
ぬい葉です。
男の娘っていいよね。賛同しろです。
変色は男の娘が出てくる小説を読んだって言ってますが、これ実は私に少し通ずるところがあるんですよね。
私は小四とか小五辺りにTS系のweb小説に出会ったんですが、その時それにドハマりしました(というかTS系から小説を読み始めて今に至るわけなんですが)ここで私の癖は歪んだ訳です。そしてその時から今日まで、私が読むweb小説はTS系が99%です。
ちょっと前に、知り合ったばっかりの人におすすめの小説を教えてと言われたんですが、読むものがTS系しか無かったのでおすすめを言えなかったのは苦い思い出です。
でまあ、私が男の娘好きになったのは多分TS系で性癖が歪んだ状態のところで、X(旧Twitter)で男の娘のイラストに出会ったことが原因だと思ってます。あれはやばい。
男の娘にも色んな種類があるのですが、私は女の子にしか見えない男の娘が好きです。『男っぽいところが少しあるのが良い』みたいな感じの人の意見も分からなくはないですが。
というわけで是非皆さんも男の娘沼にハマってください。




