第一話:変わる世界
今日は高校入学後の初めての高校、入学式は昨日終わったよ!
私は七光変色。昨日西野原高等学校っていう高校に入学したピカピカの高校一年生!
突然だけど現在私はそんなことを考える余裕が無いぐらい全力で走っている。初めての高校ということで私はこの日をとっても楽しみにしてた。
なのに、寝坊した!
「遅刻するー!」
結構マジでやばい。
高校初日から遅刻だなんて先生からの信用がそうそうに無くなっちゃう!
えっと、ここはまっすぐ行って、その先は右だったね!
ふふん、道は完全に覚えてるからね!……って、これは!。
「遅刻、曲がり角、これ少女漫画でよくあるあのシーンじゃ!?」
私は気が付いてしまった、そうこれは少女漫画でよくある『遅刻しそうになって走っている女の子が、曲がり角で運命の人とぶつかる』シーン!
その後恋にまで発展して……もしかして私、そうなっちゃうの!?
「なんて変なことを考えている場合じゃなあぁぁい!」
まじで遅刻するってー!
そもそも、ここは現実、そんなことは滅多に無いわ!
そうして再び現実に目を向けた私は全力疾走で曲がり角を曲がった、のだけど。
「わぷ」
曲がり角を曲がった瞬間、何かにぶつかった。
え? 本当にそんな展開あるんでしょうか?
「ちょっ、嫌だなぁ……そんな、さっ。恋はまだ私には早いってばーもう」
ふぅー……さて、お相手を見るとしましょうか。
これが運命の相手……!
そうして私は心を固め、ぶつかったものに目を向けた。
「……え?」
しかし、そこには人なんていなく、代わりに巨大な布団があった。いや正確には毛の塊かな? いや確かに人とぶつかった割には柔らかいなって思ったけど……なにこれ。
「うん~?」
巨大な毛の塊は私の視界には収まっておらず、私は視線を上げる。やっぱ布団の方がしっくりくるかも。
「え?」
徐々に視線を上げていく私、だけどそれもすぐに止まる。それがなんなのか理解したからだ。
「ワンちゃん?」
「グルル……」
なんと布団だと思っていたものの正体はでっかいワンちゃんだった!
あ、口……大きい、ね。
あれ、なんか……私を、食べようとしてない?
「いや、ちょっ! 怖いって、いやあぁぁぁぁ!」
どう考えてもあのワンちゃんは私を食べようとしてた、ということで私はその場から全速力で逃げ出す。
「ひえ! 追いかけてこないでっ!」
あのワンちゃん、いやクソオオカミは逃げた私を追いかけてくる。明らかに私を襲って食べる気だ。というかどうしてこんなのがいるの! 私ゲームの世界にでも迷い込んだ!?
「わあっ! ちょっ、マジで本当に死ぬ!」
巨大なオオカミは様々な建物に衝突を繰り返しながらも私を追ってくる。というか人いなさすぎ! いや居ても巻き込まれるだけだから良いんだけどね!
というか本当にやばい、そろそろ体力が……
「はぁ、はぁ……どこか、隠れられる場所……隠れないと……!」
逃げきれないと思い、私は必死に隠れられる場所を探す。いや誰か助けてぇ!
そう思いながら、曲がり角を曲がった瞬間。
「……え?」
私は不思議な感覚を覚えた。
「グルル……」
「……」
私は現在、あの巨大なオオカミが近くにいるのにも関わらずジッとしていた。
よく見るとあのオオカミには角が付いている。いや本当になんなの?
「グルゥ……」
しばらくオオカミは私を探している様子だったけど、私が居ないと判断したのだろう、そのままどこかへ行った。
「た、助かったぁ」
気づけば私は地に倒れ伏していた。いや本当に死ぬかと思ったよ。
なぜオオカミの近くにいたのにも関わらず、私はバレることがなかったのか。
私にもあまりよく分かっていないんだけど。曲がり角を曲がった瞬間、私は不思議な感覚を覚えた。だけどその時私は隠れる場所を探すので精一杯、そんな時自動販売機が私の目に入った。
私の脳内に自販機の影に隠れるという選択が浮かんだ、だからなのだろうか、気が付けば私は自販機になっていた。いやどういうこと?
そして今また気が付けば私は元の姿に戻っていた。
「……一体、何が起きてるって言うの?」
私は立ち上がり、辺りを見渡す、すると遠くの方にもまた違う変な化け物が見えた。
「と、とりあえず……学校行かなきゃ、だよね……?」
こんな状況で学校に向かうのは馬鹿だとは思うけど、これが私の幻覚という可能性もある。それにさっきの自販機への変身はまたできる気がする。
だから私は一応学校へ向かうことにした。
◇
(どれだけいるの?)
今私は何回か自販機になりながら、化け物たちに気づかれないように学校へと向かっている。
あの後もう一度自販機になろうとしたら簡単になれて結構驚いた。私は変身する能力でも手に入れたんだろうか。
化け物たちは色んなものがいる。角が生えた巨大な人間のようなものや、豚のような顔をした人型の化け物、更に言葉にしづらいような化け物もいっぱいいた。
……途中、人の死体のようなものもあった。生きてる人にはまだあってない。
今の私は結構混乱してると思う、だから今は学校を目指すことしか考えられなかった。
でも結果的にその選択が正解でも不正解でもなくて本当に良かった。
◇
「着いた、けどなんか大きな音が聞こえる……」
あれからしばらく歩き、私は学校の校門に着いた。遅刻は確定、だけど人の賑やかさは無く、代わりにちょっとした爆発音が聞こえてきた。
「あ、音が止まった」
しばらく爆発音が鳴り続けていたが、その音は突然鳴り止んだ。
「とりあえず学校に入ろうかな」
色々確かめる為、私は遂に校門を通ることにした。ここでこれまでの怪物たちが私の幻覚なのかどうかが分かる気がする。まあもう薄々分かっているんだけどね……。




