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炎天怪談  作者: にとろ


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変温動物

 春が終わり、夏が這い寄り、夜は肌寒く昼は蒸し暑い頃の話になるそうだ。


「恩返し……って言うのもおかしいですけど、動物は助けるものですよねえ……」


 しみじみとそう言うのはハルノさん。子供の頃不思議な体験をしたそうだ。


 ほら、きこーへんどう? なんかそんなのが問題になっているじゃ無いですか? たぶんその先駆けだと思うんよ。


 寝るときに暑くってさあ、あの日は布団を引っぺがしてそのまんま寝てたんよねー……そしたら夏風邪を引いちゃってさー、朝が寒いのも考え物だよね。子供時代の話なんだけど、いつの世も変わんないって感じ?


 そんなだからさー、親もいちいち看病なんてしてくんない訳よ、私もだらしなかったからしゃーないかなーって思いながらレンジでお粥を温めて食べながら携帯をいじってたんよ。


 まー体によくないよね、でもさー、学校にも行けないわけで、多少のことは認めて欲しくない? 私はそのくらい許して欲しーなー。ま、そんなことしてたから風邪をこじらせちゃったんだけどね。


 でさー、結構熱も出るわ吐き気もするわで酷かったんだよね、あんな体験はもうしたくないかな。まあそれで本当に寝込んじゃったんだよね、布団の中で携帯をいじってたんだけど、学校にいる友達とやりとりなんて出来ないしさ、寂しかったなー。


 風邪の時に見る夢って変なのっていうじゃん? わたしもなんかそんな変な夢を見たんだよねー。夢なんだろうけど、たぶん恩返しのつもりだったんだろーなー。


 夢の中でさ、真っ白な地面がずっと続いているところに立ってる訳よ、で、ぼーっとしてたらしゅるしゅるって音がしてさ、そっちを見たら蛇がいたんだ。そりゃ気持ち悪いでしょ、蛇だよ蛇?


 逃げたかったんだけどさー、頭がぼんやりしているのと、その大きな蛇の動きが早くってさ、全然逃げられないわけ。その真っ黒な蛇が私の身体に巻き付いてきたんだ。悲鳴も上げたくなったよ、喉も痛かったからとても叫べなかったんだけどね。


 ただねー、蛇が巻き付いてきたらさ、何か体が冷えたんだよねー、怖いからかなって思ったんだけど、なんか違うような気がしたんだ。別に蛇も締め付けるって感じでも無かったし、体を這い回る感触は気持ち悪かったけど、しばらく我慢してたら目が覚めたんだ。でさー、なんかそしたら熱が下がってたんだよねー。言わなかったよ、親に言って信じてくれるわけないじゃん。


 すっかり治ってその晩布団に入ったときに思いだしたんだよねー、昔、あ、そのときからしても昔って事ね? 家の庭に蛇が出たことがあってさ、父さんとおじいちゃんが二人がかりで駆除しようとしたんだよね、それに私が反対したんだ。別に助けたかったわけじゃないよ? 蛇の死体ってグロいじゃん? そーゆーの見たくなかったからさ、『そのうちでてくから放っておこうよ』って言ったんだ。そのとーりに蛇は居なくなったんだけど、あの時の蛇が黒いから出してたからさー、恩返し的な何かかなって思ったんだよねー。


 彼女の話はそれで終わった。実際に蛇を神格化している地域もあるらしいが、彼女の住んでいる地域がそれに該当するのかどうかは全く興味が無いので調べたことも無いそうだ。真相は不明だが、命を助けたのだからそのくらいのお礼はあってもいいだろうと私は思う。

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