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炎天怪談  作者: にとろ


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夏の日の配信

 野村さんはその日、ネットで音声配信をしようとしていた。所謂眠れるASMRというやつをしようとしていた。そんな時、不気味なトラブルになったそうなのでその話をしてくれるらしい。


「結構気を遣ってたんですが……それが裏目に出たんでしょうか」


 そんな理由を話してくれた。


 あの日は暑い日でした。暑い中音声配信をしようとしたんですけど、結構音質に気を遣っているので配信のためにエアコンを切ったんです。エアコンを使うと暑さが暑さなので音声に載ってしまうくらい音が鳴るんですよ。


 仕方ないのでエアコンを切って洗面器に氷水を張り、小さめのタオルを使って出来るだけノイズを乗せないように暑さをやわらげるようにしたんです。


 それで配信サイトに接続してインターフェースの準備をして音声がきちんと聞こえるのをチェックして配信を始めました。


 始めは問題なかったんです。いい感じにリスナーも投げ銭をしてくれるくらいには評価が高かったんです。そのためにクソ高いマイクを買ったかいがあったと思いましたよ。


 でも、手作り防音室で配信をしているので暑さばかりはどうしようもなく、時々配信に乗らないようにミュートを使いつつタイミングを図って顔をタオルで拭って冷房代わりにしていました。


 出来るだけ問題無いようにしていたんですが、リスナーの数人が『なんか声が聞こえてる?』とか『ノイズ?』というコメントを始めたんです。おかしいなと思いながら、周囲を見ましたがきちんと防音できているんです。どうしてそんなことが? そう思いつつ配信を続けると似たようなコメントが数人が書き込んできます。


 どうやってもそのコメントが付くので、試しにオーディオインターフェースのミュートボタンを押して少し様子を見たんです。驚いた事にマイクから音声が載っていないはずなのに同じようなコメントが付くんですよ。


 その日の配信は後味が悪いまま終わり、後は編集をしてアーカイブ化するだけ……でした。


 自分の配信のアーカイブを編集しようと動画編集ソフトを起動して動画ファイルを読ませると……乗ってるんですよ、不気味な声が。


 何度もその声を聞くと『水を……くれ……』とか『熱いよぅ……』なんてうめき声が残ってます。


 背筋が寒くなりつつその音声が乗っている部分を削除したんですが、これをそのままアップしていいか悩みますよね? なので少し検索をしてみたんです。


 そうしたら郷土史がヒットして、あの日は歴史的な大火のあった日だと出てきます。


 もちろん歴史上のできごとであるほどには古い出来事です。でも暑い中そんな人が居たことを考えるとそのファイルをアップする気にはなれません。


 結局その配信ログはお蔵入りとなりました。今はポータブルSSDに一応生データは残しているんですが、公開しようとは思いませんね。


 それ以来、彼女は配信時にエアコンをかけることを躊躇しなくなったそうだ。

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