エピソード 16
大雨の中。傘も差さずに自動車からでてきた白いスーツの男たちは、全員武装をしていた。大型高エネルギーーレーザーガンのライフルや、いわゆるオートマチック式ショットガンと呼ばれるレーザーショットガンを持つものもいた。それぞれ助手席や後部座席から現れた4台分。合わせて12人が間合いに入ると、俺は一呼吸して大きく踏み込んだ。
1つの踏み込みで、3m先の咄嗟に屈んだ男と怪訝な顔をこちらに向けた男を蹴り飛ばした。俺の蹴りによる多量の加圧で、二人の男の腹部が背とごっちゃになる。
次に、最初に襲撃した1台目の自動車のボンネットを飛び越えて、同じ自動車からの男の首を足刀で薙ぎ、地面へ叩き潰すと、3台目と4台目目掛けて、大きく踏み込んで、少し先の2台目の普通自動車を傍の男たちも巻きこむかのように蹴り飛ばした。
俺の蹴りによる衝撃で、市場まで打撃音が鳴り響く。激しく凹んだスモークガラスの普通自動車は、そのまま勢いよく宙を飛び、丁度、3台目と4台目の車間距離に吸い込まれる感じで、中の人間共々白いスーツの男たちを押し潰した。
残りは、血をしたたらせ。車の下敷きになった手や足がだらしなく伸びているだけとなった。
「掃除終わりっと……お疲れ様。……うん??」
白いスーツの男たちのいた地面には、名刺のようなものが地面に落ちていた。危険はもうないので、それを摘み上げると、ネームプレートだった。
それには「シンフォニック・エラー研究所職員防災センター部長 ハイデル・エリスマン」と書かれていた。
「どうやら、大掛かりな機関が本当に実在していたようだな。ふっ、昔の故郷を思い出すなあ。シンフォニック・エラーを研究している。か……そういえば、兄貴たちやジルスはどこへ行ったのやら……」
俺は、懐かしい気分になって、買い物の続きのため籠が置いてある市場へと戻ることにした。




