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星々で構成されたシンフォニー   作者: 主道 学


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エピソード 15

 天幕の中だが激しさを増した大雨のせいで、少し肌寒くなって来た。どんより霞がかかった市場で一通り買い物籠へ商品を入れ、長蛇の列の鼠色の服装のあやかしたちの後ろへ並ぶ。要するにレジ待ちだ。  


 前の鼠色の服のあやかしは、服の色と変わらずネズミの化身だった。ここから見えるレジを打っている男は意外にも人間で。もっと意外なのは、この混みようなのに、とにかくレジを打つのが遅いんだ。そこから、遠い場所にいる俺にも乱雑に打っては、間違えたのか、レジを打ち直す音が聞こえてくるくらい。


 レジ打ちを待つあやかしたちが、徐々に眠たそうな顔になってきた。

 周囲のあやかしたちも、レジを打つ音がスローテンポなのに、辟易しているようだった。


「うん??」


 俺は少し首を傾げた。

 また、微かな排気ガスの臭いを嗅いだからだ。

 第六感が鋭く「危・険」と察した。

 今度は、複数漂ってくる排気ガスから、自動車が二台以上は来たと思えた。


「おい。早くしてくれよー。こっちは、この大雨の中。可愛いもふもふの警護で朝まで残業なんだ」


 レジを急かすつもりで、気軽に話した言葉に反応したのか、レジ打ちの男は少しは動きが早くなった気がした。だが、間違いが多いようだ。訂正する打ち直しの音はそのまま頻繁に続いた。


 第六感が新たに知覚し。後ろを振り向くと、軽いクラクションとともに、市場の人混みの中を掻き分けて、今度は4台のスモークガラスの普通自動車が市場の向こうにある大通りを徐行しているのがわかる。どうやら、ここヴァーチャルミレニアムの都市部の方から車はきているようだ。自動車が元来た道を目で追うと、豪奢な白い建物群が見えるからだ。

 

「ふうっ。ちょっと、場所を取っておいてくれ。一仕事増えたんだ。あの男がレジを済ますまでには、終えてくるから」

 

 俺は並んだ列の後ろのあやかしにそう言うと、買い物籠を地面に置いてから4台の自動車の方へ歩き出した。

 

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