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尾行 一.

 翌日、**青島孝あおしま たかし関森由紀せきもり ゆきは出発した。東京から乗ってきたレンタカーはすでに返却済みだったため、新たに別のレンタカーを借りた。その報告を聞いた林田未結はやしだ みゆ**は、尾行を命じ、自らもそれに加わった。


 三台の車が、彼らの後を追う。一台の車が長時間後をつけないよう、入れ替わりながら尾行を続けていく。


 青島孝と関森由紀の乗った車は、東名高速道路に入り、名古屋方面へと向かった。


 林田たちも後を追って高速道路へ入る。時折、一台の車が彼らの車を追い越して先のパーキングエリアで待機し、通過後に再び本線に戻って後を追う。その間は、別の車が尾行を引き継いでいた。


 やがて、彼らは高速道路を降り、一般道へと入った。


「どこに行くのかな?」

 林田未結は静かに呟いた。


 しばらくして、**桐生きりゅう**が口を開いた。

「レンタカーを返すようです」


「歩きになるな」

 林田はそう言うと、自分を含めて五人の部下を選び、徒歩での尾行に備えた。青島孝と由紀が別行動をとった場合は、二組のチームに分かれることも決めておく。


 レンタカーを返却した青島孝と関森由紀は、ゆっくりと歩き始めた。その後ろを、林田未結たちは近付かず離れずの距離で尾行する。全員がスーツにビジネスバッグという、いかにもサラリーマンといった身なりを装っていたが、バッグの中には拳銃やナイフが隠されている。林田だけはカジュアルな服装で、小さなバッグの中にナイフだけを入れていた。


 二人は、JRと大手私鉄が同居する駅へと入っていった。


 自動券売機で切符を買う二人。林田は素早く近付き、買うべき切符をちらりと確認した。自分も切符を買い、部下にも買わせようとした、その矢先だった。


 青島孝と関森由紀が突然、改札口に向かって走り始めた。すでに改札のすぐ近くにいたため、あっという間にそこを抜けていく。


 林田は慌てて後を追おうとするが、券売機から切符が出てくるのがもどかしい。ようやく切符を手にすると、強化人間としての真価を発揮した。行き交う人々をスローモーションで見るように、ぶつかることなく、その間をすり抜けていく。改札を抜けるのがもどかしく、改札を抜けた途端に一気に加速した。他の乗客たちは、信じられないほどの速さで駆け抜けていく林田の姿に、呆然と立ち尽くした。


 林田は「しまった!」と舌打ちをしながらも走り続けた。部下たちがまだ切符を買い終える前に、青島孝たちが走り出したからだ。


 改札を抜け、追いつき、そして、ほとんど同時に電車に乗り込む。ドアが閉まり、電車は発車した。すべては、ドアが閉まる直前に乗り込むように計算された行動だった。青島孝と由紀が乗り込んだ車両と同じ車両の別のドアから、林田は滑り込んだ。しかし、部下たちは、誰一人として間に合わなかった。

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