人喰い蜂 外伝 ■とある世界の土地神⭐︎信者■
後の方で投稿しようと思ってた短編
おはよぉございます…ふぅ、今日もいい朝ですね〜?きっと■■■■■様もご機嫌なことでしょう。
私は巫奉京華。■■■■■様に仕える巫奉一族の長女。
男系家系で、神に仕える一族の長女とは言っても、有力な他家に嫁がされるか兄弟に嫁がされるかだけで、他に大した役割はありません。
強いて有るとするのなら、嫁いだ後にその家とうまく関係を取り持つこと。しかし、そんなことをしなくても人類に辛い今の情勢では、有力な家同士仲良くやって行くしかありませんし、大体有力な他家は分家がまとめています。
かつてこの世界に界道が現れる前。中央世界に接続される前。
青空を警戒する為ではなく、恐怖する事もなく、楽しむために見上げることができたという時代。
そんな時代では、人々の信仰が薄れて魔力が集まらず、■■■■■様も今ほどの力が出せなかったとききます。その為女系だった家を男系にし、女を他家に嫁がせて立場を守っていたのだそうです。
そんな頃は嫁ぎ先との仲の良さはとても重要なことだったというのですが…
そんな関係も界道が現れ、蜂という人類の天敵が現れるまででしたが…
蜂どもは集団で行動し、■■■■■様の使う神通力の劣化版のような力を扱います。
人を殺し、喰らうだけではなく寄生して体を乗っ取り、そのまま喰らう悍ましい神敵、悪魔です。
そんな奴等相手に幾度も幾度も■■■■■様は傷を負いながらも奮戦し、退けてきたのです。
■■■■■様の力を目にした他家の者は供物を差し出し、恭順の意を示したのも当然と言えるでしょう。
私たちは■■■■■様に信仰を捧げると共に、庇護の対価として供物を捧げます。
そのお役目において重要な分家が4家、巫奉の一族にあります。
森人と交ざり、霊能力・寿命などに秀でる舞奉家は、祭りを指揮して神楽殿にて舞を奉納します。
恵地精と交ざり、農業に秀でる供奉家は、農業を指揮して農業の成果や霊酒を奉納します。
獣霊と交ざり、身体能力・繁殖能力に秀でる武奉家は、武力を鍛えて外敵や動物と戦い、戦果と供物を奉納します。
狛憑きと交ざり、交霊術・交感能力に秀でた支奉家は、占い・交霊を行い政を動かし、他の分家との関係を保ちます。
彼等の働きのおかげで、毎月の祭りの際に供物を山にある祭壇に捧げることができているのです。頂点は巫奉家の男どもが行っていますが、それは■■■■■様のお考えによるもの。
主家たる我が家は「何にも混ざることなく、■■■■■様直属であり、人類の頂点にあれ」という。
ただハンコを押し、大儀であるなどと喋り、祭りの際にそれっぽいことを言う。実際にはこれだけです。
私はなにもしていないし、信仰を捧げる以外の役割があるわけでもありません。
勿論信仰を捧げていますし、毎日お祈りもしていますが、そんなことは当たり前なのです。
それで良いのでしょうか?巫奉家の役目は信仰と供物を捧げる事では無買ったのでしょうか?
否、否‼︎このままではいけないでしょう。
個人でしかできないから小規模のものでいい。少しの物でも、継続的に供物を捧げられればいい。何か■■■■■様のお役に立てることはないでしょうか?
私は考えた末に、巫奉の一族に備わっている力であり■■■■■様との意思疎通にも使われている念通力を使い、小動物を家の簡易的な祭壇に捧げることにしました。
+*+*+*+*+*+*+
角兎ですか、良いですね。
(聞こえますか?角兎さん。貴方に此れをあげましょう。)
あらかじめ供奉家から貰って来ていた、供奉家が捧げ物を洗ったり舞奉家が祭りの際に使用する霊水を与えます。これには回復効果、筋力や体力が増加する効果もあります。
(聞こえます。これは…おぉ?!!!……すごい…力が溢れて……恐れながら…貴方はもしかして、神様なのでしょうか?)
!かみさま…そうきましたか…まあ言っても仕方n……いいえ、これは利用できます
(まあ、似たような物ですかね?私に仕えてみませんか?他の同族の方にも伝えてみて下さい…供物を持ってくれば毎月一名ずつ楽園へ連れて行って差し上げますよ)
(本当ですか‼︎ありがとうございます…皆にも伝えてみます)
去っていきましてか…予定とは少し違いますが、良いでしょう…供物を用意するどころか毎月自分からその身を捧げてくれるのですから…
+*+*+*+*+*+*+
あれから暫く供物を捧げていますが、いつも■■■■■様に受け取ってもらえてます…やはり正解でしたね
今日は分家の皆様と、私の供物のことや、場合によっては新しいお役目があるかもしれないこと、などが話し合われるという会議に出席します。
私、というかそれぞれの家の家長以外は基本会議に主席しませんし、兄弟姉妹なんかも普段から顔を合わせることは有りません。今回は私の成果が認められたのですかね?
「定時になりました。今から一族会議を開始します。四家から順にいつもの流れで報告して下さい。」
「舞奉家、祭りの準備は順調に行われています。次回の準備はもう終わっています。」
簡潔ですね。面布で顔が隠れているせいで表情もわからない。会議という名の報告会ですね…
「供奉家、鳥、鼠の被害は例年以下です。呪詛式攻勢結界の効果は十分に確認出来、費用対効果の面も問題ありません」
ふむ、そんなもの実装してたんですね…前暴走したとか噂で聞いたことあるんですが…
「武奉家、戦士団の被害は蜂どもの被害の行方不明者が三名のみ。これはいつも通り見つかる見込みはないでしょう。供物は大型動物の移動により、十分な量の確保が出来る見込みが立ちません。大型動物の移動の原因の調査を続けています。」
おぉ、獣の耳がついていますね。
ん?何か違和感があります…何か見落としているような…?
「支奉家、各部署の税監査の結果は、全部署とも問題ありません。収入が例年の支出を一割越えています。前から懸念されていた呪詛吸収貯蓄機の性能向上、増築費用に半分回しました。」
まあ今は良いでしょう。
「ふむ。先ずは皆、大儀である。して武奉恵盛、足りない分はそこの京華が納めている分を回したら足りるのか?」
「いいえ、足りないでしょう。流れる血、という対価が足りません…大型動物であることではなく、■■■■■様の供物とするために危険に立ち向かい、危険を打ち破りそれを捧げることが重要なのです。供物の種類が違います…京華お嬢様の供物はどちらかというと供奉家の供物に近いでしょう…例の儀も合わせてするするべきかと」
ふむ、そうだったのですか…例の儀?そんなのがあるのですか?
「そうか………では京華は儀のために舞の練習に入るように。練習のために舞奉家から人を派遣しなさい。練習の前に供奉家に供物の引き継ぎをするように。祭りに向けて励みなさい」
引き継ぎ…緊張しますね
+*+*+*+*+*+*+*+
早速、引き継ぎをすることになりました。
「この格好で、この面布をかぶって下さい。設定については、こちらの書類をみて下さい」
「ふむ。考えましたね…角兎どもが自分から供物になりに来るのですか」
「別に私が考えた訳ではありませんよ。供物にするために聖水を与えたら勝手に勘違いしてくれただけです」
「聖水の消費量が多いと思っていたらこういうことだったんですね…」
「負担になっていましたか?すみません」
「いえいえ、聖水は結構簡単に沢山作れますからねぇ〜。余ったものは武奉家の飲料になっていたんですよ」
「そ、そうだったんですか」
+*+*+*+*+*+*+*+*+
引き継ぎが上手くいって良かったです。今は他の小動物でも試していると聞きます。
舞に関しても無事に練習が終わりました。正直大変でしたが、これも■■■■■様の為と思えば頑張れます。練習が終わった時教えてくれてた人が泣き出したのにはビビったけれど…あの人結構偉い方だったと思うのですが…
今は祭りも終わり、祭壇に供物を運んでいるところです…
祭壇の近くで■■■■■様がお召しになられているときに舞うのが例の儀というやつらしいですね…
■■■■■様が見えてきた…■■■■■様は、真っ白な翼の生えた、人二人縦に並べたぐらいの高さのある狼の姿をしていて、雲や霧、霜を操る能力を使って身に纏っている。
あぁ!!あぁ!!逞しく神々しいお姿!!!お会いできて光栄です!!
他のものたちは祭壇に供物を捧げ、一礼して去って行きました。
■■■■■様が私達の供物を召し上がってくださっています!!
あぁ涙が邪魔で■■■■■様のお姿が歪んで見えてしまう!
あれほど辛いと思っていた舞が一向に気になりません!!!■■■■■様!私は舞をうまくまえているでしょうか?ご満足いただけているでしょうか?
〔大儀であった〕
あぁァ!!あぁ!!あぁァー〜■■■■■様のお言葉が頭の中に響いてぇry!!
(もったいなきお言葉!!此の身に余る光栄!!幸せです‼︎)
■■■■■様?なにをして?あぁァ!!私を其の身と共にしてくださると!!この身に供犠のお役目を下さると!!この身を捧げさせて下さるというのですか!!
〔其方の信仰、実に見事である…御母様も喜ばれている事でしょう〕
アぁァあぁぁァ!!!ありがとうございま
ブチュグギュゴリッッチャ
ああぁ痛みを感じません…熱も感じません…ここまでの幸いがこの身にあろうとは、思ってもみませんでした…
ズニュチュグギュゴギャリッ
あああぁ■■■■■様‼︎もう少しで此の身を御身と共に……
ん?上顎の内側に傷跡が……
グチュっバクンッッ
Конец THE END KONEC 劇終 ENDE 完 Fin おしまい
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
設定・ネタ紹介
巫奉 京香 巫奉→身奉 キョウ→供 カ→囮 キョウカ
狂信者。信心で痛みすら幸福感に変わるぐらい。大型動物が移動したのはこいつが大型動物の餌に対してあれこれしていたせい。餌が逃げたら移動もするよね。
例の儀式は基本人身御供を嫌がる本人に伝えないようにするための隠語。
巫(身)奉家の娘は人身御供になることがあるので、他人と合わせず、そもそもいなくなった事を周囲に悟らせない。役目がないのも、お供物が綺麗な状態にあるようにするため。ちなみに舞を教えてくれてた人は此れを知ってた。泣いたのは其のせい。
供
キョウ・ク・そなえる・とも グ
物を準備して神仏の前に奉る。物を神仏にささげる。そなえる。用が足りるようにする。役立てる。すすめる。さし出す。
ごちそうする。たずねられて事情を述べる。とも。ともにする。ある人の周りに寄り添い集まる者。つき従う者。従者。また、従者として従うこと。
囮
カ・おとり
鳥・獣を誘いよせて捕えるために、つないでおく同類の鳥・獣。誘いよせるために使う手段。
蜂ども
鬼畜。敵として、脅威として認識させてそこから得られる魔力と、庇護者としてみられて信仰されて得られる魔力。両方掻っ攫っていった。とんだマッチポンプもあったもんだz((おい!君がマッチポンプのこと言うんだ?ふ〜ん?
あっムシュタムの姉御!!良い天気っすね!!荷物持ちましょうか?
やり直し
ツヨイ。聡明な頭脳で考え抜かれた策により、効率的な魔力収集を可能にした。
とても綺麗な外見である魔晶の体は、【魔晶輪】が頭上に浮かぶ輪であることもあり、まるで天使のよう。(なお蜂
とても軽く、大悪魔タイジュウケイもなんのその(なお蜂
とても沢山の人(読者)に愛されている(願望
■■■様
蜂に寄生され、乗っ取られている。
この話を考えた時は、
主人公はお金が欲しくてクワガタムシに対して神様ムーブかます。(具体的にいうとエサ与える代わりにいつも食べてる樹液の場所を教えさせる、さらに楽園連れてくって言って捕まえてお金にする。しかもそのうち他人にその役目交代して、クワガタ達はそれに気づかない)暫くしたら主人公に神様が楽園に連れて行くって言って、でも実は神様は自分のことをお金儲ける為のクワガタムシと同じくらいにしか考えてなかった。
みたいな感じにするはずだった。人喰い蜂とリンクさせたいなって思ったのが運の尽き。そもそも人喰い蜂も複数のシナリオ考えていない設定合わせて、設定複雑になってんのに…
大体この話書いたのが7話描き終わった頃っていう…いつ公開できるのやら?
寄生させてんのは主人公に対しての皮肉にするため。主人公狂信者だからね、食べられるだけだと単純なハッピーエンドなんです…
ここに住んでいる人間は正直言って苗床。眷属増やして、魔力も増やして、そもそも餌。人間ってすごく便利。育てるだけで一石三鳥。
ちなみにこの世界の魔力は元からあったやつで、呪術的なのと、魔法的なのが使える。
わけがわからないよ
ネタ
タイトル
とあるシリーズより
美琴ちゃん大好きです。はい。
■■■■■様
クトゥルフ様だと思った?思った?
Конец THE END KONEC 劇終 ENDE 完 Fin おしまい
まどマギより。