記憶
読んで戴けたら嬉しいです。
頭の中というより全身でオレは急激に記憶を取り戻した。
大量に涌きあがる感情、映像、言葉、思念、感覚、それら総てが不快に吹き出し、言いようの無い不快感に吐きそうなほど気分が悪くなった。
彼女が抑揚なく言った。
「思い出したね」
オレは答える事もできなかった。
床に這いつくばり、苦痛に顔を歪めることしかできない.......。
生きているのが辛い........。
理由など無い。
ふとした瞬間にそう思った。
人と接しているだけで酷く疲れる。
そんな理由で不登校になり、引き籠りになった。
周りの同級生たちは、社会に順応して就職しているのに、オレはと言えば自分の部屋に閉じ籠りゲームで現実逃避している。
そうしている内に自分の存在に意味を失い、生きる意味を失った。
或る時思った。
この先、恐らくオレは一生こうなのだろう。
オレはこの人生に決着をつける必要がある。
結果、オレは此処に迷い込んだと言う訳だ。
ようやく不快感は収まり、オレは大きくひと呼吸すると言った。
「死んだら、地獄とか天国に行くものだと思ってた
それとも此処はもう地獄か天国なの? 」
彼女はフッと笑みを漏らして立ち上がった。
「落ち着いたみたいだね」
彼女はこちらに近付いて来た。
改めて見ても彼女の仕草は華麗で妖精を想わせた。
「天国とか地獄は現世で味わうもので、死んでから行くと云う考え方は人間の幻想だよ
死と云う恐怖を和らげ、恐れで意のままにしようとした人間の浅知恵で創られたものだ」
彼女は言った。
「此処は、無意味を知る場所なんだ」
さすが、死後の世界の住人の言うことは説得力があるなと思った。
オレはなんとなく言った。
「そんな言い方するとキミが人間じゃ無いみたいに聞こえるよ」
急に彼女は眉をしかめ、横を向いてしまった。
何が気に入らなかったのか、彼女を怒らせてしまったらしい。
女の子は気難しいな。
横を向きオレを無視する彼女が少し恨めしく思える。
取り残された気分だ。
なんだか腰の辺りがすかすかした。
オレはふと、此処では思念を具現化できる事を思い出した。
彼女は何をすれば喜ぶだろう?
オレは生きている頃に好きだったマンガのキャラクターを思い出した。
一度や二度、生命エネルギーを使ったからと言って、即消滅って事にはならないだろう。
オレは思念を集中させて彼女を見詰めた。
読んで戴き有り難うございます。
この作品のジャンルを昨日変えました。
異世界恋愛だったのですが、どうにもしっくり来ないんですよね。
私の作品はジャンル分けがなんとも面倒くさくて、何処に属するのか解りにくいんですよね。
芸術性がどうのと書いてあったので純文学にしました。
純文学とも違うような気もするのですが、純文学書かれている方ごめんなさい。
純文学の読者様、初めまして。
こんなの純文学じゃ無いやい❗ と思われる方もおられるかもしれませんが、すみません居場所が無いのでここに居させて下さい。
(*- -)(*_ _)ペコリ
宜しくお願い致します。m(_ _)m