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【3】始動編 第1話 スキル。


 ステータス表示変えました。


 

 

 俺は非現実なこの境遇に色々と動揺しながらも、メイという相棒を迎え少しだが心強くしつつ、今もってあてもなくこの洞窟内を歩きまわっている。


 出口はまだ見つかっていない。そもそものスタート地点が洞窟の中で、全く手掛かりのない『どこか』だったからな。


 つまりどちらに向かえばいいのか全くわからない状況だった。だから今だあてもなく彷徨い歩いている。


 しょうがないので道すがら『素材を感知しては根こそぎ【吸収】』…これを繰り返している。


 にしてもこの洞窟。広すぎないか?時間にしてもう丸一日くらい経ってるんじゃないだろうか。


 …っていうか。


 びくびくしながらしかも食事を取らず休みもせず歩き回っているのに……我ながら呆れる………何故ならまだ全く疲れていないのだ。



 これは【維持】というスキルの効果であるらしい。



 戦闘はしていない。何かの気配を感じたら逃げる隠れるを繰り返している。また襲われるのは当たり前として怖いからだ。


 だからもう革靴は脱いだ。靴下もな。すぐ穴が空きそうだったし。裸足は足裏が痛くなるし、危険なんだけど…これもしょうがない。足音を消すためだ。


 血まみれになって見るも無残となったスーツやシャツも脱いでおいた。洞窟内はやたらと反響する。衣擦れの音ですら敵を呼んでしまいそうで怖い。いや、さすがに下着の上下はね。着用してますとも。え?服と靴はまだ捨ててないよ?



 それらは全部【宝庫】っていうスキルの中に収納してある。これも便利な能力だ。



 このようにステータスに記載されていたスキルを俺は、早速と活用している。ダンジョン的な本能によるものか、それとも無料なのをいいことに携帯小説を読み漁っていたからか。もしくはその両方か…使い方ならすぐに分かった。


 メイから聞いた話では俺が使っているこれらのスキルは…どうやら『迷宮スキル』っていう『ダンジョンの能力をダンジョン人間用にカスタマイズしたスキル』であるらしい。


 つまりこれらは、ダンジョン人間固有のスキルって事になる。もしダンジョン人間が俺以外にいないとするなら…?


(これは俺専用のユニークスキルって事になる…)


 ……正直に言おう。少しテンション上がった。


 ただメイの話ではダンジョン人間はダンジョン由来のスキル以外は使えないかもしれないという事だった。【根拠はないですが。ただダンジョン的な直感がそう言っているのです】なんて言われた。


 ……正直に言おう。少しテンション下がった。


 まあそれでもこれは…(まあ、まだよく分かってはいないんだが…)相当強力なスキルなんじゃないだろうか。よし、もう一度ステータスを見て考察しよう。


(…そうするとなんだか落ち着くんだよな…)



=====================


個体名 ゴン=ベイ

種族名 ダンジョン人間

迷宮銘 メイ

レベル  1

迷宮ランク ??/?? 


構造深度  153

《→規模  2階層》

 

魂魄濃度  ー 

 体 力  100  

《→生命力 100/100》


エネルギー ー

 気 力  20

《→迷宮力 20/20》


攻略深度  ー

 身体力  50  

《→物理力 50/50》


支配領力  ー  

 存在力  20  

《→干渉力 20/20》 


迷宮対価

《→DP   150》



迷宮スキル


【吸収 Lv12】

  →【遠隔】【一斉】

【宝庫 Lv2】

 

【戦録 Lv1】

      

【維持 Lv5】

  →【修復】 

  

=======================



 今俺が使えるダンジョン能力、『迷宮スキル』は4つある。


 これらは発現しているだけで自然に使える仕様だ。だから予備知識のない俺でも本能的に扱う事が出来た。

 そしてそれぞれの『迷宮スキル』の下にある『→』印、その横に並ぶ単語だが…これらは『顕能』と言うらしい。


 これら『顕能』はそれぞれの親となる『迷宮スキル』が一定のスキルレベルに育つと開放される能力なんだそうだ。


 そしてこれら『顕能』は発現しているからといってそのままでは発動しない仕組みだ。そこらへんは『迷宮スキル』とは違う。


 『都度都度、これら『顕能』を選んで俺自身の総合能力をカスタマイズする。』そんな感じで使う機能であるらしい。


 そしてこれら『顕能』は一度に起動出来る数に制限がある。


それは『構造深度』が上昇し、『階層』が拡張されていけば増えていくとの事だった。


 今の所俺の中のダンジョンは二階層まで拡張されている。そして覚醒している顕能は三つ。今の折れはその内の二つまでなら同時に使用出来るようだな…。



●【吸収】というスキルを凝視してみたら…



『(Lv1)内蔵ダンジョンの素材となるものを吸収する事が出来る。吸収すれば『構造深度』が上昇する。その数値分だけ内蔵ダンジョンは拡張する。拡張し、『階層』が増えると『顕能』の使用限界数が増える。単位としては『一階層分=構造深度100』(Lv5)内蔵ダンジョンの拡張に使える素材が判別出来るようになる。(Lv10)その素材を吸収すればその素材のステータスを知る事も出来る。』


 …と、かなり詳細な注釈文を見る事が出来た。


(Lv5)とか(Lv10)の後に記載されている文言はこのスキル自体の拡張能力なのだろう。


 つまりスキルレベルが『5の倍数』に到達する度に『迷宮スキル』は強力になり、能力も拡張される。


 そして多分だがその度に『顕能』まで追加されるのだろう。


 その証拠にスキルレベルが12もある【吸収】には『顕能』が二つもある。……我ながらぶっ壊れだと思うのだが。ああそれぞれの『顕能』の内容は以下の通りだった。


『遠隔』という権能は

『視認した素材を手に触れなくても任意吸収。視認に頼らずとも感知できる素材なら遠隔で吸収出来る。』


 …という拡張能力だった。試してみたら見えても見えなくて感知しても、スキルの有効範囲から外れていれば吸収は無理であるのが分かった。


『一斉』という権能には

『素材を同時、一斉に吸収する事が出来る』

 …とあった。


 さっきも述べたが、今のおれは『顕能』を2つ使える。それで上記二つの『顕能』全開の【吸収】を使ってみたのだが…凄まじい能力だった。まさに“根こそぎ”という感じで吸収出来てしまった。なので


 『まずはこの【吸収】セットで『構造深度』を上げ、『階層』を増やす。そして使える『顕能』を増やしていく』


 …というのが、取り敢えずの方針となった事は、言うまでもない。 



●【宝庫】というスキル凝視してみれば…



『(Lv1)保存しておきたい物を確保する事が出来る。取り出しは自由。容量はスキルレベルに依存。保存能力は永遠。』


 アレだ。定番のアイテムボックス的なアレ。残念ながら無限収納とまではいかないみたいだが…でもこれ、どうやったらスキルレベルが上がるんだろう…Lv2であるこのスキルにはまだ『顕能』が備わっていない。



●【戦録】というスキルも凝視する。



『(Lv1)ダンジョン討伐を目指し侵入を繰り返す強者と呼ばれる者達の記録。それをスキル化。このスキルを持つ者は全ての武器、武術を使いこなす事が可能で、スキルレベルの分だけその技術と物理攻撃は上昇する。』


 という…コレは戦闘においてはかなり強いスキルになるのではないのだろうか。いや、これがあれば【剣術】とかのスキルがいらなくなるぞ。…いや、【剣術】ってスキルがあるかどうかも知らないけども。

 このスキルもまだ権能を備えていない。


(やっぱり戦闘を積まなきゃ成長しないか…いや、出来るのか?俺に…)


 ………………………………………


 ………………………


 ……………


 ………


 …いや…あまり考え過ぎても駄目だ。


 そうだ…今は生き延びる事が先決。


「さあ…【吸収】ラッシュだ!行くぞメイ!まだ見ぬ素材を探しにっ!」


【……マスター…?】


「ん、どうしたメイ?」


【…ぁ…いえ!行きましょうマスター!まだ見ぬ素材を美味しくいただきにっ!】


 …そうだ……せっかく生き返ったんだ。


 今はただ…頑張る。


 それをやるしか…ないじゃないか。


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